『おいしいごはんのためならば』豆腐には塩、豆の味わいが引き立つから。

おいしいごはんのためならば
平松洋子・著 世界文化社 ¥1,680/OMAR BOOKS
 
―おいしいもの、その他についてわいわいと―
 
 近頃、お豆腐を食べてばかりいる。
というのも今どき珍しく近所に豆腐屋さんが来るようになったから。
買うのは大体決まっていて、お豆腐一丁とゆし豆腐。
出来たてのまだ柔らかな姿はつつくとすぐ崩れてしまう。
形をあまり気にせず、ほんの少し醤油をかけて頂く。
時間を置いて食べるのとでは全然違う!
ほんのりと温かく、味だけでなく身体にもきっと優しいに違いないと思わせてしまう力がある。
  
今回ご紹介するのはフードジャーナリスト・エッセイストの平松洋子さんの著書。
この本の中にも「お豆腐屋さん江」という章でお豆腐をめぐるエピソードが登場する。
 
寒い夜明け前の朝、湯気を立てるお店を目にして以来、著者はいそいそと美味しいお豆腐を求めに出かけていく。途中、群生した小路で出会う「どくだみ」を愛でながら。
平松さんのこだわりは醤油の代りにちょっと塩をつけて食べるのが好きだそう。豆の味わいがぐんと引き立つらしい。
 
今度やってみたい!と思わせるようなエピソードがたっぷり入ったこの本。
特に女性におすすめ。
タイトルどおり、おいしいもののために奔走する著者の日々が軽快な文章で綴られていて読み進めていくのが楽しい。
女友達とわいわいと最近あったこと、見つけた美味しいもの、面白いことを飾らずに井戸端会議しているようだ。
  
またこの本の楽しみ方は色々。
平松さんの目利きに適ったものたちの写真がたっぷり入っているのやレシピやお店情報、商品説明もかなり詳しく載っている。
お気に入りの調味料、珍しいアジアの食材も紹介されていて、全編通読するとかなりの料理ネタがインプットされるのも間違いなし。
  
ちょっとでも工夫すれば、生活がもっと楽しくなるということがこの本から伝わってくる。
仕事や家事・育児などに追われて気持ちに余裕がなくなっているときや生活が少し乱れがちなときに読むといい効果がありそう。
 
今日も楽しくおいしいものを食べたいあなたに。

OMAR BOOKS 川端明美




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