『 いま、地方で生きるということ 』行動を起こすのに必要なのは自分への信頼。生きること、働くことを今だから見直したい。

 
西村佳哲・著 ミシマ社 1,785円 OMAR BOOKS
 
― どこでどう生きる?  ―
  
読書がはかどるようになってきたこの季節。
じっくり読んでもらいたいと今回紹介するのは
『いま、地方で生きるということ』。
  
実はまだ読んでいる最中。
最近お店に入荷したばかりのこの本、
読み始めたらこれはもう早くたくさんの方に読んでもらいたい、
でも読み飛ばしたくはないので途中ながら取り上げることにしました。
  
著者の西村さんは働き方研究家として『自分の仕事をつくる』という本などを出している方で、彼がミシマ社の編集者から「地方で生きること」についての本を書いてくれないかと依頼されたところからこの本を作ることが始まったそう。
 
このタイトルに惹かれる人は多いと思う。
今沢山の人が必要に迫られて考える状況に置かれているんじゃないだろうか。
そうじゃなくてもふと自分の周りを見渡すきっかけになるような本だと思う。
 
当初は内容がどうなるか分からないまま、しぶしぶ引き受けたような西村さんは今回の震災後、東北からスタートして九州まで渡る旅に出る。
そこで出会った人たちの声を聞いて一緒に支援活動に参加しながら旅していく中で「どこで生きる?」というのを問いかけ続けた。
 
読んでいくといくつも胸に響く言葉が。
 
「勇気は出そうと言われても出るものじゃない。実際にそれをもって動いた人の姿を見た自分の内側から沸き上がってくるもの」
と自然学校を運営する人の話を聞いて著者が気付く部分や、
「何かを始める人も先が分からないままとりあえず行動を起こしてみる。」
「考えるだけじゃなくて行動すると必ず反応が返ってくる」
など。
 
ならどうしたら行動を起こせるかというと
「自分に対する信頼があればいい。
その信頼の核は親だったり、友達だったり、ペットだっていい。
心の拠り所さえあれば。」
 
本の前半からこういう風に示唆的な言葉が並ぶ。
 
地方のあり方から個人のあり方へ。
ページが進むにつれて大事なのは「自立」だということが浮かび上がってきた。
どんな場合でも依存が少なければ少ないほどいい。
ほんと、そうじゃないと自由に動くことは出来ないしね。
 
働いて・生きるということと場所の関係を考え続けるこの本。
今どこで、どう生きようかという思いを抱いている人に様々なヒントをきっと与えてくれる。


OMAR BOOKS 川端明美




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