八日目の蝉永作博美にオスカーをあげたい、女性なら琴線に触れまくりできっと号泣

 
 

<<注意!!ネタばれあり!!(鑑賞予定の人はスルー推奨☆)>>

 
ここまで映画を観て泣いたことがかつてあっただろうか。


中盤から、もう涙が止まらない。


ポロポロこぼれ落ちる涙はどうしようもないとしても、嗚咽になりそうな声を何度もハンカチで押し殺すほど。


女性であれば、現在どんな立場にいようとも、心の琴線にふれるのではないのでしょうか。


多かれ少なかれ。




この映画に出てくる女性たちの誰にもピタッと感情移入出来るのです。


もともとの母親の森口瑤子 演じる秋山恵津子には、ちょっと感情移入まではいかないけど、このひと、ほんと、大変だったと思う。





ちょっと赤ちゃん家に置いたまま、夫婦で車にのって行っちゃうんだけど、おそらく、旦那を駅まで乗せていくかなんかだったんだろうな。


観ながら、「え!赤ちゃん置いたままいっちゃうの?」とか思ったんだけどね。


アメリカじゃ、考えられないけど、日本じゃありなのかしら?


最後のほうで「なんで、車に乗せて連れていかなかったかな」と、恵津子が泣きながら言うのね。


ああ、一番後悔してつらかったんだなあ。と。
ほんとは一番自分を責めているのに、誰かのせいにするしかなかったんだね。


全く悪くなかった、連れ去られた赤ちゃん。 井上真央 が実に上手いです。
このひと、あまり好きじゃなかったんだけど、この映画、影のある役もできるんだと感心。








取材をしにきたとあらわれた千草。小池栄子 が挙動不審に演じてまして、
最初はやりすぎだとおもったけど、途中で、この人も普通の環境で育ってなかったために男性恐怖症になっているということを告白。
ここから私の涙が止まらない。


劇場でもすすりなきが。


それぞれの立場で、自分を重ねて観てるんだと思う。





母だとか、娘だとか、不倫をしてたりだとか、子をあきらめたりだとか、あるいは逆の立場だったり。


この映画は何かがいけないとか、何が正しいとか、誰が悪いとか、全く言わないんだけど、それが心に突き刺さってくるのね。


自分がわかってて蓋をしていたこととか、そういうことがどういう風に影響してるのか、とかね。


考えてたら涙がとにかくとまらないし。


何せ、永作博美 が抜群にいい。





私は彼女にオスカーをあげたいよ。ほんと。


彼女の表情も涙も、一緒につられてしまう。


でも、やっぱりこの映画の男性たちはずるいよね。こういうのって、なんだろうね。
万国共通だとは思うんだけど。





写真館の田中泯 が、圧倒的な存在感です。あんな島にあんなひとはいないと思うんだけど。
このひと、何に出てても、ダンサーのオーラがある。


何故にあんなに泣いたのか、自分でも今となってはわからないけど、観終わったときにはきっと心の中の何かが、洗い流されているのではないでしょうか。


化粧はボロボロだし、喉は乾くし、お腹は空いたし(笑)


おそらく歩んできた人生によって感じ方はそれぞれでしょうね。


試写会をみたという私の友人2名とも泣かなかったと言ってました。


自分を見つめなおす1本になるかもしれません。

KEE



<ストーリー>
995年10月東京地裁。  秋山丈博(田中哲司)、恵津子(森口瑤子)夫婦の間に生まれた生後6カ月の恵理菜を誘拐し、4年間逃亡した野々宮希和子(永作博美)への論告求刑が告げられた。 最後に何か言いたいことは、と裁判官に尋ねられた希和子は、静かにこう述べた。  「……四年間、子育ての喜びを味わわせてもらったことを感謝します」  会社の上司であった秋山丈博を愛し、子供を身ごもった野々宮希和子。しかし丈博には妻がいた。男は「いずれ妻と別れるから、それまで待ってくれ」と言うばかりで、産むことはどんなに望んでも決して叶えられないことだった。気持ちの整理がつかないまま、子供を諦めた希和子。だが、人工中絶手術の後遺症で、二度と子供を産めない体になってしまう。そんな時、丈博から妻の恵津子が子供を産んだことを知らされる。一方には諦めさせ、一方には産ませる男の身勝手さ。最初から未来などなかったのだ。別れる前に一目だけでも赤ちゃんを見たい。見れば諦めがつく……そう思った希和子は、夫婦の留守宅に忍び込む。ベビーベッドで泣き叫ぶ赤ん坊を抱き上げた時、赤ん坊は女に笑顔を向けた。その瞬間、希和子はしっかりと子供を抱えて、雨の中を飛び出していった。


<キャスト>
薫(恵理菜) – 井上真央
野々宮希和子 – 永作博美
千草 – 小池栄子
岸田 – 劇団ひとり
秋山丈博 – 田中哲司
秋山恵津子 – 森口瑤子
沢田久美 – 市川実和子
沢田昌江 – 風吹ジュン
沢田雄三 – 平田満
エンゼル – 余貴美子
タキ写真館・滝 – 田中泯



<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F

MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7