『ザ・マスター』アルコール依存症の主人公に希望を見せたものとは。どの俳優も演技が上手すぎて、観ていて胸が痛い…。


 
これはおそらくすごい傑作なんだと思う。
 
映画の内容よりなにより、俳優の演技がすごすぎて、胸が痛くなった。
 
映像の美しさも、カット割りも絶妙でやたらと印象深い映画になったのは間違いないが、迫力ありすぎて、私は後半どっと疲れました。
 
ホアキン・フェニックスは本当にうまい役者だし、ギリギリでヒリヒリするような演技をする。
あの超問題作「容疑者 ホアキン・フェニックス」から、よくぞここまで身体を絞ったな、と感心した。
お金と努力があれば絞れるんだろうなあ。
でもお金があれば、パーソナルトレーナーなんかがきっと自宅に来てくれたりして、目標達成も楽勝なんだろうなと、下世話なことを序盤ずっと考えていた。
 

 

 
「容疑者、ホアキン・フェニックス」のときのイタイ感じからまったく違うんだけど、この作品のフレディを演じるホアキン・フェニックスは、とにかくなんだろう。
どうしようもない何かを抱えて壊れそうであったり爆発しそうであったり、やっぱりイタイわけ。
 
こんな役をやらせたら途方もなくうまいね。
 
社会に適応できない。そんな彼が、「マスター」に出会う。
新興宗教の教祖だ、ということだけど、さすがフィリップ・シーモア・ホフマン、恐るべきカリスマ性です。
逆にこの人出ると、間違いなさ過ぎて安心してしまうよね
 

 

 

 
カルト宗教みたいな扱いうけてるけど、いわゆる日本でも少し前にブームになったスピリチュアル系な感じなんだよね。
「プロセシング」という実験的なものは、ちょっとチャネリングとか前世療法みたいな感じかな。
 
このあたりは日本だったら意外となんてことないんだろうね。
紙一重な感じかな。
 
時代背景もちょっと昔だからね。まあ、いろいろあるね。
 
とにかくこの二人がかなりガチな感じで、すごいのね。
それで、観客まで力が入ってしまうほどのぶつかり合い。
 
なんだっていいと思うんだよね。方法だってなんだって救われるのなら。
フレディにとって、マスターに出会えたことが大きな転機になって、最後はかなり希望がみえてくる。
 
本当に観ながら疲れたんだけど、同時に感動もしました。
 
映像も音楽も美しい。
 
ただ、万民にはおすすめできない映画です。なんだか結局よくわからないんだよね。
印象だけが強烈で。
 
エイミー・アダムスも安定感のある演技をみせてます。
 

 
俳優に興味があればぜひ。
 

KEE

 

  
<ストーリー>
第2次世界大戦後のアメリカ。アルコール依存の元海軍兵士のフレディ(ホアキン・フェニックス)は、「ザ・コーズ」という宗教団体の教祖ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)に出会う。やがてフレディはドッドを信頼し、ドッドもフレディに一目置くように。そんな中、ドッドの妻・ペギー(エイミー・アダムス)は暴力的なフレディを追放するよう夫に進言し……。

 
<キャスト>
フィリップ・シーモア・ホフマン
ホアキン・フェニックス
エイミー・アダムス ローラ・ダーン

 
<沖縄での上映劇場>
桜坂劇場
那覇市牧志3-6-10(旧桜坂シネコン琉映)
098-860-9555(劇場窓口)
上映日時詳細:http://www.sakura-zaka.com/movie/1305/130525_themaster.html