ヨガインストラクター松浦有梨自分がそうだったから、「忙しい」が口ぐせの人に来て欲しい


 
「ポーズにとらわれないで良いんです。
本に載っているポーズが、その人にとって良いとは限りません。」
 
つい、正しいポーズをとろうと必死になりがちなヨガ、
松浦さんのクラスでは、全員にまったく同じ姿勢、同じ強度のポーズを強いることはない。
 
「だから鏡も必要ないんです。重要なのは自分との対話。
自分のポーズを私や他の生徒さんと見比べる必要はありません。
結果じゃなくてプロセスを楽しんで欲しい。ヨガに限らず、何事もそうですよね。」
 

一時間半のクラス、寝た状態で自分の呼吸を確認することからゆっくりスタートする

ひとりひとりへの指導を丁寧におこなう
 
ニューヨークで学生をしていた松浦さん。
勉強をしながらインターンとしても働き、やるべきことの多さの中で忙殺された。
心身ともに打ちのめされ、精神的ストレスもひどく、食べられない、眠れない日々が続いたという。
その時、たまたま友達に誘われてヨガを始めた。
 
「本当に、みるみるうちに症状が改善して驚きました。周りの環境は何も変わっていないのに、ご飯も美味しく食べられるようになり、ぐっすり眠れるようになりました。ヨガで自分自身が変わったんですね。
意識も変わり、それまでストレスを感じていた事にも、いらいらせずに対処できるようになりました。」
 
心や意識の変化にともない、身体も元気になっていった。
 
「心と身体は繋がっているんだと痛感しました。心がラクになると身体も健康になる、逆もまた然りですよね。
ずっと悩んでいた肩こりが治れば心も晴れやかになる、というような感じで。」
 


「痛い人はムリをしないで」「気持ちの良いところで止めて下さい」

 
自分を救ってくれたヨガ。
ヨガと劇的な出逢いを果たした人の中には、すべてを捨ててインドに行き、集中して取り組む人も多いが、
松浦さんは仕事を辞めなかった。
 
「当時、ヨガだけに没頭しようとは思いませんでした。社会生活と平行してやりたくて。
そのおかげで仕事のつらい時期も乗り切れたし、仕事を途中で投げ出すことなく、辞める決断も良い時期にできたと思います。」
 
帰国後、現在はヨガを教えている。
 
「最初から教えたい気持ちがあったわけではなく、ヨガへの理解を深める為にティーチャートレーニングも受けていました。
でも、周りにヨガをやりたいという人がたまたま何名かいて、それで教え始めたのがきっかけです。
実は、『ヨガを教える』という言葉自体に抵抗があって・・・
自分もまだ道の途中にいると思っています。
だから、『先生』ではなく、みんなと一緒にヨガを楽しむ仲間と思って頂けたら。教えることが何よりも私にとっての学びとなっています。」
 
桜坂でのクラスは教え始めて三年になる。
 
「年齢にも性別にも制限はありません。今まで14歳から70歳前後の方まで参加くださいました。
本当にどなたでもできます、身体が固い人でもまったく問題ありません。」
 
ヨガでもっとも大切なのは、「自分自身と向き合う事」だという。
 
「忙しい現代社会で生きる人は、社会的地位や役割なんかをとっぱらって、『自分』に戻る時間ってなかなかとれませんよね。
家庭では妻や母、会社では社員、常にどこかで何かの役割を果たしていますから。
だからこそ、このクラスにいる間の1時間半は自分と向き合って欲しいと思っています。
自分に優しくするって意外と難しいんですよね、そこに気付いてほしくて。」
 
自分に優しくできなければ、きっと他人にも優しくできないのでは?
 
「そうそう。でも、以前はそんな単純なことにすら気付かずに生きていました。」
 


生徒さんのとるポーズは、それぞれ微妙に強度が違う。「それで良いんです」
 

 
ニューヨークにいた時は、自分に厳しく、完璧主義だったという松浦さん。
 
「自分が出来ないことに対して常にイライラしてました。
それが、ヨガを始めてからは『出来ないのも自分なんだ』と受け容れられるようになって。
よく、『自分らしく』という言葉をききますが、『〜らしく』ではなく、自分そのものでいることが大切だと思うんです。
例えば、『いつも明るいのに、泣いてるなんてあなたらしくないよ~』っていうのは違うんじゃないかなって。泣いているのもその子のありのままであって、嘘ではないわけですから。
周りからの印象なんか気にしないで、どんな自分も否定せず、すべて受け容れて欲しい。」
 
「〜らしく」という言葉は第三者による印象であって、それを押し付けるべきではないし、それにとらわれてもいけない。
 
「ありのままの自分を受け容れられるようになってからは、イライラしてもそのイライラをかき消すんじゃなく、受け容れるようになりました。そうしたらスっと心が軽くなるんです。」
 

 
ヨガをエクササイズとして捉えている人も多いが、最も重要なのは体と心の内側でいま何が起きているのか、という気づきを増やすことだという。
 
「自分と向き合う時に重要なのが呼吸。自分が今どんな呼吸をしているのかに注意を傾けます。
ヨガと出会う前の私は自分を見失っていました。
一体何がどうなっていて、自分が何を欲しているのかさえわからなくなって・・・
そんな時は呼吸が浅くなるんです。焦っている証拠です。」
 
呼吸が浅いと、それによってまた焦りが生じる。悪循環だ。
まずはゆっくりと呼吸をする。
そうすると心が落ち着き、身体にもエネルギーが満ち、良い循環が生まれる。
 
そして、クラスで習ったことは、是非おうちでも実践してほしいという。
 
「『だれでもいつでもどこでも』できるのがヨガの良いところ。すべて持ち帰るのは無理でも、自分の好きな気持ちの良いポーズは、是非好きな場所で実践してほしいですね。
ヨガマット一枚広げられるスペースがあればどこでもOK。
私はセントラルパークでやったりしていましたが、気持ちいいんですよ。
自分も自然の一部だと実感できるんです。」
 

 
どういう人にクラスを受けて欲しいですか?
 
「『忙しい忙しい』って言ってる人にこそ来て欲しいですね。『忙しい』が口ぐせの人って、自分でそう導いちゃってる場合があるので。
私がそうだったからよくわかるんです。自分の経験したことって説得力があるでしょう?
だから、そういう方にこそ伝えたい、一緒にヨガを楽しみたいですね。」
 
よく通る爽やかな声で、一人一人に語りかけるようにクラスを進める松浦さん。
生徒さん達もそれぞれに、リラックスして自分との対話を楽しんでいるように見えた。 
 
痩せたい、体力をつけたい、健康になりたい・・・
ヨガを始める動機の多くは、身体変化の願望ではないだろうか。
それももちろん、間違った動機ではないけれど、
心が疲れている人、忙しいからと自分の時間がとれない人、家族のことで手一杯で自分のことが後回しになっている人、
そういう、自分に優しくすることを忘れている人にこそ、是非松浦さんのヨガを体験して欲しい。
自分への優しさが、いずれは周囲への優しさに繋がっていくのだから。
 

写真・文 中井 雅代

 

桜坂市民大学 ヨガクラス
098-860-9555
那覇市牧志3-6-10
HP:http://www.sakura-zaka.com/daigaku/06.html
 
松浦有梨
blog:http://yogawithyuri.ti-da.net/