» 木bocca花(ボッカ)守りたいからこそ変化を。中国・台湾の伝統と沖縄デザインの新たな融合。


 
2つのくるみぼたんの付け方しだいで、
さまざまな表情を見せるワンピース。
静かな光沢を放つ生地は綿。
さらりとした着心地と軽さも魅力。
 
「畳むととてもコンパクトになるので、
旅行などの着替えとしても重宝しますよ」
 

 
「最近は、着ていてラクなものしか着たくないの」
という大林さんが、「ラクラク」をテーマに作ったサルエルパンツ。
動きやすさや着やすさを重視しつつも、
デザイン性、エレガントさもあきらめなかった。
 

 
台湾出身の大林さんは、
沖縄で出逢った南国の植物からインスピレーションを得て、
2005年に「木bocca花」を立ち上げた。 
 

 
600年の歴史をもつ中国・台湾古来の型染め「印花布(いんかふ)」は、
沖縄の紅型(びんがた)や藍型(えーがた)のルーツとも言われているが、
手間がかかること、技術習得に時間がかかることなどから、
中国・台湾でもその技術の継承者は減少し続けている。
 
そこで大林さんは中国・台湾と沖縄の職人の力を合わせ、
沖縄のデザイナーに協力を依頼、
中国・台湾の伝統工芸と南国的なデザインを融合させ、
「藍印花布」という新たな表現を確立した。
 
「印花布の繊細さだけでなく、
大らかでほのぼのとしたデザインが魅力です。
また、染めはもちろんですが素材にもこだわり、
着心地の良さを追求しています」
 
その品質の高さは評判となり、
藍印花布は 木bocca花 の主力商品となった。
 

藍印花布のベビースリングも人気商品の一つ。藍染めのため、抗菌・紫外線防止効果も
 

今年の新作、藍印花布のシューズは「どれだけあるいても疲れないから、これを履いたら他の靴が履けなくなったの」と大林さん
 


 

 
「お客様から染めに関するお問い合わせが入ると、
これまではその都度職人に確認をとってお答えしていたのですが、
自分で対応できるように染めの勉強にも出向きました」
 
有松絞りで有名な名古屋の有松に赴き、
世界的ファッションブランドの染色も手がける工場で染めを学んだ。
 
「仕事としてうかがったのですが、
染めの奥深さ、面白さにのめりこみました。
もちろん一筋縄じゃいきません。
でも、だからこそやりがいのある仕事です」
 
いまでは自身で染めを手がけるまでになった。
 
「染めるには、染められる側の状態も重要。
上等な素材は素直なので美しく染まりますが、
そうでない素材は反発してムラが出たりする。
人間とも似ていますね(笑)」
 

ダブルガーゼを使用したチュニックワンピースは、暑い沖縄の夏も快適に過ごせる
 

好みの形に変形させられるネックレス。「髪をまとめてヘアアクセサリーとして使っても素敵なんですよ」
 

 
大林さんの表現は衣服類に留まらない。
 
「ライフスタイルをトータルで提案できたらと思っています」
 
モットーは
「服も雑貨も使い方は一つではない。
工夫次第で幾通りもの用途が生まれる」。
 


 
「こんな小さな茶碗、なにに使うんだと思われそうですが、
何も飲み物を入れる器としてのみ使わずともいいんです。
ひっくり返せばほら、上品な箸置きになります」
 

 
藍染めの座面を外すと小さなテーブルにもなる椅子は、
スタッキング可能で収納にも困らない。
 

 
「素材感も重要です。
同じ素材同士をくみあわせるのではなく、
木製のトレイに陶器の器を複数並べると、
このようにリズムがうまれます」
 

 
大林さんが大事そうに持って来てくれたのは
中国・台湾の伝統的なろうけつ染めの作品をまとめた本。
 
「古くからの伝統柄ばかりですが、どれも古くさくない。
良いものは長く愛されます。
そして、どんな工芸生地も昔はすべて普段使いされていました。
丈夫で上等なものほど普段着に向いています。
アメリカのジーンズと一緒ですね。
 
しかし、伝統をそのままの形で継承するのは難しい。
どんな伝統も時代によって変化し、進化していくものだと私は思います。
現代社会で受けいれられ、さらに後世へと受け継ぐためには、
必要な変化もあるのではないでしょうか」
 
2つの国で育った大林さんは、両国を結びたいという想いも強い。
 
「私は台湾で生まれましたが長い年月を沖縄で過ごしました。
さまざまな形で2つの土地が融合し、
ともに新たな可能性を模索できたらと思っています」
 

 
ブランド設立前、大林さんは女友達とお茶を飲みながら、将来について語り合っていた。
 
「『私たちは女だから、いつまでも花のように咲いていたいわよね』っていう話になって、ウッド・ローズ(花が咲いたまま実のなる花)のことを思い出したの。
それで、『ウッド・ローズ=木花』と名付けたんです」
 
大林さんの年齢をきいて驚かないひとはいないだろう。
実年齢よりもずっと若々しくパワフルなだけでなく、
まさに花のような上品さに溢れているからだ。
 
木bocca花 を訪れる女性の年齢層は幅広い。
「いつまでも咲いていたい」
と思う気持ちに、年齢は関係ないのだろう。
 
歳を重ねてなお、凛と輝き続ける大林さんの目はいつも
中国・台湾と沖縄、過去と未来、伝統と今を見つめ、
変化と挑戦を恐れず、
新たな世界へ続くドアへ、私たちをいざない続ける。
 

木bocca花(ボッカ)
那覇市天久2-14-3-407 D’グランセ天久エクゼコート
090-8838-5950
Show Room営業時間: 事前予約をお願いします。 年中無休(県外・海外出張時以外)
メール: vickymcs@aol.com または vickymcs@docomo.ne.jp
HP:http://www.bocca-okinawa.com
ブログ:http://www.bocca-okinawa.com/blog