CÁM ƠN sandwich & deli(カムーン)市場の一角で、ベトナムコーヒーとともに味わうバゲットサンド「バインミー」。

カムーン

 

カリカリに焼けたフランスパンにレバーパテをぬり、ハム、にんじんと大根のなます、パクチーを挟んだバゲットサンド。
ベトナムのファストフード、「バインミー」だ。
フランスパンに紅白なます? なんだか不思議な組み合わせだが、「ピクルスと同じですよ」というオーナー・綾さんの言葉に、なるほどと納得。

 

具だくさんのバインミーを両手でしっかり抑え、頬張る。
サクッ、もちっとしたフランスパン、ジューシーな肉厚ハム、甘酸っぱい紅白なますが一つになったところに、アクセントのパクチーとシーズニングソースが香る。まさにアジアンな風味。
組み合わせのすべてが新しく、最初は目が丸くなったのだが、もぐもぐ味わって一口目をのみ込む頃には、「おいしい〜!」とトリコに。
結構なボリュームがあるのだが、あっという間にたいらげてしまった。

 

「もう一つ食べたい!」と思うのは私だけではないようで、おかわり注文も多いんだとか。

 

「レバーパテにはアグーを使っています」と、綾さん。ハムには甘みがあり、フランスパンは決まった店で焼きたてを買いつけている。素材へのこだわりも、おいしさの理由の一つだろう。

 

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「ベジタリアンのお客様がよくいらっしゃるので、バインミー以外にもサンドメニューがあったほうがいいかな、と」
ベジタリアンフードとしても知られる、ひよこ豆のコロッケ「ファラフェル」をピタパンで挟んだサンドも人気メニューの一つだ。

 

「ファラフェルは、エジプトやイスラエルなど中東で食べられている日常食。たんぱく質を豊富に含む、ヘルシー料理です。揚げナスや生野菜も一緒に、八重岳ベーカリーに特注しているピタパンではさみ(関連記事:天然酵母パンと30年以上作り続ける黒パンで健康と幸せに導く。)、チリソースと、ゴマ・豆腐・味噌で作ったソースをかけました」

 

こちらも、食べてみるまで味わいが想像できなかったのだが、ホクホクのファラフェルとふんだんに入った野菜にエスニックなソースが絡み、病みつきになるおいしさ。

 

「食後にベトナムコーヒー、飲みませんか?」

 

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甘いコンデンスミルクを入れたグラスを、グラスより一回り大きいコップの中に入れる。
専用のフィルターにコーヒー粉末を入れ、グラスの上に置き、少量の湯を注いで少し蒸らす。

 

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蒸らし終わったら、フィルターのふちまで湯を注いで蓋を閉め、コーヒーが落ちるのを待つ。
その間、グラスを入れたコップの中にも湯を注ぐ。

 

「ベトナムコーヒーは落ちるのに少し時間がかかりますが、こうするとコーヒーの温度を保てます」

 

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何度か湯を注ぎ、コーヒーが適量まで落ちたらできあがり。

 

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「お好みで、底のコンデンスミルクを溶かして飲んでください。
疲れているときや甘いものを摂りたいときは、ぜんぶ混ぜるといいですよ」

 

濃いめのコーヒーに、まったりとした甘さのコンデンスミルクがよく合う。
スプーンをゆっくりとかき混ぜながら、ミルクがコーヒーに溶けていく様子をついぼんやりと眺めてしまう。

 

「なんだか、和みますよね」

 

とろりとした口当たりの、甘いコーヒー。
カウンターの奥にはカラフルな雑貨が並び、「ベトナムって、こんな感じなのかしら」と、想いを馳せずにはいられない。

 

 

綾さんがバインミーに出逢ったのは、旅行で訪れたベトナムの屋台だった。

 

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「初めて食べたときに、『おいしい〜!』って。それからずっと好き。店や地方によってパンの形も具も違うので、いろいろと食べ比べたりもしました。
ベトナムは長くフランスの統治下にあったので、フランス文化の影響も受けています。それでフランスパンもよく食されているんですね」

 

綾さんのご主人は、仕事の関係で綾さん以上に頻繁にベトナムを訪れており、やはりバインミーのおいしさに夢中になっていた。
2011年に沖縄に移住したの機に、夫婦で店を始めようと思い立った。

 

「沖縄の人にもバインミーを知ってほしいと思ったんです』

 

最初は移動販売をしようと考えていたが、ちょうど空きが出ていた「もとぶ町営市場」の一角に店を開いた。

 

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「サンドメニューはご注文頂いてからお作りするので、5~10分ほどお待たせすることになります。すぐに持って行けるメニューもあったほうがいいと思い、マフィンも置いています」 チョコバナナ、練乳いちご、ココナッツバナナ、黒糖クルミの4種、各120円。

 

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シークヮーサー酵素ジュースは炭酸入り。ピリリッとした酸味と炭酸がマッチ。「シークヮーサーは、市場の珈琲屋・ショウサクくんのじいちゃんちの庭で採れたもの(笑)」

 

ここでは、時間がゆっくりと流れる。
CÁM ƠNを含め、もとぶ町営市場全体が、独特な雰囲気にすっぽりと包まれている。
どことなく浮世離れした、パラレルワールドのような場所。
カウンターに腰かけ、コーヒーがぽとぽとと落ちていくのを眺めていると、一瞬「あれ?ここはどこだったかな」と、場所の感覚が曖昧になる。

 

時折、市場の人が顔を見せ、綾さんと何やら楽しそうに話し込んでいる。

 

港町にある市場の一角という立地は、バインミーやベトナムコーヒーを味わうのにぴったりな気がする。何に急かされることもなく、のんびりとエスニックな料理や雰囲気を楽しめる。

 

camon

 

今後はメニューを増やしていきたいと言う。

 

「クリームチーズ、サーモン、ドライトマトなどを使った、甘くない『食事系マフィン』も作りたいと考えています。ケーク・サレ(フランスの塩味のケーキ)のように楽しんでいただきたくて。あと、スープも出したいなぁー」

 

綾さんらが企画し、満月前後の週末に開催している「まちぐゎ ランタン夜市」も好評だ。

 

 

本部町近辺から集めた端布(はぎれ)や古着を使って作成した「モトブランタン」を、市場をぐるりと囲むように灯し、おいしい食事と月、港の夜景を楽しむイベント。

 

市場にとってすでに欠かせない存在になっている CÁM ƠN 。
異国のメニューとスペシャルな空間が、ここにある。

 

写真・文 中井 雅代

 

camon
CÁM ƠN sandwich & deli(カムーン)
本部町渡久地4 もとぶ町営市場1-1
080-6733-4753
open 11:00~17:00
close 月・火

 

HP http://www.camon.asia
twitter https://twitter.com/camon_sandwich

 

「まちぐゎ ランタン夜市」の開催情報は、こちらでご確認ください。
https://www.facebook.com/MotobuLantern