iRUDURi(イルドゥリ)あなたの体調や好みに合わせる、オーダーメイドのフレッシュジュース。

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「当店ではメニューもレシピもあって無いようなもの」と店長の室伏長子さんは言う。

 

どのジュースにしようかと迷っていると、「お身体に不調はありますか?」「お野菜系と果物系、どちらがお好みですか?」と声をかけてくれる。

 

風邪気味で咳が出ていた私の様子を見て、次のように続けた。
「グレープフルーツやオレンジといった柑橘類をベースにした、ビタミンCたっぷりのゴーヤジュースはいかがでしょう? 生姜もいれると喉に良いですよ」。

 

接客の様子を見ていると、「目が疲れているなら人参」「視力回復ならブルーベリー」「ブロッコリーや小松菜は免疫力を高めます」など、それぞれの要望に合わせて食材の持つ効能を紹介しながら、オリジナルのジュースを提案している。

 

一応のレシピはある。しかし、一人一人の好みやからだの調子に合わせて、ブレンドする素材の種類を変えたり、量を増やしたり減らしたりする。

 

「ですから注文に時間がかかるんです(笑)。お客様の体調やご気分やお好みをうかがった上でレシピを決めますので」

 

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使用するのは県産のフレッシュなゴーヤ。

 

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他に、ブロッコリー、ピーマン、小松菜、りんご、パセリ、アロエ、オレンジ、レモンなどを加え、バイタミックスで撹拌する。

 

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私のために作ってくれたオリジナルのゴーヤミックス。ゴーヤの苦みは柑橘類やりんごの甘みでやわらぎ、ぴりっとした生姜のアクセントが効いている。

 

「ゴーヤミックスは当店の看板メニューです。約10種類の野菜と果物が入っているので、『飲むサラダ』と呼んでいるんですよ」

 

ゴーヤミックスに限らず、すべてのメニューでレシピの微調整が可能だ。例えば、期間限定の「あまおういちご牛乳」のベースとなるレシピは、あまおう、牛乳、ヨーグルト、レモン、きび砂糖、はちみつ。要望があれば牛乳を豆乳に変えることもできるし、ヨーグルトを抜くこともできる。

 

体調に合わせたジュースをオーダーメイドする様子が何かに似ているなぁと思った。そう、薬剤師だ。

 

「もちろん野菜や果物はお薬ではありませんし、ジュースはサプリメントではありません。でも、お客様にとって必要だと思われる素材をそれぞれブレンドしてお出しするという点は似ているかもしれませんね」

 

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「今日採れたばかりのアロエです」 肉厚で大きく、みずみずしい。

 

使用する素材も新鮮なものばかりだ。

 

「できるかぎり県産の野菜を使うようにしています。アロエは豊見城産で、たんかんは山原(やんばる)のおばあちゃんちで採れたもの。ほとんどが糸満、南城市、南風原といった県南部の農家さんから分けていただいています。
今後は無農薬で作られた野菜を増やしていく予定です。お客様に『iRUDURiのジュースだったら大丈夫』と安心し、満足していただけるように」

 

おいしい野菜の味をよく知っているお年寄りの常連客も多い。

 

「先ほどいらしたお客様はヨモギジュースをいつもご注文なさるのですが、今まで市販品など他のジュースを試したけれど、当店のものが一番おいしいと言ってくださるんです」

 

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「天然の総合サプリ」との呼び声も高い「ユーグレナ(みどりむし)」のトッピングも好評だ。

 

「59種類の栄養素が含まれている藻の一種です。100円プラスでトッピング可能で、1日に必要な栄養素を含む量のユーグレナを入れることができます。免疫力がアップし、鼻炎や花粉症が改善したり疲れにくくなったりと、様々な効果がみこめるんですよ」

 

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「いつものゴーヤミックスでよろしいですか?」 常連客のオーダーは頭に入っている。「今日はちょっと疲れているから」「では、疲労回復に効果的なグレープフルーツジュースはいかがでしょう?」

 

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大きなグレープフルーツを丸々一個使用する。

 

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丁寧に手で搾る。

 

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たっぷり搾ったフレッシュジュースをカップに入れたら、鮮度が失われぬようシーリングして渡す。

 

ジューサーで素材をミックスさせた後、スタッフは必ず一度味をみる。そのときどきによって素材の味わいが変わるため、ジュースの味も変化するからだ。

 

「例えば、普段よりも素材の甘みが出なかったら、甘みをプラスするための素材を別に加えたりして調整するんです。どんな場合でも味をみずにお客様にお出しすることはありません。おいしいジュースを確実にご提供するためです」

 

また、ジュースを作るのはオーダーを受けてから。作り置きはしない。

 

「必ず一杯ずつ、フレッシュなものをお出しするようにしています」

 

常連客も多く、お土産にと複数注文する人もいて、次から次にオーダーが入る。3台のブレンダーはフル稼働だ。

 

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年配の女性客がスタッフに「孫の顔を見にきたよ」と声をかけ、スタッフの間でも笑みが広がった。

 

「当店には特にこだわりはないんです。お客様に喜んでもらいたいというシンプルな想いだけがコンセプトと言えるかもしれません。
そのためには、素材もちゃんと選び、心を込めて接客する。それは当然のような気がします」

 

素材選びだけでなく、細やかな心配りも忘れない。
荷物で手がふさがっている人が多いため、それを置きやすいように椅子を少し引き出しておく。
購入するしないに関わらず、店の前を通った人には笑顔であいさつをする。

 

 

 

室伏さんがiRUDURiで働き始めたのは大学生のとき。最初はアルバイトとして勤めていた。
それまで人に接するのが得意ではなかった室伏さんだが、接客を通じて自身の心境にも変化が生まれたと言う。

 

「人が好きになりました。
ただ販売して終わりという店ではなく、お客様との対話が必要なので、話しているうちにお互いをよく知るようになります。度々接していると、『ありがとう』『あなたの笑顔を見に来たよ』と言って頂けるようになって。そんなの、初めてのことで感激しちゃって。
必要としてくださっていることが嬉しかったし、ジュースを通して幸せや元気を与え合っていることを実感しました」

 

今では、浦添や宜野湾などからも通うファンも多い。

 

「『あなたに会いに来たよ』と言っていただけると、こちらが元気をいただきますね。アルバイトスタッフも含めまだまだ至らない点もあるかと思いますが、お客様に100%ご満足頂けるサービスを目指して勉強を重ねています」

 

心を込めた接客が、客と店員という関係を超えた絆を生み出している。

 

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できたてのジュースを−30℃で瞬間凍結。県南部へのデリバリーや県外への発送も可能だ。

 

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「iRUDURi」という一風変わった店名の由来をたずねた。

 

「野菜も果物も素材そのものの色合いが美しく、様々な配合でジュースにすると一層いろどり豊かになることに感動したことからこの店名にしました。それに、前から読んでも後ろから読んでも『iRUDURi』で、i と i に挟まれているんです。人と人とを繋ぐようなお店になったらいいなぁと思います」

 

“ i ” は、「私(= I)」でもあるが、「愛(アイ)」とも通じる。

 

「◯◯さんこんにちは! 目の調子どんなです? よくなりました?」
「だいぶ顔色がよくなられましたね、◯◯さん」
と、iRUDURi の店内では体調を気遣う言葉がよく聞こえてくる。

 

相手を気遣い思いやる愛情が交わされる店。
それが、 iRUDURi だ。 

 

写真・文 中井 雅代

 

iRUDURi
iRUDURi(イルドゥリ)
那覇市久茂地1-1-1 パレット久茂地B1
098-867-1182
open 11:30~19:30

 

オンラインショップ:http://www.rakuten.ne.jp/gold/milkhouse