L’ORANGE(オランジュ)自家製酵母入りのざっくりスコーン、旬のフルーツを使ったヴィーガンマフィン



 
マンゴーと赤すぐりの実のマフィン。
べたつき感のないふんわり歯触りの生地。
独特の甘ったるさが抜け、
爽やかな酸味を新たにまとったマンゴーが、
素朴な味わいの生地にぴったり。

  
「特にマンゴーを加工しているわけではなくて。
焼くとこういう味になるみたいです。」

 
バター、牛乳、卵といった動物性の材料を使っていないヴィーガン仕様。
白糖のかわりに使っているのはてんさい糖。
フルーツは季節のものを厳選して。

  
「からだが喜ぶスコーンです」
と紹介してくれた小さめサイズのスコーンは自家製酵母を使用。
砂糖や塩は県産品。
ざっくりした独特の食感が楽しい。
鼻の奥にふんわり立ち上るのは・・・チーズの香り?
 
 
「いえ、酵母から出る香りです。
チーズ入りとよく間違われるのですが(笑)」
 
 
その微かな香りがほどよいアクセントになっていて、
お酒にも合いそうな大人のスコーン。
 
 

 
 
6月にオープンしたばかりの焼き菓子店だが、
香港に姉妹店があるというから驚き。
オーナーの宮城さんにお話をうかがった。
 
 

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– – – お菓子づくりを職業にしようとは思ってなかった 
 
店をオープンさせる前はカフェで働いていました。
スイーツ作りが昔から大好きで。
スコーンは高校生の時から自分で焼いてましたね。
スイーツの中でも焼き菓子、特にスコーンが一番好きなんです。
材料がシンプルで、素朴なところが好み。

  
学生時代から作ってはいましたけど、
お菓子づくりを職業にしようとは思ってなかったんです。
 
実は、それまではずっと農業に興味があって・・・。 
 

自家製酵母スコーン。左から、「チョコレート×黒ゴマ」「アールグレイ×りんごの赤ワイン煮」
 
 

「プレーン」「トマト×オレガノ×ブラックオリーブ」

  
– – – 農業の研修で行ったスイスの食文化に感動して 
 
大学で農業を学びながら、大宜味の牧場で働いてました。
そしたらある日牧場主が
「ヨーロッパで農業の研修があるよ」
と。
それでスイスに1年間行ったんですけど、
その食文化に感動しちゃって。
 
 
ちゃんとおやつの時間がもうけられていて、
毎日自家製のお菓子が出てきて、
自分のところでできたフルーツを使ったり、
ミルクでヨーグルトを作ったり、
そういうの良いなーって。
 
 
そう、農業以外のことに影響受けちゃったんですよね(笑)。
 
 
帰国してからはもう、
「ケーキ作りたい!!」って(笑)。

 
それからカフェに勤め始めました。
 
 

 
 

ヴィーガンマフィン「ブルーベリー×パイナップル」

 

「桃×木いちご」

 

「チョコレート×バナナ」
 
 
– – – 全てはタイミング。香港と沖縄で同時オープン 
 
お店をオープンさせたきっかけは、
声をかけてくださった人がいたことと、そのタイミング。
 
20代の頃からずっと店を出したいとは思っていたんですけど、
そんなに急ぐこともないかな?って、ゆっくり構えてたんですよ。
でも、隣のお店の方が「(店舗が)空いたよ〜」と声をかけてくれて。
そのタイミングがちょうど良かったんです。
前のお店を辞めた頃で。
 
しかも、香港にいる友人もちょうど同時期に長年勤めた飲食店を退職したので、
「じゃあ、沖縄と香港でそれぞれ始めよう!」と。 
 
彼女は今は店舗を構えず、自宅で受注生産しています。
レシピを同じにしているので、味も一緒。
最近、香港の日本料理レストランに委託販売が決まったのですが、
「ホテルにも卸したいね〜」
と、夢がふくらんでいます。

  



 

「いちぢく×クルミ」

 

「マンゴー×赤すぐりの実」

 
– – – ワインに合うスコーンや、野菜を使ったケーキも 

  
今はスコーンとマフィンが主要商品ですが、
引き菓子やお祝い返しなどギフト展開も考えていて、
別のメニューも出していこうと思っています。

 
また、私が好きなワインに合うスコーンも作りたくて。
今は「ゴルゴンゾーラ×いちぢく」のスコーンを出しているのですが、
もっと種類を増やしたいですね。
 
 
お菓子には旬のフルーツをなるべくとりいれています。
以前出していたキッシュには、季節の野菜もふんだんに使っていました。
今後はケークサレも出す予定なので、また野菜を使った商品が増えます。
もちろん、香港でも同じように。

 
女性のお客様が多いですが、
職場やご家族へのお土産にと、男性のお客様も増えています。
スコーンはサイズも小さめなので、
お土産に向いているみたいで。
スコーンというと女性のイメージが強いかもしれませんが、
こうして男性にも足を運んで頂けるのはすごく嬉しいですね。 
からだに優しいお菓子を心がけているので、
たくさんの人に食べてほしいですから。

 

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オープンして間もないにも関わらず、
ひっきりなしにお客さんが訪れる。
「お土産で頂いて美味しかったから」
と、口コミや評判の高さで着々とファンが増えているよう。  
 
 
あんなのも作ってみたいし、こういうこともしてみたい!
と、宮城さんの口からは次々と夢があふれてくる。
丁寧に、きちんとつくりこまれたお菓子を頂いていると、
パーフェクトな完成形のように思えるのだが、
まだまだ進化の途中のようだ。

 
舌の肥えた友人への気の利いたお土産に買っていくもよし、
パリの老舗、紅茶専門店「マリアージュ フレール」の紅茶とともに、天井の高いくつろぎ空間でゆったり舌鼓を打つもよし。
 
 
いずれにせよ、
「こんなお菓子があるんだよ!」
と、大切な人に教えたくなる、
そんな焼き菓子のお店。 

 

写真・文 中井 雅代

 

L’ORANGE(オランジュ)
宜野湾市喜友名1-21-5
098-893-1377
open 12:00~19:00
close 月・火