RUKIND COFFEE(ルカインドコーヒー)早朝から深夜まで。麻フィルターで淹れたコーヒーともっちりベルギーワッフルで、ほっと一息。

閉店いたしました。
RUKIND COFFEE

 

コーヒーを淹れるときに使うのは、紙でも綿生地でもなく、麻のフィルターだ。

 

「コーヒー豆に含まれる油分を通すので、まろやかな味わいになるんです」

 

ひと口飲んで素直に「美味しい」と感じた後に、「あれ?」と怪訝に思った。味わいの中に、しっかりとした酸味を感じたからだ。
私はどちらかというと酸味のあるコーヒーが苦手なのだが、目の前の一杯はすんなりとおいしく飲めてしまった。
これまで味わったことのないまろやかな酸味が口中に広がり、いつまでも舌に残るような嫌な酸っぱさは少しも感じない。

 

そう感想を伝えると、店主の森田雄紀さんはにっこりと微笑んで言った。

 

「うちのホットコーヒーを飲んで、『コーヒーの酸味の旨さに目覚めた! 』な
んて方も結構いるんですよ。
当店のホットコーヒーは、この酸味が特徴だと言えるかもしれません」

 

そんなコーヒーのお供にきっとぴったりであろう、かわいらしいガラスケースに並んだワッフルにも目を奪われる。

 

「実は僕、コーヒー屋を始める前はワッフル屋をやりたいと思っていたほどのワッフル好きなんです(笑)」

 

RUKIND COFFEE

 

RUKIND COFFEE

 

美味しいワッフルを求め、様々な店を食べ歩いたという森田さんが研究の末に生み出したワッフルは、外はさっくり、中はもっちりとした独特な食感が魅力だ。
でも、ワッフルってこんな食感だったっけ? こんなにもっちりとしたワッフルに出会ったのは初めてだ。

 

「イースト菌を使って二次発酵までさせた生地を焼いているのでこういう食感になるんです。そう、パンを作る工程に似ているんですよ。

 

イースト菌を使わず、ベーキングパウダーを混ぜて焼くだけのワッフルもあるのですが、べちゃっとした食感があまり好きではなくて。

 

どちらの方法で作っても、見た目は同じように膨らみます。でも、もちもち感は発酵させないと出ないんです。
生地を寝かせて発酵させるので手間も時間もかかりますが、やっぱり美味しいほうが良いですからね」

 

また、自然であっさりとした甘みにも理由がある。

 

「黒砂糖と甜菜糖、それに、少し多めにはちみつを加えています。
こくを出したくて色々な配合を試してみたり、砂糖の種類を変えてみたり…。店をはじめる前、毎日研究して今のレシピに落ち着きました」

 

RUKIND COFFEE
毎朝生地から作成し、寝かせ、ワッフルプレートで焼きあげる。「テイクアウトもできるので、手土産にと複数買って行く方も」

 

コーヒー以外のドリンクにも、森田さんのこだわりが表れている。

 

グレープフルーツジュースを注文すると、森田さんはごく自然に冷蔵庫から生のグレープフルーツを取り出した。
パックのジュースじゃないんですねと尋ねると、目を丸くした。

 

「だって、せっかくだったら美味しいほうがいいじゃないですか(笑)」

 

メニュー表にはシンプルに、「グレープフルーツジュース」とだけ書かれている。フレッシュな果物を使っていること、注文を受けてから1つ1つ手絞りしていることには、一切触れられていない。

 

より美味しいものを提供したいと願う森田さんにとって、それは何も特別なことではないようだ。

 

RUKIND COFFEE
サイズによっては、1杯のジュースに2~3玉使うことも。

 

RUKIND COFFEE
「果肉もたっぷり入っているので、飲んでいるとたまにストローに詰まっちゃうのが玉に瑕(笑)」

 

そんな森田さんが淹れる一杯のコーヒーにももちろん、さまざまなこだわりが隠れている。

 

「豆は自家焙煎しています。一度に300グラムしか焙煎できないので、空いた時間を見計らって地道にやっています。
焙煎したら必ず1日寝かせるんです。コーヒー豆は焙煎後に炭酸ガスを放出するのですが、時間をおくことでガスが抜け、味や香りが安定するんですよ」

 

豆を挽くのは、オーダーが入ってからだ。

 

「挽きたてとそうでないものは、味がまるで違うんです。
挽いてから時間が経つと、豆が酸化して嫌な酸っぱさが出てきてしまう。
コーヒーの酸味が苦手な方が多いようですが、恐らくそれは豆の酸化が原因で生まれた酸味。
豆自体が持つ酸味とは、旨味でもあるんですよ。尖った酸っぱさではなく、丸みのあるものなんです。
コーヒーの酸味が苦手だと思っている方にこそ、ぜひ一度味わっていただきたいですね」

 

RUKIND COFFEE
ホットコーヒーはブラジル産、アイスコーヒーはインドネシア産の豆をベースにそれぞれオリジナルでブレンドしている。「豆は全てオーガニックのものを使っています。環境や身体に良いというだけでなく、味も抜群に良いんですよ」

 

RUKIND COFFEE
ドリップ時に使用する一風変わったステンレス製のボックスは特注したもの。「便利で気に入ってます。見た目もかわいいでしょう?」

 

RUKIND COFFEE
「麻のフィルターは丈夫ですし、乾くのも速いので衛生面でも優れています。繰り返し使えるので環境にも良いですしね」

 

麻製フィルターをかぶせているのは、一つ穴のドリッパーだ。

 

「一般的なドリッパーは三つ穴で、どんな注ぎ方をしても失敗しにくいのが特徴です。
一つ穴のドリッパーを使って淹れると、お湯を注ぐ速さによって味わいが変わるのでちょっと難しい。でも、好みの味わいに淹れることができます。
速く注げばすっきりとしたアメリカンコーヒーのような味わいに、ゆっくり注ぐと深みが出るんですよ。

 

うちではバランスのよい味になるよう、速すぎず遅すぎず、約2分程かけて淹れています」

 

今ではすっかりコーヒーの魅力にはまっている森田さんだが、以前は故郷の富山で大工として働いていたと言う。

 

RUKIND COFFEE
「ホットコーヒーは酸味が特徴ですが、アイスコーヒーは深い苦味が堪能できますよ」

 

RUKIND COFFEE
エスプレッソコーヒーに無調整の有機豆乳を注いで。コーヒーと豆乳、両方の旨味がしっかりと感じられるソイラテは、女性を中心に人気の一品。

 

「大工の仕事をしていたときも、飲食店の仕事への憧れはあったんです。いつかやってみたいな、と思っていました。
ある時、たまたま沖縄に遊びに来たらすっかり気に入ってしまって。そのまま富山に帰らずに住みついちゃった(笑)。
その勢いで憧れの飲食店勤務も経験しようと、カフェや洋食屋に勤めて料理を覚えたんです」

 

そのまますんなりコーヒーショップをオープンさせたのかと思いきや、森田さんは当時、コーヒーが飲めなかったと言う。

 

「苦いだけだし、こんなのどこが美味しいんだ? と思ってました(笑)。
今思うと美味しいコーヒーにまだ巡り会ってなかったんですね。
好きになったきっかけは、誕生日に友人がくれたプレゼントでした。
コーヒーが飲めない僕に、なぜかサイフォンコーヒーのセットをくれたんですよ(笑)。蒸気圧を利用してコーヒーを抽出する器械なんですが、見た目もレトロで可愛くて。せっかくだからと豆を買ってきて淹れてみたら、『あれ? 意外と美味しいな』と。

 

それから、どハマリですよね(笑)。
家で焙煎してみたり、自分なりにブレンドしてみたり。
もともと熱しやすく冷めやすい性格なんですが、コーヒー熱は未だに冷めないで
すね。僕としては珍しいことです」

 

そして2011年、以前からの夢が RUKIND COFFEE としてかたちとなった。

 

「店の内装はすべて自分で仕上げました。
大工時代の経験が役に立ちましたね(笑)」

 

RUKIND COFFEE

 

車や人がせわしなく行き交う開南交差点近くに、RUKIND COFFEE はある。
朝6時には店を開け、17時にカフェとしての営業を終えた後、20時から深夜3
時まではバーとしてオープンしている。
バーの時間帯にも、こだわりのコーヒーを味わうことは可能だ。

 

これから仕事だというのに目が覚めない朝も、心ゆくまで深酒してまた日常へと戻らなければならない夜も、RUKIND COFFEE は灯りをともし、私たちを待っていてくれる。

 

そして美味しいコーヒーとワッフルが、自分だけの時間をくれる。
気持ちをリセットし、次の場所へ向かうための力をくれる。

 

そんなひとときや湧き上がる力を誰かにお裾分けしたければ、テイクアウトすると良い。

 

「よし、頑張りますか!」
スッと気持ちをリフレッシュし、トンっと背中を押してくれるから。
RUKIND COFFEE のメニューにはどれも、そんなパワーを感じる。

 

写真・文 中井 雅代

 

ルカインドコーヒー
RUKIND COFFEE(ルカインドコーヒー)
那覇市樋川2-1-7
090-4681-5718 

OPEN 6:00~17:00 (Cafe) / 20:00~3:00 (Bar)
CLOSE 月

 

HP http://www.rukindcoffee.com/top.html

ブログ http://rukind.ti-da.net