RuLer’s TACORiCE(ルーラーズタコライス) 選べるタコライスは8種類。ポテトを添えてコンボで楽しむ、タコライスのファストフード店

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アボカドチーズに、シーザー、テリヤキ、バーベキュー…。まるでハンバーガーショップのようなメニュー。これ全てタコライスの種類だ。その数8種類。サイズは、レギュラーとラージの2種類。サイドメニューにはポテトやタコスもあって、コンボにすることもできる。ルーラーズタコライスは、これまでにありそうでなかったタコライスのファストフード店だ。

 

27歳になったばかりの若きオーナー、渡久地敦さんは言う。

 

「牛丼のすき家とマクドナルドのいいとこどりなんです。すき家は、牛丼の種類が豊富で、サイズも選べるでしょ。色んな味のタコライスがあって、サイズも選べたら、面白いじゃないですか。でも販売方法は、食券じゃなくて、お客さんと対面してちゃんと接客しようと思って。そこはマックみたいに(笑)」

 

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タコライスに選べる楽しみがあるのは新鮮だ。特に女性に人気というアボカドチーズタコライスは、大きめにカットされたアボカドがゴロンとレタスの間から顔を出す。アボカドの上には、マヨネーズソースがかかっていて、そのまろやかさと、スパイスの効いた奥深い味のタコスミートが、とてもよく合う。辛さが控えめなので、好みで自家製サルサソースをトッピングすれば、爽やかな辛味がプラスされ、また違った味が楽しめる。

 

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男女問わず人気なのが、シーザータコライスだ。シーザーサラダとタコライスがドッキングした、みんなが大好きな味。粉チーズとシーザードレッシングのコクに、カリッとしたベーコン、サクサクのクルトンの歯ごたえが加わって、いつものタコライスがより賑やかになる。レタスが細くカットされていて、スプーンですくいやすいのもいいところ。全ての具が1スプーンに乗ってくる。その醍醐味である具のハーモニーを、一口でちゃんと味わえるのだ。

 

「それぞれの具のバランスは大丈夫かなって、ご飯の量、肉の量、チーズの量や、野菜やソースの量を、毎日食べてチェックしています。それから、具との相性を考えて、ご飯は少し固めに炊いていますね」

 

看板メニューであるタコライスを完成させる過程でもっとも気を使ったのは、肉の質だ。

 

「肉がパサパサにならずにジューシーに仕上がるよう、肉は慎重に選びました。納得できるものになかなか出会えなかったです。肉でそんなに変わると思ってなかったんですけど、全然違いましたね」

 

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メニューの開発は、渡久地さんが1人で行った。最後は意外な人からヒントをもらうことも。

 

「サイドメニューのタコスがなかなか仕上がらなかったです。タコスの皮が、ホント難しくて。パリパリじゃなくて、もっちりに仕上げたかったんですよ。周りがちょっとパリっとして中がもっちり。どうすればもっちりになるのかわからなくて、業者からレシピをもらって作ってみても、美味しい感じがしない。最後は友達のお母さんに聞いたんです(笑)。材料の分量に秘密があるんですけど、正直まだよくわかってないです(笑)。小麦の産地でも微妙に違うんで」

 

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渡久地さんがタコスやタコライスに思いを寄せるのは、幼い頃から切っても切れない身近な存在だったから。渡久地さんにとってタコライスは、まさに故郷のソウルフードだ。

 

「生まれが宜野湾で、近所のキンタコ(キングタコス)で育ちました。小さい頃から、親とか兄貴に連れられてよく行ってましたし、学校も近かったから学生時代もずっと。大学を卒業してから東京にしばらくいたんですけど、沖縄に帰ってきたら絶対キンタコ行って、タコライスを食べてましたね。タコライスがすごく好きってわけでもないんですけどね(笑)」

 

東京にはタコライス専門店がなかった。だったらタコライスのファストフード店を立ち上げ、いずれはフランチャイズ化してタコライスを世界に広めようと思い立った。東京の飲食店で働いている時だ。

 

「タコライスって万人受けするでしょ。世界中の人が食べられると思ったんですよ。まずは沖縄でこの1号店から始めて、3年で県内に5店舗が目標です。沖縄でも、『タコライスといえば、ルーラーズ』っていうくらい有名にしたいんです。で6店舗目は東京。内地でも普通に食べられるような環境を作りたいです。2020年の東京オリンピックまでには出したいですね」

 

ファストフードにした1番の理由は、ファストフードが好きだから。あらゆる人が来やすいというのも、そのねらいだ。

 

「1人でも来やすいのがファストフードのいいところですよね。学生さんからお年寄りまで老若男女問わず、みんなに来てもらいたいです。おやつでもいいし、マックのバリューセットみたいに、ポテトとドリンクを付けてセットにしたら、食事にもなる。100円マックってあるじゃないですか。それにならって価格は抑えて、小学生でも買えるようにしました。タコライスは300円からで、タコスは1個130円! 学生数人で来て、1人がもし300円持ってなくてタコライスを食べられなくても、『じゃ俺タコス食べよ〜』ってできるじゃないですか(笑)」

 

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フルーツの新鮮さが味わえるアサイーボウルも、サイズが選べる。

 

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店への思いや将来像のことになると、一際目を輝かせ、びっくりするほど饒舌になる。渡久地さんは、思い立ったら一直線の人だ。若くて勢いがあって、まさに猪突猛進という言葉がぴったりの人。

 

「東京へ行ったのは役者になりたかったからなんです。大学を4年間通うのが歯がゆくて、教授に頼みこんで、3年で卒業までの単位が取れるように計らってもらいました。3年の春休みに卒論書いて、上京したんです。なんで役者になりたかったかというと、沖縄出身の有名な男の俳優がいなかったから(笑)。女優さんはいっぱいいるんですけどね。『よし、これはちょっと俺がいこうかな』って、誰もいないから一番最初になろうと思ったんです。学生時代に入れた刺青のイメージを変えたかったっていうのもありましたね。沖縄ではアメリカの影響もあって1つの文化になってると思うけど、内地じゃ入れてるとまだまだバッシングされる。俺が役者になることで、入れてても役者やれるんだ、みたいなね(笑)」

 

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渡久地さんは、変革者であり、先駆者でありたいと思っている。今までにない新しい形でタコライスを広めようとしていることもそうだ。やがて役者の道を断念するのだが、それは西麻布で沖縄料理店を営む現在の奥様との結婚を決めたから。このことが渡久地さんを飲食業へ驀進させることになる。

 

「嫁は8歳年上で、その店でアルバイトをしていた僕にだけじゃなく、別け隔てなくみんなに本当によくしてくれる人なんです。与えるだけ与えて、自分は何も求めないみたいな人。嫁を慕って、その店はいつもお客さんでいっぱいなんです。結婚しようとした時、嫁の周りは僕と結婚することに大反対でした。なんで僕みたいな男とって。だから役者を目指すのをすっぱり辞めて、自分の本気度を証明したかった。こんな俺を選んでくれたんだから、俺も飲食の道でビッグになろうって。タコライスの店をやろうと決めたとき、すぐに沖縄でって思いました。嫁も、僕を沖縄に帰らせてくれたんです。東京にいる自分は相当苦しんでる、沖縄にすごく帰りたがってるって見えてたみたいで。東京、嫌いじゃないんですけど、疲れる街だなとは思っていましたね。なんでも競争だから。嫁が、『ここの場所に空きが出たから、とりあえず見に行ってこい』って、チケット取ってくれて。『沖縄に帰れ』って出されたんです(笑)」

 

渡久地さんは今、大切な家族と離れてまでして、自らの夢へ向かって奮闘している。

 

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「僕、こうって思ったら周りが見えなさすぎて。あの時、嫁によくアプローチしたなって。後から我に帰ってみたら、自分ってバカだなって(笑)。バカだったからガンガン行けました。考えてたらいけなかった」

 

そう言って、清々しいほどの笑顔を見せる。渡久地さんは「バカ」だからこそ、恐れ立ち止まることなく、前だけを見て進んできた。だからこそ、手に入れられたものが沢山ある。「バカ」ってきっと最強の武器だ。この武器を手放すことなく、これからも欲しいものを手に入れてほしい。沖縄のソウルフードが、沖縄発のファストフード店によって、日本にとどまらず世界中の人に愛される食べ物になる。そんな日が楽しみで仕方がない。

 

文/田中えり(編集部)

写真/金城夕奈(編集部)

 

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RuLer’s TACORiCE
宜野湾市真栄原3-8-2 サンライズビル1F
098-988-9225
11:00〜23:00(月〜土)
11:00〜22:00(日・祝)
https://www.facebook.com/RuLerstacorice