「玉子は別焼き」がコツのゴーヤーチャンプルー伊沢さん家のレシピ


 
「あちこーこーが一番美味しいよ、
早く、食べて食べて。」
 
梅雨があけ、ゴーヤーの美味しい季節が今年も到来。
沖縄の定番家庭料理だけど、
お店で食べる味が家庭で出せないという人も多いのでは?
 
老若男女、幅広い世代のお客さんが絶賛する
食堂「ちゃんぷる亭」のゴーヤーチャンプルーの作り方、
伊沢清子さんが惜しげもなく伝授してくれました。
 

 
チャンプルーはお店でも人気のメニュー。
材料は、すぐに使えるように切って袋に入れてある。
 

 
「卵は後から入れて具にからめる人が多いけど、
私は最初に炒めてから出しておく。
その方が美味しくできるよ。」
 

 
油を足し、ゴーヤーを入れ、
しばらく炒めてから豆腐を投入。
 
「豆腐は、大きめにごろっと入れて大丈夫。」
 

 
鍋のふたの凹部分を上にして、
水道から直接、少しだけ水を入れる。
ふたを閉めながら、その水をフライパンの中に素早く投入。
今、水入れたんですよね?
 
「見た?見た?(笑)
そう。水を入れて蒸すわけ。」
 
あまりに素早い動作に見逃しそうになるが、
これも美味しいチャンプルーを作る為の伊沢さんの技。
 

 
ポークとコンビーフを入れる。  
 
「コンビーフは嫌いな人が結構いるからね。
入れない方が良いこともあるかもね。
ポーク嫌がるひとも中にはいるしね。
具は好みで変えたら良いよ。」
 

 
大きめにごろっと入れた豆腐やコンビーフは
炒めながら箸を使って小さく崩す。
 
「私の料理は丁寧じゃないよ〜。
お店やってるからね、さっと作って出さないと。」 
 
ふたを閉め、再度しばらく蒸す。
 
「ちゃんと炊かんとね。
蒸してる時間が結構長い。
でも、それが大事よ。」
 

 
素早い手つきでもやしを取り出す。
 

 
シャキシャキ感を残すため、
もやしは最後に投入。
 

 
「味つけは、だしの素と・・・」
 

 
「醤油少々、それに・・・」
 

 
「三枚肉も入れようね、美味しいから。」
 

 
ざっと炒め合わせる。
 

 
「私のチャンプルーのこだわり?
何もないよ~(笑)」
 
その答えが、
いかにも料理上手な沖縄のお母さん
といった感じ。
 

 
最初に炒めておいた卵を、最後に戻し入れたら
あっという間に出来上がり。
 
「食べてごらんね、美味しいから。
あちこーこーのうちに。」
 

 
蒸しながら作っていたが、
ゴーヤーにはほどよい食感が残り、
最後に入れたもやしはシャキシャキ。

ポークとコンビーフから出た塩っけがちょうど良い塩梅で
ご飯が進む最高の夏のおかず。
 
「あじくーたー(味が濃い)じゃないね?」
 
いえいえ、全然。
これ以上入れるとちょっとだけからい、
これ以下だとあふぁい(=味が薄い)、
絶妙なバランスで最高に美味しいです!
 
「おうちでも作ってごらんね。
旦那さん、いっぱいご飯食べるはずよ。」
 
 
ビタミン豊富なゴーヤーを美味しく食べられれば、
体力を奪われる暑さの毎日が続いても、
疲れ知らずで元気に過ごせる。
 
ゴーヤーチャンプルーには、
家族のからだを想い健康を願う、
お母さん達の愛もいっぱい入っている。
 
「その時期に多く出回っていて安い野菜は
季節の野菜だから栄養もたっぷり。
だから、スーパー行ったら沢山出ている野菜を買ったら良いよ。」
 
お財布にもからだにも優しい、主婦の買物の知恵。
腰も曲がらず、元気そのものでフライパンを力強く振りながら語られる言葉は、
すとん、と腹に落ちる。
 
外は強い日差しが今日も降り注いでいる。
美味しいゴーヤーを買いに行こう。
この夏も、家族みんなが笑顔で過ごせるように。
 

写真・文 中井 雅代