糸満散歩緑に囲まれたシオンドッグスクール(シオン警察犬訓練所)にやってきました。

沖縄三大名花といえば、「サンダンカ、デイゴ、オオゴチョウ」。

 

この「オオゴチョウ(黄胡蝶)」の花が所長のところできれいに咲いていたので写真を撮らせてもらいにお邪魔しました。青々とした芝にその名のとおり蝶が舞うような美しい花が際立っています。

 

 

 

 

 

 

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この僕たちが所長と呼んでいるこの人はシオン警察犬訓練所のオーナーの山内 昌靖さん。

 

樹々が多く緑に囲まれたここは、僕たちが沖縄に来て以来お気に入りの場所。

 

ここで見る犬はシェパードにはじまりブルドッグにプードルにミックス犬にチワワにオオカミ犬!超大型犬から超小型犬まで犬の種類をあげると切りがない。

 

ペットホテルの利用で来ていたり、無駄吠えをなくすためだったり、警察犬や災害救助犬になるための高等訓練などその理由は様々だ。

 

問題があってやってきた、しかめっ面の犬も日に日に見せる表情が少しづつ穏やかになりそのうちいきいきとしていて楽しそうになるのでなんだか嬉しくなります。

 

すっかりなじみの常連犬などはお気に入りのソファを陣取って寝そべっていたり、トコトコとやってきてボールで遊ぼうと催促してくる犬、超大型犬が近くで騒いでいても全く動じず爆睡するチワワ(よく寝ていられるなあと思う)。老犬が樹の下でのんびりくつろいでいる姿にほのぼの、それぞれの犬の個性というか愛嬌が見えかくれして、ついつい笑ってしまう。

 

 

僕の思っていた警察犬訓練所というイメージよりはずっと自由で犬が楽しそうです。

 

コツコツと訓練にも取り組んで来た所長はもちろん着実にしっかりと実績も残してきています。
長野県霧ヶ峰高原で行われる日本警察犬協会主催の日本訓練チャンピオンの大会には毎年所員と共に出場し、この秋で17回目になるとか。

 

沖縄からというと気候の差や移動距離など、どうしてももかなり厳しい条件となるのですが、選りすぐりの全国何百頭という中から毎年上位に名を残し、今では努力と実績が認められ「沖縄ではどんな訓練をしているのか」と全国から注目される存在に。

 

「厳しい条件だからこそ、それに負けないようにがんばってきた」と所長。

 

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所長が農業を営みながら犬の訓練士を志した40数年前から、種や苗から育てた樹々は大木となり、木陰で過ごす犬たちの間をすっと心地良い風が抜けていきます。

 

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ビロウヤシ

 

 

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トックリキワタ

 

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実が割れ、風で舞い散る綿様の長い毛にくるまれた種子。

 

 

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道路沿いで拾ったトックリキワタの種をこの場所に植え、その後約20年。
今では沖縄の強い日差しから犬たちを守る木陰をつくっています。

 

この土地に生まれ育った所長はここの自然や土、植物のことを良く知っていて、いろんな話をしてくれます。

 

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庭ともう一箇所案内してもらったのはこの「泉」
「子供のころはこの泉の水を飲んでたんだよ」と所長
のぞいてみるとジャングルのように茂った木々の奥底に、澄んだ水をたたえています。
ここの広大な敷地の植物のために使う水は全てこの泉でまかなわれているそう。
植物の仕事をしている僕にとってはなんともうらやましい環境です。

 

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所長とそんな植物の話をしているところに、訓練所にやってきたのはKさんたちと犬3頭、Kさんは以前に僕が植栽をさせていただいたお客さんで久しぶりの再会でした。

 

Kさんは昆虫や動植物についてとても詳しく環境保護に関わる仕事をされているというのはなんとなく知っていましたが、こんな所で再会するとは、それも犬を連れています。

 

なんでも話をきくと、この犬達は環境先進国であるニュージーランドからやってきたテリア系のミックス犬(生後6ヶ月ほど)。今回Kさんは犬と人を結ぶコーディネーターの役割だとか。

 

明治時代末に、沖縄県内にハブや野ネズミ退治のため移入されたマングース。当時のこの考えはうまくいかず、今となっては沖縄本来の生態系を崩している一つの原因。そしてここのところこの取り組みで成果を上げているのがこの犬たちなんだそうです。

 

Kさんはその犬達の訓練を所長に依頼し、ハンドラーと呼ばれる人たちとやんばるから訓練に来ていたのです。

 

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ニュージーランドでは外来種対策で活用され、イタチ類やネズミなどの駆除に大きな成果を挙げているそう。

 

 

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まずは訓練所の犬と所長がお手本を見せます。

 

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ハンドラーと呼ばれる犬を扱う人と険しい山の中を歩き、沖縄の自然・ 生態系を守る仕事、マングースバスターズの一員としての第一歩、全ての基本となるスワレ・マテ・フセ・コイ・イケナイ、などを訓練していました。

 

ハンドラーと犬はニュージーランド環境保全省が公認する探索犬認定試験を経てはじめて実務作業が行われるそうです。(直接マングースに噛み付くのではなく、マングースがどこにいるのかをさがします。)

 

 

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この興味深い仕事についてまだまだ聞いてみたいことだらけでしたが、また次の機会に。

 

今日もシオン警察犬訓練所にはいろんな犬がやってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

文・写真 葉棚達也・由真

 

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