唐津よかばい

 

カンボジアに住む友人の本竹君が仕事で日本へ。そして沖縄に帰って来るというから、宜野湾の居酒屋で会うことに。

 

明後日から仕事で九州に行くと話をしたら、本竹君も偶然、同じ飛行機に乗る予定だとか。これもきっと何かの縁かもと「自分たちは仕事先から足を延ばして佐賀県の「唐津」へ行く予定なんだけど、一緒に行く?」と誘ってみると「行く!」の二つ返事。こういうときは、だいたい、いろんなことがトントントンと決まっていって、いい感じに進んでいく気がします。

 

 

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日本三大松原の一つ「虹の松原」の真ん中を抜けて。

 

タクシーの運転手のおじさん曰く、「二里松原」が、「虹の松原」と呼ばれるようになったとか。なるほど。

 

一番上のバスの写真はこの「虹の松原」にあまりにも馴染んでいた「からつバーガー」。創業52年。てっきりこのレトロなバスはここにずっと置かれているのかと思いきや、近づくとやけにタイヤもきれい。聞けば「ちゃんと走って毎日家に帰っているんですよ」とからつバーガーのご主人。こんなバスが松原を抜ける風景もなんだかいいもんですね。

 

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唐津の夜の町に繰り出すと、提灯の灯りの下、唐津神社の秋祭り「唐津くんち」に向けて練習する少年たちの姿。笛や太鼓、鉦(かね)の音が鳴り響き、なんとも言えない風情を醸し出しています。

 

タクシーのおじさんに紹介してもらった、おばちゃんが一人で切り盛りしているという鮮魚店へ。暖簾をくぐり、まずは、地元の人が飲む日本酒「太閤」と、おすすめの魚をさばいてもらうことに。遠くに鉦(かね)の音をききながらの旨い魚に舌鼓。

 

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酔っぱらいの出来上がり。

 

宿泊は唐津シーサイドホテル。
朝ごはんに唐津の美味しい豆腐を食べながら目の前には、帽子みたいな形の高島が。そして高島を囲む湾内が見渡せるという、とても美しい景色。
ホテルの入り口の脇道を行くと「虹の松原」の散策路。
こざっぱりとして、懐かしい昭和の面影を感じる宿でした。

 

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すべて黒松からなる日本三大松原の一つ「虹の松原」へ朝の散歩。

 

 

 

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唐津のまちのはずれ、見借(みるかし)という珍しい地名の山懐にある隆太窯へ。
引き寄せられるように美しい石畳を上がると、ここはどうも母屋のよう。素晴らしすぎて、この時点でもうすでにドキドキと心が高鳴ります。

 

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隆太窯のギャラリーへ

 

「ギャラリーや窯は自由にゆっくりご覧くださいね。」という言葉に甘えて、というか、あまりの居心地の良さに、ここからはなれられなくなってしまいました。

 

唐津焼というのは子供の頃から耳にしてきたけど、どんなものかもあまりよく分からず。この窯の主人、中里隆(なかざと たかし)、中里太亀(たき)の名前もはじめて知りました。この場所に来てみて、器を見たり、手にとったりしているうちに、隆太窯の器にどんどん引きこまれていきます。

 

どうやらさっき会釈した、白髪にひげもじゃの仙人みたいなおじさんが、中里隆さんだったよう。こちらで働く従業員の方から「日本に100日もいないから、なかなか会えないんですよ」と聞くと、ほんとに仙人にでも会えたような気がしてきました。

 

隆太窯はのどかな山里にあり、敷地内の谷合には小さな小川が流れ、川のせせらぎや鳥の声がきこえます。この日は陽が差したかと思うと急に雨が降ったり、天気がくるくると変わり、窓に切り取られる風景をいつまでも眺めていたくなります。

 

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お勝手を勝手にのぞいてすみません。
見るもの何もかもに心を打たれています。

 

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宮大工がつくったという工房へ。

 

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中里太亀さん。

 

ちょうど工房に学生さんたちが勉強しに来ていて、一緒にろくろを挽いているところを脇から見学させてもらうことができました。まるで土が生きもののように、器が次々と手の中から生み出されていきます。さっきギャラリーで選んだ片口や器が出来上がる様子には感慨深いものがありました。帰ってから太亀さんの片口にお酒を入れ注いでみると、最後の一滴がぴたりと止まり、全くあと引きしません。この気持ちのよいこと。

 

器は使ってもらってこそ、器作りは日々の生活を豊かにする器を作ること。と太亀さん。

 

蛙になってここに住みたいぐらいですが、また来るたのしみを残して。

 

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吉村順三の晩年の設計という、数寄屋造りの茶苑「海月」(かいげつ)へ。
和服姿の女性に抹茶を点ててもらい、ゆったり庭園を堪能しながら一服。

 

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少し車で走って波戸岬(はとみさき)のサザエのつぼ焼き売店へ。

 

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じゅうじゅうと香ばしい醤油と磯の香り。

 

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「わたしは2代目。定年がないし、この売店はとても良い仕事でね、母は82歳までがんばったんですよ」というお母さん。いつまでも仕事が出来るのはほんとに素晴らしいこと。そしてこの笑顔!

 

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飛行機から見えた玄海町・浜野浦地区の棚田へ。
ああ、日本の風景。

 

最後に「虹の松原」に再び。
名残惜しさ全開で「からつバーガー」とコーヒーを手に車に乗り込み、唐津を後に。

 

今頃は唐津っ子が待ちに待った「唐津くんち」。「エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」の掛け声とともに、唐津市内の旧城下町を練り歩き、いよいよフィナーレを迎えているころ。

 

くんちが終わると、唐津は本格的な冬を迎える。

 

すっかり秋めいてきた沖縄。今宵は温燗かな。

 

 

 

 

 

文・写真 葉棚達也・由真

 

 

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HADANAよりお知らせ。
「植物入が荷しました!」

 

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