» Flagship沖縄沖縄の、日本の誇る商品のみをセレクト。

Flagship沖縄
 
「当店では沖縄の、日本の『誇り』と言える商品だけを扱っています。
気をつけているのはいわゆる王道のお土産品を置かないこと。
セレクト感のある、デザイン性に優れたものだけを置くこと」 
 
プラザハウスの平良由乃社長は、信念に満ちた表情できっぱりと言い切る。
Flagshipとは「企業の商品やブランドの中で最上級、最高級のもの」を指す。
 
琉装女性のラベルがかわいらしい「琉球謹製 AwaRam」は、世界で初めて粉末化されたさとうきびと泡盛のコラボ酒。スコッチに似た味わいで泡盛が苦手なひとにも人気。合成着色料や保存料は一切使用していない。
深い焦げ茶色の液体が艶やかに光る請福酒造の「珈琲琉球流」。八重山の島産米使用の泡盛に、奄美大島産の黒糖、選び抜かれたアラビカ種の豆をブレンドしたコーヒーリキュール。ミルクで割る、バニラアイスにかける、お菓子作りに使うなど、楽しみ方は多様。
 
由乃社長が中心となってセレクトした商品が並ぶ店内は、広々として天井も高い。
 
「以前はギャラリーとして使っていたスペースなんです。
土産物ではなく芸術品に近いものを選んでいるのは、この場の持つ力も影響しているかもしれません。
日常に特化するのではなく、誰かに『献上』できる特別な品だけを置いています」
 
酒、調味料、石けん、ガラス、陶器、漆器、織物、染物・・・
沖縄県内外を問わずさまざまなジャンルの、しかし最上級の品だけが集められている。
 
フラッグシップ沖縄
つるりとした手触りと美しい光沢はガラスを思わせるが、実は陶器。「岐阜県のぎやまん陶です。私も何種類か持っていて自宅で愛用しています」
 

 

日本工芸師・親川唐白氏のうつわ。「朝鮮花三島という技術からヒントを得て『琉球花三島』と名付けた技法を沖縄のやちむんに施しています。抹茶碗はお茶の先生もよくご購入くださり、特に人気ですね」
 

與那原正守氏のうつわ
 

 
Flagship沖縄は、沖縄県の事業としてポータルサイトから始まった。
「リアルショップを開き、お客様の手と目に触れるようにしたい」
という想いから、店舗を構えるに至ったと言う。
 
「うつわは作家の顔が見えるこだわりの作品を、
食品はパッケージのデザイン性が高いものや、素材から厳選して作られているものを選んでいます」
 

岩手の老舗「佐々長醸造」による生醤油とつゆは、防腐剤、添加物等一切使用していない
 

極上の小麦粉を使用した富山の手延べ素麺、「大門素麺(おおかどそうめん)」
 
日本の伝統的な美しさが光る商品も多数置かれている。
 
「沖縄の商品だけを並べていたときよりも、相乗効果で互いに良い影響を受けているように感じます。
全国から商品をセレクトしているのですが、一カ所に偏らないことでそれぞれの土地の商品をより深く理解できるようになる気がします。
また、日本各地のものを置くようになって、お客様の滞店時間も長くなったように感じます」
 

福岡の錫(すず)器。「錫にはイオン効果と水を浄化する効果があります。昔は井戸の中に入れ、水の鮮度を保っていたそう。また、イオン効果が酒をまろやかで柔らかい味にするといわれ、宮中の御神酒器にも使用されています」
 

 

 

與那原正守さんのうつわ
 

 

皿は琉球松、フォークやスプーンはカンヒザクラを使用
 

 

 
4月からフラッグシップ沖縄でのみ販売を開始した「黄金金楚糕(くがにちんすこう)」の売れ行きが好調だ。
 
フラッグシップ沖縄
フラッグシップ沖縄
 
商品自体は3年前に誕生していたが、由乃社長のアイディアで生まれ変わった。
 
「2011年の初夏、『くがに菓子本店』の方がちんすこうを持っていらして。
食べてみたらものすごくおいしくてびっくりしたのですが、パッケージと包材のデザインが少し気になり、なんだかもったいないなあと。
そこで『パッケージをうちで作らせていただけませんか?』とご提案しました。
 
ちんすこうって沖縄を代表するものなのに、スターじゃないっていうイメージが私はあったんです。
宮廷菓子で由緒正しい伝統菓子だし、味もおいしい。
条件はそろっているのに、なんだか少し寂しいというか…。
でも、くがに菓子本店さんのちんすこうからは、熱い気持ちで作っていることがひしひしと伝わってきました。
素材にもちゃんとこだわっていて、小麦粉、砂糖、ラードと材料の顔ぶれはシンプルですが、いずれも国産の最高級のものを使用。
かたちも琉球王朝に献上されていたころの原型とされる丸形に成型し、すべて手焼きしています。
 
フラッグシップ沖縄
 
「土産商品ではOEM生産(他社ブランドの製品を製造すること)方式がよく採用されています。しかし今回の商品はくがにさんの努力があってのもの。実際に生産なさっている方々のこともしっかりPRしながら販売したいという想いがあります」
 
オリジナル商品ではなく、あくまでもくがに菓子本店の商品として販売を促進している。
 

「箱が一張羅なら、袋入りは普段着カジュアルウェアのちんすこうね(笑)」
 
パッケージには由乃社長デザインのエンブレムを使用した。
 
「特別感を演出するために箱にもこだわりました。
ジュエリーボックスのイメージで作りましたが、くがに菓子本店の担当の方からは『玉手箱』と呼ばれています(笑)。
贈答用に使っていただけるよう、重ねてリボンをかけても良し、4つ並べても良しの正方形に。
デザインでは悩みませんでしたが、コストとの戦いでした。
観光市場に出せるプライスレンジではありませんから、購入できるのは当店だけ。
このちんすこうを召し上がって、沖縄のお菓子を今一度見直して欲しいなって」
 
店頭においてある試食用ちんすこうを試した女性が、
「他の店には置いていないんですか?」
と社長に話しかけた。
「当店のみでの販売なんです」
と頭を下げると、
「いえ、それが嬉しいんです。色んなところに置くよりも特別感があって。
私、ちんすこうはあまり好きじゃなくてほとんど食べないのですがこれはすごくおいしくて驚きました。家族にも食べさせてあげたい」
そういって数箱を購入。
 
店を後にする女性を見送りながら、
 
「ああいう風におっしゃって頂けることは本当に嬉しいですよね。
一般的な価格と比べるとこのちんすこうはお高め。
それでも贈りたいと買ってくださる。
頑張って良かった、と思います」
 


上質な植物性オイルを使用し、伝統的製法で作られた自然派石けん「La Cucina(ラ クッチーナ)」
 

 
「商品のセレクトには実際頭を悩ませます。
若い作家さんの作品を扱うショップはけっこうあるのですが、当店では重厚なものやクラシカルなデザインのものもはずしません。
でも、デザイン性はもちろん重視してセレクトしています。
選ぶ基準は単純に『好きか嫌いか』。
私の個人的な好みではなく、30年に渡ってバイヤーの仕事を続けてきた経験から、店頭に並べたときのバランスや雰囲気、他の商品との関係性も大事にして買い付けています。
 
セレクトは慎重に、しっかりと時間をかけます。
観光客の方だけでなく、沖縄の人に喜んで頂くためには新作も置かなければなりません。

沖縄に来て、もしくは沖縄に住んでいて、良いものを持ち帰りたいと思ったときに選んでいただくためには、『語る力』のある商品でないといけません。
 
沖縄って、ちやほやされて有頂天になっている部分が少々あります。
そんな雰囲気にのまれることなく、謙虚に技を磨き続けている作家があり、作品がある。
県外にももちろん。
そういう商品を厳選してご紹介し続けていきたいですね」
 

インドに起源を持つエキゾチックな江戸更紗。「本土でいうところの紅型、でしょうか。伝統的な美しさが共通しています」
 
手頃なものが売れる時代だ。
器なら「食べ物や飲み物を入れられればいい」
ペンなら「書ければいい」
道具なら「機能を果たせばいい」
 
大切なひとに「これが沖縄の誇りです」と胸を張って、そういう商品を手渡せるだろうか?
贈り物を選ぶとき、「自分がもらって嬉しいと感じるもの」を基準にすることも多いだろう。
作り手のこだわりが詰まった商品はやはり魅力的だ。
使いたい、口にしてみたいと思う。だからこそ、使ってもらいたい、口にしてもらいたいと贈る。
 
しかし自分の周りを見渡せば、値段は手頃であるが誇りを感じない商品に囲まれてはいないだろうか?
 
誰かを想うことは、自分を顧みることでもある。
大事なひとへの贈り物を厳選するように、自分にも上質なものを贈ってみては。
 

写真・文 中井 雅代

 

Fragship沖縄
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