MINOTTI RECEPTION @ KI-KENSETSU Projects最高品質の家具と建物のコラボレーション


 
最高級のレザーを用いた贅沢なソファ。
しっかりと身体を支えてくれる実直な座り心地と、
滑らかな革の質感が、
「ホンモノ」であることを静かに主張している。
 

 
ソファー、サイドテーブル、ダイニングテーブル・・・
Minotti(ミノッティ)の家具のすべてが、
紀建設の事務所内に設けられた展示スペースにしっくりと馴染んでいる。
いや、馴染んでいるというレベルに留まらず、
家具の存在によって空間に満ちている空気が一新されてより濃密さを増し、
また逆に、家具たちも空間に配置されることによって生き生きとした表情に変わり、その真面目(しんめんもく)を心おきなく発揮しているように見える。
 

 
「Minottiは、派手で奇抜なことをしてお客様の目を引くような、
商業的な売り方をしないブランドです。
 
多くのブランドがビジネスに走ると、
流行っているときは世間でもてはやされるけれど、
5年経ったらもう、見向きもしてもらえない。
なぜなら、そうやって作られるものは快適なものではないし、
長い目で見ると飽きられてしまうことが多いから。
 
Minottiはそういうことを一切しません。
商売っ気を出さず、広告も殆ど出していないほどです。
 
商売の仕方、もの作りに対するプライド、思い入れ。  
快適で飽きない、生活の変化にも対応できるもの作り。 
 
そういう想いは、私どもの家作りへの想いと
共通しているような気がします。」
 
と、紀建設の井出さんは語る。  
 

 

 

サイドテーブル/Minotti
グラス/Smoke(ARNOLFO DI CAMBIO)
ボウル/GINGER(ARMANI)

 


 
Minottiは第二次世界大戦後の1949年、
ミラノ郊外の小さな工房として創業して以来家族経営を続け、
生産のすべてをイタリア国内で行い、
「MADE IN ITALY」を貫いている。
 
同じソファ一つとっても、張り地の色や素材、ステッチの糸の色まで細かく指定することができ、
オーダーメイド感覚で家具を購入できる。
 
また、組み合わせる家具や照明などを変えることで、
ミニマムからデコラティブまで、様々な空間にフレキシブルに対応する「マルチスタイル」な提案を可能にしている。
 
用いられる素材はいずれも、
最高級のものからさらに選び抜かれた、
快適さ、多様性、耐久性の全てを併せ持ったものに限られている。
それらの素材を、高い技術を持った職人がすべて手作業によって丁寧に縫製しているのだ。
 
「大手メーカーはビジネスを追求し、
東南アジアなどで製造していることが多いのですが、
Minottiは違います。
全てにこだわり抜いている分、納期にも時間がかかることがありますが、
質の良さは格別です。」 
 


どの角度から見ても、一点の曇りなく美しい。
「Minottiの家具は裏返しても美しいんです。ビス一つとっても完璧なまでに。お見せできないのが残念です。」

 


 
「家を建てる前に、良い家具を見て想像するというのも良いと思うんです。
 
沖縄には、こういった家具に触れられる場所自体が少ないですよね。
カタログでデザインや質感を見て、
実際に買う時は本土まで行って本物を見て・・・というような感じで。
 
また、椅子一つとっても、
商品だけを見るのと
建物の中でスタイリングされたものを見るのとでは、
受ける印象や雰囲気が全く違ってきます。

アメリカやヨーロッパでは、家具と家はセット。
日本にはそういう感覚があまりないですよね。
 
沖縄でソファーを買ったけれど
2年で革がボロボロになってしまったという方がいらっしゃいました。
本革ではなかったのかもしれません。
 
お金をかけても、上質のものを買えば長く使えるので結局お得です。
20年30年と長いスパンで愛用でき、
子どもが結婚する時には
『持って行けよ』
と、譲ることもできるのですから。」
 
 
確かに、家具を代々受け継いでいくというのは
海外ではよく耳にする話だ。

考えてみれば日本でも昔は、
着物をしまうための桐箪笥を受け継いだりという風習はあったはずだ。
 
ものづくりの技術、こだわり抜かれた品質の良さには定評のある日本。
私たちをとりまく日本の家具情勢は、いつの間に安さ重視になってしまったのか?
そもそも、お金をかけても良いという物事として「家具」を挙げる人は、
日本にどれくらいいるだろう。
 
一日の中でもかなり長い時間、つまり、
一生のうちの多くの時間が、自宅で、何かに座って費やされるにも関わらず、
ソファーを適当に選んでしまう人のどれほど多いことか。
無論、自分も含めて。
 
村上春樹の小説の中に出て来た、
ソファーについての記述を私は思い出す。
 
ソファー選びにはその人間の品位がにじみ出るものだと――またこれはたぶん偏見だと思うが――確信している。
ソファーというものは犯すことのできない確固としたひとつの世界なのだ。
私は高級車を乗りまわしながら家には二級か三級のソファーしか置いていない人間を何人か知っている。
こういう人間を私はあまり信用しない。
高い車にはたしかにそれだけの価値はあるのだろうが、それはただ単に高い車というだけのことである。金さえ払えば誰にだって買える。
しかし良いソファーを買うにはそれなりの見識と経験と哲学が必要なのだ。
金はかかるが、金を出せばいいというものではない。
ソファーとは何かという確固としたイメージなしには優れたソファーを手に入れることは不可能なのだ。」

(「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」村上春樹 )

 

  

  
紀建設が提案しているのは、建物の在り方だけではない。
もしそうであれば、インテリアのことまで気にかける必要はない。
家そのものだけではなく、その中で今後長い間繰り広げられる家族の人生までも見据えているのだ。
だから、建てて終わりではない。
私たちがまだ見ぬ世界を見せ、ワンランク上のライフスタイルを提案してくれる。
そういう設計・建築事務所はなかなか無い。
 

写真・文 中井 雅代

 

 
KI-KENSETSU Projects(株式会社 紀建設)
沖縄県宜野湾市字宇地泊642 MAP
TEL 098-890-6225 ‎FAX 098-890-6227
HP:http://www.ki-kensetsu.jp/top.html
 
MINOTTI Japan
HP:http://www.minotti.jp