ようこそ比屋根美術館

写真・文 金城 由桂

 

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台風が少ない今年は、かんかん照りの日が続いています。
道を歩けば焼け焦げてしまいそうな陽ざし。
高台から遠くに広がる海を眺めるだけでも、ほんの少し暑さが和らぐ。
その濃淡を見てると青い色の持つ力は素敵だな、としみじみ思うのです。

 

 

Shoka: には暑い夏を快適に過ごす涼しい服たちが揃っています。
でも今日は、夏の服以外にも暑い夏を愉しむ暮らしのいろいろを紹介しますね。

 

 

今のShoka: は、Shoka: と書いてふりがなは”比屋根美術館”。

 

 

以前、暑い日に涼みがてら美術館へよく出かけていました。
夏といえば海や祭りの 陽の楽しさももちろんですが、しぶとい暑さには、少し日常から離れた静寂のひとときに身を置きます。

 

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心がすーっと軽くなって、少し涼しくなります。

 

額装された数々の絵は、17世紀から19世紀の古い銅版画がほとんど。
宝探しが好きなShoka: のオーナー田原あゆみが、フランスへで出逢ったものたちです。

 

 

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フランスでは、様々な分野のコレクターが世界中を歩き回って古い本、古い専門書、銀製品、アンティークのジュエリーなど自分の好きなものだけを扱い並べている個性的なお店が多いそう。
店主のオリジナルなコレクションと、その人の魅力に惹かれて、昨年から何度目になるでしょう。
フランスへ通っています。

 

 

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17世紀、植物や貝殻を模写し銅版画におこして専門書がつくられた。
描かれている妖精のような生き物が、少し茶目っ気があっておもしろい。

 

巻貝が描かれたこの絵も古く、形も模様も忠実に模写されている。

 

 

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自然が織りなす形状や模様がこんなにも美しいですよ、ほらよく見てね。足元に落ちていますよ。
と教えてくれているような、優しいメッセージ。

 

 

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「自然の造形を 線で捉えた銅版画。

 

造形を線で捉えることからぶれていないので、静かなのがいい。人が発する意図的な主張が抑えられている分、自然の美しさが静かに広がってくる。

 

自我を超えて、目の前のものをそのまま写し込もうとして生まれたこれらの挿絵達は、だからこそ静かに長く惹きつけられる魅力があるのだと思います。」

 

とオーナーの田原は語ります。

 

流通している絵画はきわめて多く、価値観も様々で人にはそれぞれの好みがありますが、この言葉が添えられたとき、なるほどな、と頷きました。

 

料理を生かす器や、服を引き立てる靴。
リビングに馴染む家財。

 

調和がとれるのは、それぞれが静かなおかげなのかもしれないですね。

 

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思わず目がいってしまうような絵もまた魅力的。

 

絵本から飛び出してきたような、きのこの絵。
これもまた手刷りで刷られた挿絵のひとつです。

 

かわいいきのこ達が生えている森にはいってみたくなります。

 

額絵は、中の絵も額もヨーロッパで買い付けてきています。
アンティークの額を絵とは別にそれぞれ選び、コーディネートしたのでオリジナルなのです。

 

17世紀から19世紀のものなので、あるていど修複が必要でした。
しっかり額装を終え、今やっとShoka: に並んでいますよ。
はるか昔につくられた本の挿絵の一頁が南の島の比屋根の丘にあるというのもまたおもしろいですね。

 

 

絵の他にも、フランスやベルギーで出逢いときめいたもの達をShoka: に連れて帰ってきています。

 

 

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服と馴染むカメオリング。
珊瑚のモチーフを22kゴールドの柔らかい温もりで包んだリングです。

 

 

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ここでは紹介しきれないアンティークのものたちがたくさん並んでいます。
もしかしたら、一生出会えなかったかもしれないものとの出会いが、ここにはあるかもしれません。

 

 

 

 

トリッペンや、ミナペルホネン、ヨーガンレールなどお待たせしていた秋物がどんどん届いてきています。
その他、今の暑い季節から秋にも着れる間着も到着していますので、ぜひお立ち寄りくださいね。
比屋根の丘でお待ちしています。

 

 

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暮らしを楽しむものとこと
Shoka:
http://shoka-wind.com

 

沖縄市比屋根6-13-6
098-932-0791(火曜定休)
営業時間 12:30~19:00