家族のような道具たち

写真・文 田原あゆみ

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道具というと物なのだけれど、好きな道具はもっと肌に近い感じがする。
朝起きて、お湯を沸かしてお茶を淹れる。
好きな急須で、お気に入りの湯呑みに入れていただくと、見た目も味も美味しくてそれは特別の時間になる。

 

掃除機を出して、よっせとコンセントを差し込んでえいやっとするお掃除はなんだか戦いのようにエネルギッシュだけれど、ささっと箒を出して掃き出すと、体と箒とが一緒に呼吸をしているような気持ちになって心が沈まる。「掃き清める」という言葉があるように、お掃除さえ心が鎮まる日本の道具。
しかも職人が作った箒は美しい。

 

智子さんが選ぶ赤木家の日常の暮らしの中に溶け込んでいる道具たちはそっけないくらいにとてもシンプルだ。
赤木智子さんのお話会の様子はこちらから

 

 

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浅井庸佑のちょく。粉引の白い色はとても柔らかく、肌は懐かしい感触をしている。
とてもシンプルなのだけれど、使うほどに味わいが出てくるのがわかる。
お茶を入れると貫入が育ってだんだん好きになるだろう。

 

 

そう、智子さんの選ぶ物は、最初から主張する物というより、出会ったときは楚々としているのだけれどじわじわと馴染んでくる。
そんな物が多い。
手に持った時の感触や、飽きがこない感じがする。

 

 

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サッシの周りを子の小さな箒でささっと掃くと、出てくる出てくる埃やチリたち。
それを小さなちりとりで受け止めて両手でさっさとかわいいお掃除ができる優秀な道具。

 

 

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野田琺瑯の洗い桶。
程よい深さと幅がとても使い勝手のいいサイズに収まっている。

 

これがあったら、シンクの中でお皿洗いや台拭きを洗ったりするのが楽だし、見た目も綺麗だ。
火にもかけられるから、ふきんの消毒なんかもしやすそう。

 

 

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上泉秀人の大きなしのぎ湯呑みは、両手で持ってたっぷりといただく時にもってこい。
しのぎがリズムよく入っていて、持った時の手の感触がとてもいい。
智子さんは、朝起きるとこれにたっぷりのミルクティーを入れていただくのだそう。
置いておくと、箸置きのように見えるくらいどっしりしているこの湯呑みに飲み物を入れてお客様に出すと、必ず皆さん「これいいね!」と笑顔になるのだそう。
使ってみて欲しくなる、そんな湯呑みだ。

 

 

私も自分のために使ってみたい。そう思ってこの2~3日ためつすがめつ眺めている。

 

 

そうそう、シンプルな物だけでは生活が淡々としてくると思いませんか?
私もシンプル派なので、服も、持ち物も単色の物ばかり。
そこに柄物を持ってくると、パッと景色が明るくなる。

 

 

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賑やかな色目のアンティパストの靴下も道具店のメンバーです。
薄い夏の素材の賑やかな靴下もたくさん入ってきています。

人気のあるアンティパストの靴下を手で触って選べる絶好のチャンスなのですよ。

 

 

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いろんな色や、柄がある中から自分の好きなものを探すのはワクワクすること。
どれにしようかと選んでいる時の姿は、羨ましいくらい夢中になっているのです。
私も二つ選んで見たら、一つはオレンジ色のシマシマ。
もう一つは白に雲がムクムクと湧いているものに。

 

いつもと違う味わいのものを身につけるのは少し恥ずかしくて、だいぶ嬉しい。

 

 

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ギャルリ百草のハンカチや、三河木綿のタオル、よだれかけも。
使い込むほどに柔らかく、吸湿性がよくなる木綿の気持ちのいいのです。

 

他にもたくさんたくさん、暮らしに寄り添う家族の一員になるような道具たちが出会いを待っている。

 

 

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今回の道具たちの中でも、ふと目がいってしまうのがこの赤木明登さんの漆の茶入れ。

 

 

古いのか新しいのか、形の中に古の時間が流れているような懐かしいような、とても惹きつけられるその姿。
中にも漆が塗られているので、一体どうやって塗ったのだろうと考えていたら、裏は後からとりつけるらしく高い技術がいるのだそう。

 

 

赤木さんの作品を見ていると、古道具が好きで、夫婦揃って若い頃から集めていたというのがその形から伝わって来る。
懐かしく美しい形。手を伸ばして触りたくなる形。

 

形に宿るものは確かにある。

 

ああこの茶入れは、なんていい形と肌合いなのだろう。

 

 

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うちの食器棚を眺めていると、隙間なく詰まっているのだけれど。
何かを重ねたり、ちょっと動かしたりしたら、あの子とこの子を迎えられるかしら?

 

そんな整理整頓を頭の中でしながら、生活道具店で生き生きと並んでいる道具たちを眺めています。

 

今週末までの開催です。まだきていない方も、もう一度行きたいと思っている方も是非比屋根まで遊びにいらしてくださいな。

 

 

赤木智子の生活道具店は7月5日(日)まで。

 

及源の南部鉄フライパン
白木屋伝兵衛のたわし・ちりとり
上泉秀人の大きなしのぎ湯呑み
小野哲平の小皿
大村剛の小さな片口
晴耕社ガラス工房のコップ
野田琺瑯の洗い桶
内田鋼一の小さい箱
ギャラリーONOのガベ
長谷川まみの銀のスプーンとミルクピッチャー
井畑勝江の湯呑み
新宮州三のくりもの
ヤオイタカスミのワンピースと子供服
岩谷雪子の箒
広川絵麻の湯呑みと蓋物
秋田小夜子のティーポット
壺田亜矢のそば猪口と片口
高澤ろうそく店の和ろうそく
佃眞吾の我谷盆
辻和美の大きな片口とグラス
安藤明子のガーゼのものとサロン
早川ユミのスカート
mon sakata のTシャツ
アンティパストの靴下
秋野ちひろの金属のかけら
トラネコボンボンの図録とポストカード
松林誠の版画
浅井庸佑のちょく
山田次郎の中津箒
CLASKA+彦坂木版工房のパンのノート
赤木明登のぬりもの
輪島のお菓子 ・

 

 

 

*おまけ*

 

暮らしを楽しむものとこと
Shoka:便り

 

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道具店に合わせて、爽やかなイエローを着たあやちゃん。
嬉しそうにアンティパストの靴下を物色していたのを私は知っています。
ほうきでお掃除という雰囲気はしないけれど、グラスや漆器に惹かれている様子。

 

相変わらずの微笑み美人です。

 

 

 

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実は金城はいつでもサイン帳を持ち歩いているのです。
そして、この人!と狙うと、さささっと近づいてきて、目をキラキラさせてサインをねだります。
智子さんに突進しているのをパシャり。

 

酔っ払うとものすごくしつこくサインをねだるそうなので、飲み屋で会ったら温かく見守ってあげてくださいね。
そしてねだられたら、サインをしてあげてくださいね。

 

ちなみに私はまだ書いていません・・・・

 

 

 

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光の中に眩しい微笑みをたたえて立っている麻紀ちゃん。
何かいいことがあったのかしら?

 

それとも、日本酒用の片口が欲しいと言いたくて、はにかんでいるのかしら?
私がレジをよく間違うので、うちのチームはしっかり者に育ちました。

 

レジ番長今週もよろしくおねがいいたします。

 

 

 

Shoka:のカレンドでの連載が7月からまた再開します。
第1第3木曜日が掲載日となっています。
暮らしを楽しむものとこと、これからも大事に発信して行きます。
またよろしくおねがいいたします。

 

 

 

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くらしを楽しむものとこと

 

 

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