暮らしの中の旅日記 「アンニョンハセヨ ソウル」

写真/文 田原あゆみ

 

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人の出会いは面白い。
4月にヨーガンレールさんのところで知り合った韓国の料理研究家のチェ・ジウン(崔智恩)さんのお料理と、丁寧な心づくしに感動した私は、友人の韓国旅行へのお誘いにYES!と即答。

 

ただ今ソウルに滞在しています。

 

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滞在しているのはソウルの中心地から少し路地を入った場所にある Soriwool Guesthouse という韓国スタイルの民宿。
まるで韓国の家庭に曲がりをしているような感覚になります。

 

扉の写真は私には発音も表記も出来ないようなお野菜が干されています。
昨日チェさんの案内で回ったお店のお食事は、もうどれもこれも身悶えするほどおいしくて、今日もランチを心待ちにしています。

 

チェさんはあの有名な韓国のドラマ、韓国の宮廷料理がたくさん出てくる「チャングムの誓い」というドラマでお料理を実際に作った料理研究家のお弟子さん。
料理は出す相手のためにあるので、その人の体調や好みを聞きながら丁寧に素材を選んで料理します。

 

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お酒に疲れた胃袋のみんなの為に南瓜のお粥を作ってくれているチェさん。
南瓜はすりつぶされていて、最後に上新粉をいれてお粥になるのが韓国流なのだそう。
やさしいとろみがあって、身体にすっと入ってゆくような滋味のある一杯。

 

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甘味・酸味・辛味・苦味・渋味の5つの味を持つという五味子という実を水に一晩つけておいて出した汁に、スイカを入れて作ってくれたお茶。
身体の毒素を出してくれるのだそう。
お料理を出す前日から、準備をする姿に私はとても感動したものです。

 

そんなチェさんがコーディネートしてくれたお店ばかりなので、これはおいしいこと間違いなしのお店ばかり。
みなさんにお分け出来ないのが申し訳ないのですが、今日の所は写真を見て膨らんだ想像を味わってくださいね。

 

 

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石持の子供を焼いたものとテンジャンチゲ(お味噌のチゲ)が有名な仙洞ポリパプというお店のお昼ご飯。
紫蘇の葉や、小松菜、キャベツ、韓国焼き海苔にご飯を巻いて、タレをつけていただきます。
ご飯にはお豆や銀杏が入っていて、それだけで私は目からも口からもつつーっと分泌物が。

 

ご飯のおこげにお湯をかけておいておいたものを、最後におこげスープとしていただいてご飯を締めます。
それがまた香ばしくって、とてもおいしい。
一時は炊飯器でご飯を出していたそうですが、あまりにこのおこげスープのフアンが多くてまた戻したのだそう。
私も一食で虜になりました。
ご飯の国に生まれて良かった。

 

夕方には友人と合流してお雑煮のおいしいお店へ。

 

 

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左上:牛のだしでとったスープに、雪だるまの形の小さなトックがたくさん入っています。
トックはうるち米で作られているので、弾力性があって粘りは少なく、溶けていかないのでゆっくりと味わうことが出来ます。
さっぱりと薄味でやさしいスープ。

 

右上:形はズッキーニのような若南瓜が良く料理に出てくるのですが、この水餃子は豚肉と若南瓜の具が入っていて、とてもとてもおいしい。
お肉が苦手な私、久しぶりにいただきましたが全く臭みがなくて感動しました。

 

左下:キュウリの水キムチは豪快な大きさ。
中を割ると小さく切られた野菜が詰まっています。

 

辛い料理が多いと思っていましたが、どれもさっぱりしていて身体に静かに染み渡ってゆくようなものばかり。
上品な味わいでした。

 

こちらは東大門区にあるケソンチプというお店。

 

この後、韓国の文化に厚い二人の友人達と夜の町へと2次会3次会。

 

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マッコリを飲みながら海産物のつまみを楽しむ小料理屋。

 

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新鮮な甲イカをさっと湯通ししたお刺身とサービスで出てくるムール貝のスープ。

 

 

最後は友人宅に招かれて、韓国式の暮らしに触れることが出来ました。
しかし、みなさんのおもてなしの厚いことといったら。

 

国や文化の背景は違っても、お互いを敬う心があれば豊かな時間を過ごすことが出来るのだと、嬉しくなりました。

 

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韓国のパンソリという歌は最初から最後まで6時間にも渡って歌うのだという話しを聞いて驚いたり、実際に歌を聴いて感動したりしながら最初の一日は幕を閉じたのです。

 

おいしい一日でした。

 

 

そうそう、食事に夢中でしたがうつくしいものもたくさんみました。

 

 

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三喜古美術商店街のあるお店で見せていただいた手のひらに納まる小さな器。
高麗時代のとても貴重な盃だそう。

 

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お店の棚に並んでいるもの以外にも、次々といいものを箱から出してみせてくれるお店のご主人は、心から骨董美術品やその背景にある歴史を愛している様子でした。

 

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当時の暮らしや、どうやって使われていたのか、想像がふくらむのも古美術品の愉しみの一つなのでしょう。

 

 

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さあ、今日は2日目。
どんなことが待ち受けているのでしょうか。
出来るだけ私の持っているフィルターを外して、韓国の人々や暮らしを感じてみたいと思っています。

 

私は17日まで不在ですが、Shoka:は関根と金城が楽しく営業しています。

 

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最近入荷したミナ ペルホネンのランドリーのシリーズ一つ。
Friendというテキスタイルのワンピース。
ストライプと水玉が仲良く一緒の布にいるので、Friend。
なんだか嬉しくなる名前ではありませんか。

 

他にも陶器や漆器、アクセサリーと新しいラインも展示されていて新鮮です。

 

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それから、マガジンハウス発行の雑誌「クロワッサン」にShoka:と私の暮らし、沖縄の作り手のみなさんを紹介した記事が特集で載っています。
http://magazineworld.jp/croissant/857/read/#&panel1-5

 

良かったら手に取ってみてくださいね。

 

 

ソウルの旅は引き続きHPにてどうぞ。
http://shoka-wind.com/

 

 

*チェジウン(崔智恩)
クロワッサンにて「福を招く食卓」というタイトルで韓国料理のレシピを連載中韓国の作家さんのうつわを使って、チェさんのうつくしい家庭料理が紹介されています。

 

『韓国料理家、韓国文化コーディネーター。ソウル在住。「朝鮮王朝宮中料理研究院」で韓国の宮廷料理を学び、その後、師である韓国の無形文化財の故・黄慧性 さんの助手を5年間務め、宮廷料理のみならず、韓国各地の郷土料理や精進料理を訪ね歩いて造詣を深める。その経験を生かして、韓国文化コーディネーターと して活動を始め、長年、日本の雑誌や書籍などで韓国の食文化や伝統工芸を紹介し、料理家として、レシピ本も日本で多く出版している。信条は「おいしい料理 は人を幸せにする」。料理のみならず、食卓を彩る韓国伝統の器や工芸品も含めた食まわりの文化を、確かな目で伝える仕事ぶりにファンは多く、日本の料理家 や文化人、アーティストとの交流も広い。著書に『体がよろこぶ韓国スープ』(文化出版局)、『崔さんのおかず』(小学館)「空想食堂」など。』 筑摩書房HPより引用

 

*チェジウン(崔智恩)さんの本はAmazonにてどうぞ
http://goo.gl/xkuod

 

 

「空想食堂」は自費出版のとても素敵な本です。以下のショップで購入出来ます。

 

くるみの木
http://www.kuruminoki.co.jp/

 

factory zoomer
http://www.factory-zoomer.com/index.html

 

折方デザイン研究所
http://www.origata.com/

 

Shoka:
http://shoka-wind.com/

 

*韓国の旅に興味のある方は、クロワッサン特別編集「ソウル上質な旅時間」と、Casa BRUTUS「ソウル・韓国」がおすすめです。
どちらもチェさんのコーディネートしたお店がたくさん紹介されていて、いいセレクトの一冊。
amazonから購入することが出来ます。

 

 

 

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暮らしを楽しむものとこと
Shoka:


http://shoka-wind.com


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098-932-0791