「えりなーさ〜」第一人称は自分の名前!大人になっても・・・

沖縄の女性には、自分自身のことを名前で呼ぶひとが非常に多い。


しかも、かなり「おとな」になっても。


周りをみると、30代後半の女性でも、自身を名前呼びする人は沢山いる。
今のところ40代以上の女性の該当者を知らないが、
私が知らないだけでいるんだろうなと思うし、
いてほしい。なんとなく。
だって、可愛いじゃないですか?





本土の状況はまったく違う。
私は6歳まで自分のことを名前で呼んでいたが、
母から何度も注意され、
小学校にあがるのをきっかけに、名前呼びを改め「わたし」と言うようにした。
当時の心情を今でもかなり鮮明に憶えているのだけど、かなり勇気と根気の必要な、わたしにとっては「一大自分改革」だった。
少なくとも、1年以上は違和感を引きずっていたと思う。
気恥ずかしいような、ちょっと寂しいような、自分が自分でなくなるような。


本土出身者で私と同様の経験をした女性は少なくないと思う。


一方沖縄。
なにゆえこれほどまでに名前呼びをつらぬく女性が多いのか?
こういう、言ってみれば「何でもないことが」気になって仕方のない性分のわたし、
これまで何人ものうちなんちゅたちに質問をぶつけてみたが、
返ってくる答えのほとんどは、


「・・・わからんっ!」


他に、「周りもみんなそうだから・・・」という人もいるが、それでは答えにならない。


そこで、無い知恵を振り絞って考えてみた。


沖縄は、同一姓が非常に多い。
石を投げれば比嘉さん、大城さん、金城さんのいずれかに当たるのではないか?
私は沖縄に来たばかりのころ、官公庁でアルバイトをしたことがあるが、
職員のみなさんが同僚をフルネーム呼びすることが多いのにびっくりした。
「大城しょうえいさん」「比嘉けいいちさん」といった具合。
同一性の職員が多いので、混同しないためだ。
これは無論、社会人に限った話ではなく、学生時代、いや、更にさかのぼって保育園時代だって同じである。
つまり、「姓」以上に「名」が優先され、呼ぶことも呼ばれることも多いのだ。


本土ではまず、こういうことはない。
フルネーム呼びせずとも、名字でかぶることがそれほど多くないからだ。
井上さんは井上さんだし、小田さんは小田さんで、
幼少時代を除くと、下の名前を呼ぶのは親しい人にほぼ限られると言っていい。





また、沖縄では、小さい頃から名前を呼び捨てにすることが多い。
つまり、「〜ちゃん」や「〜くん」と付けずに呼ぶことが多いのだ。
最初はこれにも驚いた。
他人の子でも初対面でも、臆せず呼び捨て。
保育園の先生方も、子どもを呼び捨てている人が多い。
または、
「すーずー」「りーなー」「まーしー」といった愛称呼び。
最初こそ驚いたが、これは慣れると結構うれしい。
初対面でもすんなり親しくなれる感じがする。
「呼び捨て」というと聞こえが悪いが、名前を親しげに呼んでくれるので、保育園の先生もまるで親戚のように身近に感じられる。


もう一つ、第一人称で驚いたのは、自身のことを
「自分」
という女性が非常に多いこと。
これは、最初きいたときは本気で自衛隊勤務の方かと思った。
男性はともかく、女性が「自分」というと、本土出身者の私からすると、かなり体育会系な響きが、最初はした。(すぐ慣れたけれど)


この件についての私の考察。


第一人称として「わたし」を使い慣れておらず、かといって自分の名前を呼ぶのはちょっと恥ずかしい・・・
そんな気持ちの裏返しでは?


うんうん、私も小学校に上がる直前、同じような気持ちを十分に味わったのでよくわかります。


「いい大人が自分のことを名前で呼ぶなんて恥ずかしい!」
という意見の方もいらっしゃるかもしれませんが
(多分いるだろう、特に本土には)、
私は、うちなんちゅの大人の女性が自身のことを名前で呼ぶのは、可愛らしくてとても好きです。

やまとぅー撫子