「ティー、下さい。」・・・ティーって、何?!




沖縄に来たばかりの頃、いちばん衝撃を受けたこと、それは
「ウチナーグチ」でも「ウチナー料理」でもなく、
「ティー」!!
沖縄ではアイスティーが絶大な力を持っている。
沖縄の飲料市場を席巻していると言ってもいいかもしれない。


紅茶花伝や霧の紅茶など、県外ではあまり見かけなくなった缶ジュースも、
沖縄では主力商品。


種類も豊富。
霧の紅茶でいえば、
アップルティー、ミルクティーなどに混じって
マンゴーティーも(これが美味しい!)。


自動販売機の缶ジュースだけではない。


食べ盛り飲み盛りの中高生男子が1000mlの紙パック入りリプトンティーをコンビニやスーパーの前でごくごく飲んでいる姿は、沖縄ではよく見かける光景。
冷蔵庫に常備している家庭も少なくない。
ホームパーティーではまず必ずと言っていいほどリプトンのペットボトルか紙パック(いずれも大サイズ)が準備されている。





これは何も若者文化に限った話ではない。


いちばんびっくりしたのは、家族と外食したとき。
コース料理を注文、
「食後のお飲物は?」
店員さんの問いに、私以外みな
「ティーください」
義両親も義姉夫婦も義弟も、もちろん主人も
「ティー」。


!!!


え?コーヒーじゃないの?
つか、
「ティー」って、何?!


本土なら
「アイスティー」「紅茶」と言うところを、
ウチナンチュはみな口をそろえて「ティー」と言う。
ちなみに、ティー=アイスティーを意味する場合がほとんど。
ホットが飲みたい時は
「ホットティー」
と注文することが多いようだ。


最近では店員さんが
「食後のお飲物は、コーヒーかティーのホットかアイスです」
なんて言うのを聞いたこともある。


本土で
「ティー下さい」
と注文したら、きっと
「??アイスティーでよろしいですか?」
と確認されると思うのだけど、どうだろう。


とにかく、みんなティーが好き!
本土でお友達と食事に行ったら、食後の飲み物は断然コーヒー派が多いが、
沖縄ではティー派の圧勝。コールドゲームだ。


この、沖縄でふるわれているティーの強大な勢力の由来について、
ウチナンチュの老若男女に尋ねてみたが、
「う〜ん・・・アメリカー文化じゃない?」
という、歯切れの悪い答え。
でも、コーヒーだってアメリカ文化じゃない?


ちなみに、コーヒーはかなり薄めのアメリカンが沖縄では人気。
この辺は確かにアメリカ文化の影響?
お年を召したうちなんちゅ(つまり、おじいやおばあ)にコーヒーを出す時に、
「お湯にコーヒーがちょっと混じってるくらいでいいから」
と注文されたことが何度かある。
若いうちなんちゅは、普通の濃さのコーヒーを飲んでいるようだ。


ペルーから留学で来ていた沖縄系3世の女の子が、
「帰国するから、沖縄でハマった霧の紅茶のアップルティーを箱買いしてペルーに送るの」
と言っていた。
これはやっぱり沖縄の血が成せる嗜好なのか。


謎はいまだ解明されていないが、
とにもかくにもみな、
「ティーが好き!」
なのである。

やまとぅー撫子