南の島の洞くつ探検/カニ歩き、よじ登り、ほふくで前進。ガチな探検の先に待つのは、一面に広がる純白の鍾乳石

 

ストロー(玉泉洞探検洞エリア)

写真提供/おきなわワールド

 

例年以上の暑さに、ご近所の涼しい場所を求めウロウロしている金城です。最近、涼しいというより寒いに近い場所ですごい体験してきました。

 

いつものように面白い情報ないかな〜と立ち寄った観光案内所で目にしたおきなわワールドのちらし。「未公開ゾーンを探検」の文字に、自然好きのわんぱく娘が喜ぶにちがいないとすぐ予約。きっと涼しいだろうし、私も気分転換になるかも〜なんて軽く考えていましたが、洞窟に入って3分でガチなやつだ。。。と気付かされました。

 

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写真提供/おきなわワールド

 

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写真提供/おきなわワールド

 

どれだけガチかというと、“歩く”って感じじゃないんです。岩をよじ登ったりほふく前進したり。(あ、誤解のないように付け足すと、標準体型の皆さんは赤ちゃんのハイハイのような感じで行けるんですが、ぽっちゃりの私はなんだか全身で這ってるような感じなんで。エヘ。)あと、体が通るか通らないかの狭ーい岩間をカニ歩きしたり。さらには、水が19度と聞いてはいたんですが、この19度というのが意外と冷たい! ずーっと足は水の中なので、冷え切ってしまうんです。ヘルメットも念の為のものかと思いきや、気が緩むと鍾乳石にガンガン頭をぶつけちゃいます。ヘルメットを被っていて良かったって体験は生まれて初めてでした。

 

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そんなハードな場所だけあって、間近で素晴らしい光景を見ることができました。私が一番驚いたのは、鍾乳石の色。真っっ白!純白なんです。薄茶色ってイメージがあったんですが、それは泥などの汚れが付いてしまったからで、一度汚れがついてしまうと本来の色、純白には戻らないことも有るのだそう。鍾乳石の赤ちゃんをストローと呼ぶそうなんですが、途中3センチぐらいの細長い真っ白なストローが均一に並んでいる一帯があるんです。幻想的とはこの事。キラキラ輝く宝石のようで、ノックアウト寸前の太ももとふくらはぎの悲鳴も忘れ見とれます。その一帯は300年ぐらい前に地震があったのではないかと言われ、もともとあった鍾乳石が落ちて、新しい鍾乳石が生まれたんだそう。「え〜、300年も前の話なのに数センチなの〜」「鍾乳石で昔の出来事が分かっちゃうの」「沖縄ってあまり地震はないのに300年前には鍾乳石が落ちるぐらいの地震があったの」とガイドさんのお話は驚いたり感心したりすることばかり。

 

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娘が楽しみにしていた生物たちとも遭遇することができました。手のひらサイズのコウモリがすぐ横を飛び交い、興奮する娘に怖がる私。ガイドさんが見つけてくれたエビの赤ちゃんに、私は見逃してしまったけどゲジゲジっていうムカデのように足がたくさんある生物もいました。運が良ければクロイワトカゲモドキにもあえるそうです。地下40メートルで地上の光がまったく入って来ない場所でも生物ってたくましく生きているんですね!

 

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落ちてしまった鍾乳石。ドシッとした重さです。

 

中間地点あたりでガイドさんの「ここで少し休憩しましょう〜」の呼びかけに、待ってました!と心で叫びます。岩に腰をおろし、ほっと一息。

 

休憩中もガイドさんから興味深い講義があります。「一旦すべての電気を消してみましょう」との案内で、参加者全員ヘッドライトを消します。想像通りの真っ暗闇。地上なら目がなれてきて、うっすらと辺りを見渡せるはずですが、何度まばたきしても、いつまで経っても何にも見えてきません。それに、目を閉じてるときと開けてるときの暗さの違いも全くありません。皆が困惑しはじめるタイミングで説明が。

 

「ここは地下40メートル、地上だと建物10階ぐらいに相当する高さです。少しの光も入ってこないので、いくら時間がたっても目がなれることはありません。」

 

続いては音について。「次は静かにして音をきいてみましょう」。聞こえるのはしずくの音と耳を手で塞いだ時に聞こえるようなボワーンという音だけ。きっと地上ではおきなわワールドで楽しむ人々のはしゃぐ声や物音が響いているはずなのに…。地下40メートルの異空間は、自然の偉大さ、すごさ、怖さをひしひしと感じさせてくれました。

 

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写真提供/おきなわワールド

 

後半も前半同様のハードさは変わらずですが、鍾乳石のツルツルな表面を鑑賞したり、きょろきょろと生き物を探してみたりと楽しむ余裕もでてきます。出口付近の開けた場所にあるコウモリの棲家があるのですが、そこではひるむことなく、しっかりとコウモリも観察。コウモリは夜行性なので、そのほとんどが逆さまにぶら下がって寝ているのですが、5〜6匹が高い場所を飛び回っていたんです。あれはきっと、私たちに「お疲れ〜」と言ってくれていたんですね(笑)。

 

短いはしごを登り地上にでると、爽快感と達成感と共に帰還した大きな喜びで胸がいっぱいでした。かなりの時間を洞くつで過ごしたように感じましたが、距離にするとなんと600メートルぐらいなんだそう。今回は夏休み前ということもあり大人10名ぐらいの参加でした。その方たちとは冒険中、「ここから深くなりますよ」とか、すべると「大丈夫ですか?」など声をかけあったりして、勝手に親近感が湧いてきて赤の他人じゃないような気持ちに。そこも洞くつ探検の魅力です。

 

一緒に参加した娘は、夏休みの宿題の一つにとやる気満々。私よりもガイドさんの話を聞く余裕があったようで「ケイブパールは鍾乳洞から垂れた水があたって、岩のくぼみの中で回って丸くなるんだよ」「洞くつの中に流れていた水はカルシウムが入ってるんだよ」などと教えてくれ、私の必死さが伝わっていたようで、聴いていないのがバレバレでした。トホホ。

 

自然のままの鍾乳洞は、普段着で見ることのできる開放された鍾乳洞とは全然違っていました。ガイドさんが「毎年参加される方もいらっしゃいます」と言っていた理由が今なら分かります。毎年来る価値のある、自然の大きさを体感することができる非日常の空間です。ちなみに私は少し鍛えて、来年も参加予定です。

 

 

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探検終了後にライセンスカードがもらえます。

 

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あ、探検中に記念写真を撮ってくださるんですが、なんとカメラマンさん先に洞くつに入りスタンバイして私たちを待ってくれているんです! これは感動のサービスでした。来る順に皆を撮り終えると、私たちが必死になって進んできた道のりを颯爽と軽やかな足取りで帰っていく姿を見て自分のヘトヘトさに笑えました。個人的にはすごく印象的すぎて、帰り際に「すごいですね〜」と感心を伝えると「慣れました」とあっさり一言。慣れってすごい! 鍾乳洞の本来の魅力とは話がずれますが、これもこの冒険の見どころの一つです(笑)。

 

 

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南の島の洞くつ探検
期間:2017年7月15日(土) ~ 9月30日(土)
7月~8月 平日 10:00 11:00
土日祝 10:00 11:00 14:00
9月 平日 10:00
土日祝 10:00 13:00
場所:おきなわワールド
南城市玉城字前川1336
TEL:098-949-7421
【完全予約制】お電話にてお申し込みください。