» 忠孝酒造 黒あまざけ酸味が映えるノンアルコールのあまざけは、黒麹菌が織りなすスーパーフード

忠孝酒造 あまざけ

 

なんで酸っぱいの?と感じたあまざけがある。“黒あまざけ”という代物だ。

 

一口含めば、フルーティーな酸味とスッキリした甘みが口に広がる。すっきりした甘みは、口ざみしい時、甘いモノを食べたい時、満足感が得られるのに、重く感じすぎることはない。しかも甘みは、材料の米から出るものだけだという。

 

それは思いもよらないことだった。なぜなら、あまざけとは甘いだけのもの、あるいは甘みが重すぎるもの、それはどんな種類のあまざけでも変わらないという経験があったから。

 

でもこれなら、シンプルにこれだけをグラスに注いで、ストレートでぐいっといける。むしろ一つのドリンクとして完成されているから、このままお客様にだって出したい。

 

忠孝酒造 あまざけ

 

「この酸味、びっくりしますよね? さっぱりとした酸味があるおかげで甘いものが苦手な僕でも、ストレートで飲めるんです。それにノンアルコールですから、仕事の合間におやつ代わりに口にすることもありますよ」

 

酸味こそが”黒あまざけ”の最大の魅力だと話すのは、沖縄を代表する泡盛メーカー忠孝酒造の井上創平さん。蔵人でもありながら、忠孝酒造のあまざけづくりを一手に担う井上さんが、あまざけづくりの工程で感じることがある。それは、”黒あまざけ”は沖縄の泡盛づくりの伝統あってのものだということ。

 

「この味は、沖縄ならではなんですよ。どういうことかというと、酸味を作り出しているのが、泡盛づくりには欠かせない黒麹菌なんです。その菌が、作るクエン酸がすっぱさの正体ですね。クエン酸が、甘すぎるあまざけに、すっきりとした酸味を添えてくれているんです。そもそも黒麹菌は、琉球王朝時代から、泡盛造りに使われていました。日本酒は黄麹菌を使って、寒い冬場に仕込むから腐る心配はないけど、年中湿度が高い沖縄では、クエン酸が雑菌からお酒を守ってくれるので、安全な酒造りに欠かせないということを、先人たちは見抜いていたようですね。世界広しといえども、酒造りに黒麹菌だけをつかっているのは沖縄だけ。戦争で一度途絶えた黒麹だけど、今でも泡盛造りの要は黒麹菌への手のかけ方というのは変わらない。黒麹が、泡盛の味の善し悪しをにぎるのは昔も今も同じですからね。」

 

忠孝酒造 あまざけ

 

忠孝酒造 あまざけ

 

忠孝酒造 あまざけ

 

王朝時代を経て、受け継いできた、黒麹を操る技巧が現代にも応用されている。

 

「材料にただ黒麹をいれれば、ちょうどいい酸味のあまざけがハナからできたわけじゃなかったんです。最初はもっと酸っぱくて、もっと黒かったんですよ。泡盛づくりとあまざけづくりはほとんど一緒。だから黒麹の育て方や手を加える匙加減っていうのかな、いろいろやってみました。黒麹菌を振るうタイミングや量、菌をまいた後、麹を米のまわりに上手くまとわせるようにかき混ぜる加減など、泡盛造りで勉強したことをつかって、やっと今の黒あまざけの味になりました。適度な酸味をうまくひきだして、黒あまざけとしての味を完成させるのは、蔵人を続けてきたからできると思っています。黒麹菌は生き物ですから、毎日同じように扱えるわけじゃないんです。その日の気温なんかはもちろん、黒麹の癖や反応を、わかってる人間だから、どうすればいいか勘が働くんです。だから、近づけたい味へは、どうするのがいいか手を動かくすことができるんですね。」

 

忠孝酒造 あまざけ

あまざけシェイク いちご/豆乳や生クリームと好みのフルーツで撹拌するだけ。

 

甘さはすっきりさせ、栄養価には磨きをかけた。そう、クエン酸が加わったおかげだ。ますます豊富になった栄養は、あまざけをスーパーフードに押し上げる。

 

「昔から飲む点滴ともいわれるほど、栄養豊富なあまざけだけど、うちのは進化してますよ。もともと中身は脳の栄養になるブドウ糖、そして体をつくるアミノ酸が豊富なのはご存知ですか? さらに黒あまざけには疲れを回復するクエン酸がプラスされてますから、まさに栄養ドリンクそのものです。しかも、口に入れた瞬間から、脳や体にダイレクトに吸収できる形にになってる栄養成分は、体への即効性も高いんです。それにね、もともとあまざけには、酒粕からのものと麹からのあまざけとの2種類あるんですが、黒あまざけはもちろんノンアルコール。だから、お子さんにも安心して飲んでもらえます。もちろん大人もね。職場の冷蔵庫にも、黒あまざけが入っているけど、みんな作業に疲れたらゴクンと口にしていきます。腹持ちもいいし、効くんですよね。」

 

忠孝酒造 あまざけ

あまざけの豆乳割り

 

忠孝酒造 あまざけ

アイスキャンディー/冷凍庫で固めるだけ。

 

気軽な使い道は、意外と多くて、とっさに力を発揮する瞬発力があまざけにはある。コップ一杯の朝食は、忙しい朝の味方だ。

 

「この高い栄養価でしょ、だから時間がない日の朝ご飯にしてる社員、私も含めも多いんですよ。コップ一杯注ぐだけで、朝から元気に出社できるって、有り難いです。今ではあまざけに助けられることもある私ですが、以前は、社内であまざけを作るぞってなった開発時、『なんであまざけなんか』と思ってたんです。馴染みがなかったし。でも知れば知るほどあまざけの中身って、優秀だと思うんです。使い方も色々あって、ハチミツの替わりにグリーンスムージーにいれたり、そのまま凍らせてアイスキャンディーにしたり、お菓子作りに砂糖の役割でつかう人も多いですね。砂糖は入っていないけど、これも黒麹の働きで甘みが作られているんです。お米を噛み続けると、甘くなるのと一緒の仕組み。そうそう女性社員に人気なのはあまざけの豆乳割り。これが好きっていう声が本当に大きいですね」

 

どこか古臭いイメージがあったあまざけ。しかし、黒あまざけには、毎日でもラフに飲める手軽さと、高い栄養価がある。沖縄で受け継がれてきた黒麹が生きた黒あまざけは、蔵人の手と勘を通して現代にアレンジされた味。限られた材料で、一切の装飾がないからこそ、職人の技巧が詰め込まれた特別な逸品に仕上がっている。

 

文/松本都

 

忠孝酒造 あまざけ
くぅーすの杜 忠孝蔵
住所:沖縄県豊見城市字伊良波556-2
TEL:098-851-8813
FAX:098-851-8814
営業時間:9時~18時
休館日:年中無休
http://www.chuko-shop.com/?pid=73034556