「海燕社の小さな映画会」 2022年11月/November

作品 『YARN 人生を彩る糸』(監督:ウナ・ローレンツェン/2016年/76分/配給:ミッドシップ)アイスランド・ポーランド合作
日時 2022/11/19(土)
場所 沖縄県立博物館・美術館 講堂 (3F)
時間 17:30受付、17:45開場、18:15開始
料金 1,500円(完全予約制)
電話 098-850-8485(海燕社/カイエンシャ)

【世界的なクラフト・ブームの中で生まれた、編み物が生活に根ざしている北欧アイスランド発クラフト・アート・ドキュメンタリー】
ひとつひとつ丁寧に作られた手しごとへの回帰やクラフト・フェアの活況など昨今の世界的なクラフト・ブームの中、YARN(糸)を紡ぎ、編み、表現する4組のアーティストが、彩り豊かな糸に人生を見出したパワフルな姿を描いたクラフト・アート・ドキュメンタリーが、編み物が生活に根ざしている国・北欧アイスランドで誕生した。

「編むことは言葉であり、コミュニケーション」と全身ニット集団と街を闊歩するオレク、白い糸を人生のメタファーとして、超絶パフォーマンスを見せるサーカス・シルクール、ゲリラ的に街をニットで彩るヤーン・グラフィティでアイスランドから世界を旅するティナ、子供たちの想像力を刺激するカラフルなネットの遊具を世界中で作り続ける堀内紀子・・・アーティストたちの美しい手しごとやパフォーマンスは見る者を楽しませるだけでなく、編み物を手芸から「人とつながる」アートに昇華させようとする彼らの情熱と、信念を持って生きていく姿そのものが世界を彩り、私たちに生きる力を与えていく。

本作が長編デビューとなったのは、アニメーターとしても活躍するアイスランド人女性監督ウナ・ローレンツェン。女性たちが伝えてきた糸や編み物の文化を、オリジナルのアニメーションを混じえ、アーティストたちへのリスペクトを込めて丁寧に描いている。そして、各エピソードをゆるやかにつなぐのが、アメリカのベストセラー作家、バーバラ・キングソルヴァーの短編小説「始まるところ」。脚本を読んだ作家本人がナレーションにも参加し、詩的で心にじわりと沁み込んでくる珠玉の言葉が、羊や美しい自然の映像と共に、私たちを糸の世界へ誘っていく。