新都心、国際通り、首里と、那覇の主要エリア3カ所に囲まれる場所に位置する分譲マンションa.suo(アスオ)。
個性的なオーナーが営むこだわりのカフェや、からだに優しいヘルシー料理を出すレストランなど、魅力的な店にアクセスしやすい好立地だ。
季節限定のたんかんタルト。
糖度の高い沖縄県産たんかんと濃厚なチョコレートの少し意外な組みあわせは、予想をおいしく裏切ってくれる。
「沖縄は四季の移ろいを感じにくいので、県産フルーツを使ったケーキで季節感を演出したい」と言うオーナーパティシエの田島さん。東京で修業をつんでいた時も「いずれは沖縄に戻り、県産品を使ったケーキを作りたい」と考えていたと言う。
店名にもなるほどオーナーがこだわりをこめて作った「ショコラ」。
粉雪のように細かいパウダーでコーティングされたボディにフォークをいれると、空気をいっぱいに含んだムースの軽やかさに驚く。
口の中で一瞬で溶ける食感もまさに雪のよう。
そのなめらかさとは対照的に、味わいは濃厚だ。
食べ進めていくとやがて、甘酸っぱいフランボワーズと再度ご対面。
ジャム状ではなく、まるごと一個入った贅沢仕様。
さらにはザクッとした歯応えのクッキーも登場。
畳み掛けるように食感と味わいが次々と変化し、たった一個のケーキではありえないほどの満足感に包まれる。
小学生の頃、二歳年上の姉がクッキーを作るのを手伝うのが思いのほか楽しかったと田島さんは言う。
「自分は型で抜くだけなんですけどハマっちゃって。それがきっかけで中学生の頃には『自分がなりたいものはパティシエかな〜』と漠然と」
しかしパティシエのなり方がわからず、数学が好きだったこともあって商業系の高校に進学した。
「それでも気持ちが変わらなかったんですが、商業高校なので進路指導室にも調理学校のパンフレットなんてないんです。先生も『自分で調べなさい』と(笑)」
同級生のほとんどが事務系の職業を選ぶ中、田島さんは大阪の辻製菓専門学校に1日体験入学し、同校に進学した。
卒業後、沖縄と東京の店で約5年間修業をつみ、29歳で独立。
素材だけでなく、食感にもこだわったケーキ作りを心がけている。
「洋菓子じゃなくてフランス菓子を作りたいと思っています。日本はふんわり軽いショートケーキが人気ですが、フランスのケーキは目がつまってどっしりしている。当店のすべてのケーキがそうではありませんが、こういうケーキもあるんだと知って頂きたくて」
ショコラの店内にはカフェスペースがあり、緑豊かな首里の通りを眺めながら
濃厚な大人のケーキをゆっくり味わえる。
ドリンクメニューにも「名護コーヒー」に「山城紅茶」と県産品がそろい、
アイスコーヒーはウォータードリッパーで淹れるこだわりぶり。
「県産品だからというだけでなく、苦みが少なくて飲みやすい。商品そのものが魅力的なのでお客様にもご紹介したいんです」
沖縄の素材を活かしたいから、黒糖や紅芋は通年登場し、夏はパッションやマンゴー、春には実家になる梅をシロップ漬けにして焼き菓子に入れたりも。
「今気になる素材はアセロラ。新商品はどんどん作りたいと思っています。店名にも『ラボ』とついているくらいですから(笑)」
いずれも「1つでも大満足」の主役級。それは、食感や味わいでコントラストのうまれる素材を組み合わせているから。
ショコラのケーキには楽しい意外性と沖縄への想いが詰まっている。
写真・文 中井 雅代
デザート ラボ ショコラ
那覇市首里金城町4-71-8
TEL&FAX:098-885-4531
HP:http://www.chocolat2007.jp