素晴らしいの一言。
ハリウッドの女優陣の底力に圧倒されました。
オスカー受賞のオクタビア・スペンサーをはじめ、
この映画の女優すべてが、最高に素晴らしい演技をみせてくれるのです。
個人的にビオラ・デイビスの魂にふれるような演技が好きなんですが、
今作も力強さと心を揺さぶる演技、
そして繊細さも地味ではありますが、群を抜いています。
この作品、146分と実に長いです。
しかし、エンディングのメアリー・J. ブライジの歌う、” The Living Proof(リビング・プルーフ)”が終わるまで、一瞬たりとも退屈しません。
そんな昔のことではないのですが、
アメリカ南部ではひどい人種差別がありました。
今もいろいろあるんだけど、
この「HELP(ヘルプ)」といわれるメイドたちの話は、
本当につらく想像すらできないものです。
その現実を描きながらも、この映画には非常にユーモアがあふれていて、
見る人の心を輝かせ、また勇気を与えてくれる魅力があります。
誰も語らなかった現実を、ひとりの女性、ビオラ・デイビス演じるエイブリーンが重い口を開きます。
彼女の母はメイドで、
そのまた母はHouse slave(ハウススレーブ)だったと話し始めるんだけど、
House Slaveってすごい名称だよね。” 家の奴隷 ”。。。
どれだけの勇気をもって彼女が語り始めたのか、それは命がけである。
次に、友人のミニー、オクタビア・スペンサーがユーモアたっぷりに演じてます。
彼女はこの作品で各賞を総なめにしてますが、
彼女の演技でスクリーンが輝くのです。とにかく素敵です。
” Eat my Sh*t “というセリフは、しばらく語り継がれることでしょう(笑)
今回、同じくいろんな賞をとっているのがジェシカ・チャステイン。
かな~りチャーミングです。
今、勢いがとまらない女優のひとりです。
エマ・ストーンもそうですね。今やハリウッド若手女優ナンバーワン。
声がかっこいいんだよね。気負わない演技がいつもいい。
メイドの声をはじめて本にするという行動を起こした、スキーターを公演。
その母を、アリソン・ジャネイ。この人も最高にかっこいい。
この家の元メイドを演じているのがシシリー・タイソン。
久々にスクリーンで見ました。
黒人女優のパイオニアで、人権問題でもいろいろ活動している大女優です。
なるほど、の配役でした。本当に敬服します。
そして忘れてはいけないのが、
今やいやな女を演じたら右に出るものはいないと私が思っているブライス・ダラス・ハワード。
相変わらずのビッチぶり。
もういい人の役はできないのでは?と思うくらいハマってました。
実際の悲惨な出来事を描き、
現代を生きる私たちにそれを訴えるという強いメッセージ映画ではなく、
勇気をもって行動すること、もちろん同じ間違いを二度と繰り返さないこと。
一歩踏み出すこと、など、たくさんの愛と勇気を与えてくれる1本です。
感じ方は人それぞれ、
映画をみてそれぞれ感じることがあれば、
それが何かのひらめきになるのでは?と思います。
見てよかったと思える作品です。劇場で是非。
KEE
<ストーリー>
南部の上流階級に生まれた作家志望のスキーターは、当たり前のように黒人のメイドたちに囲まれて育ったが、大人になり白人社会に置かれたメイドたちの立場に疑問を抱きはじめる。真実を明らかにしようとメイドたちにインタビューを試みるスキーターだったが、誰もが口を閉ざすばかり。そんな中、ひとりのメイドがインタビューに応じたことから、社会全体を巻き込んだ大きな事態へと進展していく。
主演はエマ・ストーンとビオラ・デイビス。監督は「ウィンターズ・ボーン」などにも出演している俳優のテイト・テイラー。第84回アカデミー賞でオクタビア・スペンサーが助演女優賞を受賞した。
<キャスト>
エマ・ストーン
ジェシカ・チャステイン
ビオラ・デイビス
ブライス・ダラス・ハワード
アリソン・ジャネイ
オクタビア・スペンサー
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7
HP:http://www.startheaters.jp/mihama7plex