作 品 民族文化映像研究所2作品
『山に生きるまつり』(38分)『竹富島の種子取祭』(55分)
日 時 2018/8/18(土)
場 所 沖縄県立博物館・美術館 講堂 (3F)
時 間 17:30開場、18:00開始 (19:45終了)
※途中入退場はできません。
料 金 1,000円(要予約)
※先着順、定員に達し次第、締め切らせていただきます。
電 話 098-850-8485(海燕社/カイエンシャ)
『山に生きるまつり』1970年/38分/宮崎県西都市銀鏡(しろみ)
宮崎県の山村、銀鏡(しろみ)の銀鏡神社では、厳粛に霜月(旧暦11月)のまつりが行われる。そこで行われる33番の神楽は古風な山の文化を伝えており、1977年には国の重要無形民俗文化財に指定されている。
銀鏡のある米良(めら)山地地帯は、焼畑・狩猟を生活の基本としてきた。近年は12月12日から16日にかけて行われている、この霜月まつりにも、狩猟文化が色濃く反映している。まつりに先立って狩ったイノシシの首を神楽の場に安置し、その前で夜を徹して神楽を行うのである。
12月14日の朝、神社境内に設けられた神楽の場(神屋・こうや)に「おしめ」が立てられる。おしめは神の依代である。 その下には、荒御霊(あらみたま)であるイノシシ、和御霊(にぎみたま)である米、餅などが安置される。そして、各集落からお面様(神面・しんめん)を捧げた行列が集まる。お面様がそろわないと、まつりは始まらない。
夜に入ると神楽が始まり、翌日午前10時頃まで行われる。舞うのは祝人(ほうり)。草分けの家を中心にした旧家の人々で、世襲である。村の男女が歌を掛け合う神楽囃子は、古代の歌垣を思わせる。
神楽は三つの大きい構成要素をもっている。一つは神々の降臨を願う神楽。面をつけないで舞われる。二つ目は真夜中から夜明けにかけて行われる、神々の降臨の神楽。神楽をつけた神楽である。三つ目は、夜明け以降に行われるもの。ずり面とよばれるリアルな面をつけ、ユーモラスな所作で生命の誕生や作物の豊穣をあらわす。なかでも30番目のシシトギリの神楽は、古風な狩人の装束をつけた二神が、シシ狩の所作をする。「とぎる」とは足跡を追うという意味である。
このまつり最後の日、16日朝、銀鏡川の岩場を祭場としてシシバまつりが行われる。イノシシの左耳の肉片7切れを 串にさした七切れ肴を神に供え、その年に獲れた獣の霊を慰めるとともに、これから始まる狩りの豊饒を願うのである。
『竹富島の種子取祭』1980年/55分/竹富島民族芸能保存会委嘱/沖縄県八重山郡竹富町
沖縄県八重山諸島にある竹富島。旧暦9月あるいは10月の戊子(つちのえね)の日を中心にした10日間、タナドゥイ・種取祭が行われる。
まつりを前にした節の日。人々は軒にススキをさし、生活用具にシチカズラを巻く。この日は一年の始めの日とされ、司(つかさ・女の神人)がピーヌカン(火の神)やウタキ(御嶽)、水の神に祈る。
4日間の準備期間を終えた5日目。戊子の日。農耕の神を祀るユームチウタキ(世持御嶽)に司が祈る。浄めや魔除けのための水汲み、ススキ取り、シューヌハナトリ(潮汲み)、まつりの御馳走、イーヤチ作り。戸主は畑でアワの種を蒔き、よく実るようにと祈る。この日は種子取、つまり種播きの日である。
6日目、ンガソージ(精進の願い)。静かに身を慎む日。7日目、バルヒル(発芽)の願い。司と戸主たちがユームチウタキで作物の発芽を祈ったのち、ユークイ(世乞い)をする。歌い踊って作物の豊穣と家々の安泰を願って歩く。ユームチウタキの境内では「庭の芸能」、正面にしつらえた舞台では「舞台の芸能」が行われる。舞台の芸能の最初にはハザマホンジャーが「弥勒の世、麦の世、粟の世、米の世をお願いしたのは、私でございます」と述べ、続いてミルク(弥勒)が子供たちに囲まれて登場し、感謝の舞いが奉納される。芸能が終わると、再びユークイ。8日目、ムイムイ(立毛)の願い。発芽した作物が立派に育つよう祈る。9日目、ミルクを守っている人への感謝の行事。10日目、長老が物 忌みの盃を傾け、祭りは終わる。
海燕社の小さな映画会6月会フライヤー
http://www.kaiensha.jp/theater%20&%20gallery/Flyer_theater_180818.pdf
作品紹介『山に生きるまつり』
https://www.facebook.com/1589550734592252/videos/1648032042077454/
作品紹介『竹富島の種子取祭』
https://www.facebook.com/1589550734592252/videos/1762954443918546/