「海燕社の小さな映画会2018」4月

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西岡常一、明治41年奈良県生まれ。木のいのちを生かし千年の建物を構築する。戦争による幾度かの応召を挟み、法輪寺三重塔、薬師寺金堂・西塔の再建を棟梁として手がけ、飛鳥時代から受け継がれていた寺院建築の技術を後世に伝え、「最後の宮大工」と称せられる。平成7年没。
技術の伝承、とりわけ宮大工の奥儀は、言葉ではなく体で覚えるもの、技術は盗むものといわれ長い時間をかけ、厳しい修練の後にごく一握りの者だけが獲得できるものである。しかし、西岡は宮大工の経験と技術、研ぎ澄まされた感覚を若い人たちに最後の力を振り絞り、残された時間と戦いながらあえて言葉で伝えようとしていた。西岡が言葉に託したものは、技術の取得の領域をはるかに超え、我々日本人の失ったものに対する警鐘と回帰ではなかったのではないか。西岡の言葉である「飛鳥に帰れ」とは、永遠なるものへの思いにほかならない。
「千年の檜には千年のいのちがあります。建てるからには建物のいのちを第一に考えなければならんわけです。風雪に耐えて立つ―それが建築の本来の姿やないですか。木は大自然が育てたいのちです。千年も千五百年も山で生き続けてきた、そのいのちを建物に生かす。それがわたしら宮大工の務めです」と西岡は言う。木は鉄を凌駕する、速さと量だけを競う模倣だけの技術とは根本的に異なる日本人のいにしえの叡智、そして自然への洞察、千年先へいのちを繋いでゆくという途方もない時間へ執念が、所縁ある人々へのインタビューから浮かび上がってくる…。

 

作  品 『鬼に訊け ~宮大工 西岡常一の遺言~』(88分)

日  時 2018/4/21(土)

場  所 沖縄県立博物館・美術館 博物館講座室 (1F)

時  間 17:30開場、18:00開始 (19:45終了)
     ※途中入場はできません。

料  金 1,000円(要予約)
     ※先着順、定員に達し次第、締め切らせていただきます。

電  話 098-850-8485(海燕社/カイエンシャ)

 

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『鬼に訊け』予告編