オニヒトデ大量発生のメカニズムとその対策~これまでに分かったことから私たちに何ができるか考える~

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これまでに沖縄県では繰り返しオニヒトデが大量発生し、サンゴ礁にダメージを与えてきました。オニヒトデが大量発生するたびに地元の方々による駆除対策が行われてきましたが、オニヒトデが大量発生する原因については、これまで分かっていませんでした。
そのため、沖縄県では、根本的な対策を行うために、オニヒトデ大量発生のメカニズムを解明する調査研究を行ってきました。
この度開催するシンポジウムでは、研究に携わった研究者から今回わかったことを説明いただき、パネルディスカッションで来場者からの質問への回答をおりまぜながら、大量発生を防止するための対策について、これから何をしたらよいかを議論します。

 

【プログラム】
13:30 開場
14:00 開演 自然保護課挨拶
14:10 講演1~4
15:10 休憩(質問表回収)
15:20 講演5~8
16:20 休憩(質問表回収・座席移動)
16:35 パネルディスカッション(質疑応答含む)
17:25 終演

 

【講演・パネルディスカッション】
1.オニヒトデはなぜ大量発生するか? 岡地 賢(コーラルクエスト)
 概要:1960年代から沖縄をふくむ世界各地で大量発生を繰り返してきたオニヒトデ。これまでの研究により、現在もっとも有力とされている大量発生仮説を説明します。
2.オニヒトデ幼生はどこに向かうのか? 中村雅子(東海大学)
 概要:恩納村で産まれたオニヒトデの幼生は海流にのってどこへ運ばれてゆくのか。GPSを搭載したブイを恩納村のサンゴ礁から流し、その航跡から幼生のゆくえを考察します。
3.オニヒトデの大量発生はどうひろがってきたか 安田仁奈(宮崎大学)
 概要:大量発生したオニヒトデ集団が産み出す幼生は、時として別の場所へ海流で運ばれ、さらなる大量発生を引き起こします。このような現象が沖縄周辺だけでなく、九州や本州でも起きるようになった経緯と理由を解説します。
4.オニヒトデ幼生のゆくえから大量発生を予測できるか? 熊谷直喜(国立環境研究所)
 概要:過去十数年分の海流データを利用し、沖縄県各地や周辺諸国で産まれたオニヒトデがどの海域へどのくらいの確率で流されてゆくかをシミュレーションした結果を解説します。
5.沖縄の海の水質 金城孝一(沖縄県衛生環境研究所)
 概要:オニヒトデの大量発生が繰り返し起きている沖縄本島西海岸の海水には、幼生が成長し、生き残るために必要な餌が十分に含まれているのか、最近4年間の水質モニタリング結果から考察します。
6.オニヒトデがサンゴを食べるまで 岡地賢(コーラルクエスト)
 概要:海底に着いたばかりのオニヒトデ(稚ヒトデ)は、最初はサンゴモとよばれる海藻を食べ、6~7ヶ月目頃から徐々にサンゴを食べ始めます。もし、サンゴがなかったら稚ヒトデはどのような影響を受けるか、北谷町と恩納村とで成長率を比較して考察します。
7.稚ヒトデトラップ 北村誠(沖縄県環境科学センター)
 概要:オニヒトデの大量発生を予測する方法のひとつとして、直径数センチの稚ヒトデを捕まえるトラップ(罠)を開発しています。稚ヒトデを誘い込むための匂い物質の探索と、稚ヒトデが逃げられないトラップの構造について解説します。
8.宮古島の地下水保全について(仮題) 梶原健次(宮古島市)
9.オニヒトデの大量発生は防げるか?(パネルディスカッション)
 パネル:研究者2名(安田氏、金城氏)、検討委員3名(鹿熊氏、梶原氏、酒井教授)、自然保護課(金城課長)、岡地(司会)

 

開催日:11月5日(日)14:00~17:30
場所:沖縄県立博物館・美術館 博物館講座室

 

ウェブ https://www.okinawa-sango-info.com/sym/cots2017.html

 

問い合わせ先
沖縄県環境科学センター (アカミネ、トウマ)
Tel:098-875-5208
Email:メール cots@okikanka.info

 

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