滋賀県信楽町でスリップウェアという焼物を制作している山田氏40歳という若さでですが、国内ではすでに人気の高いスリップウェアの作り手です。
スリップウェアとは、器の表面をスリップと呼ばれる泥漿状の化粧土で装飾して焼き上げた陶器全般のことを指します。
古くから世界各地で作られておりましたが、特に17世紀から19世紀ごろの英国のスリップウェアが広く知られており、
その頃には日常に使うパイ皿やピッチャーなど素朴でおおらかな紋様が特徴なオーブンウェアとして幅広く使われてきました。
1913年に英国のスリップウェアについて書かれた本に触発され再現しようと試みたのがバーナード・リーチでした。
彼の友人であった濱田庄司と、のちに民藝の指導者となる柳宗悦もスリップウェアに夢中になり、すぐれた作品を日本に持ち込みました。日用の器だったスリップウェアの美が見出されたのは20世紀の日本だったのです。
沖縄の壺屋窯にも何度か来訪したことのある3人、沖縄のイッチン模様はその方々から伝わったともいわれております。
山田氏は18世紀にイギリスでスリップウェアが出来上がる過程において、当時の職人がどのような感覚で制作に向き合っていたのかということに興味を抱いております。
道具的な陶器の持つ形と素材の特性を生かした無理のない即興的な手の動きによる痕跡(模様)を重要な要素として解釈し
身近な材料と窯で作品の制作に取り組んでおります。
山田氏の作陶の世界を是非ご堪能ください。
日時:2021年5月1日(土)~9日(日)開催中無休
展示:那覇市立壺屋焼物博物館 10時~18時(3F展示室 入場無料)
〒902-0065 那覇市壺屋1-9-32
TEL098-862-3761
販売:craft house Sprout 10時~19時
〒902-0065 那覇市壺屋1-17-3 102号
TEL098-863-6646