はじめまして、 那覇市西町にあるごはん屋、ピパーチキッチンです。石垣島出身の夫婦2人で営んでいます。
店名にもつけた「ピパーチ」を生かした、島の食材の料理をお出ししています。日々心がけているのは、食材を多品目使うことと、幅広い層のお客さまにくつろいでいただける雰囲気作り。料理にこだわっていて、気兼ねなく誰でも来て頂けるようなお店、レストランと定食屋のちょうど間みたいなお店を目指しています。
2011年の12月にオープンして、お店を初めて丸2年がたちます。その前は大阪で夫は飲食店の店長として働き、私は洋服の型紙を作る仕事をしていました。
ある日2人で、いつか2人でお店をやりたいね。やるならなんて名前にする?そう話したのが「ピパーチキッチン」の始まりの始まりでした。「ルーツである石垣島のワードをいれたいねー」とか、「 パピプペポって可愛らしい響きだよねー」など他愛のない会話が進むうちに、「あ、ピパーチ!」夫が声をあげました。
昔から慣れ親しんだ大好きな香辛料でだったことと、響きも気に入って 一瞬のうちに「ピパーチキッチン」という名前だけが決まりました。名前が決まった半年後には沖縄に戻り、3ヶ月かけて友達や家族と一緒に内装工事をしてオープンに至るわけですが、場所が西町のはずれの1本裏通りということもあり「こんなところで本当にお客さんが来るの?」と最初はよく言われました。しかし今ではたくさんのお客さまに支えられ、私達のペースでゆっくりですが日々楽しく営業しています。
お店を始めて思ったのは「ピパーチ」が八重山諸島以外ではまだまだ浸透してないということ。「ピパーチって何?」とお客さまによく聞かれるし、すでに知っているお客さまにも「で、どう使うの?」という声をたびたびいただきます。
私達の地元石垣島では「八重山そば」には必ずと言っていいほど振りかけるし、お盆正月に作るジューシーには葉っぱを刻んで混ぜたりと、すごーく身近な存在。もっと多くの方にも身近に感じてもらえたらなーと思いから、「ピパーチ」に焦点をあてたレシピを紹介させてもらうことにしました。
ピパーチとは主に八重山に自生する島胡椒のことで、「ピーヤシー」「フィファーツ」など地域によって呼び方はさまざま。シナモンのように香り、唐辛子のように刺激的、後味がスっと抜けていくような独特な味・香りが特徴のコショウです。
ピパーチは石垣やブロック、建物の壁に這えるように生えていて、赤い実は島唐辛子のような形をしてます。葉っぱが生い茂っている中から、実を探すのは宝探しみたいでとても楽しいものです。
そして、使い方を覚えると、ハマること間違いなしの美味しさです。お肉・お魚・野菜、何にでも合う頼もしいスパイス、ピパーチをもっとみんなの食卓に!おうちで簡単に使えるピパーチレシピ。 どうぞお付き合い下さいませ。
【Vol.1】
仕上げにふるだけ。いつもと違った朝ごはん。「パンな日の朝」と「ゴハンな日の朝」
テーブルコショウのように、食べる直前に使うのがピパーチ使いの基本形。
優しい甘さとほのかな辛みでフレッシュな朝を迎えられること間違いナシ。
〜パンな日の朝〜
ハムエッグ&ターンムと豆乳のポタージュ
朝食の定番、ハムエッグ。 いつもは黒コショウで仕上げているのを、今日はピパーチに代えてみる。
一口頬張ると、ピパーチの甘く刺激的な香りが あなたをスッキリ目覚めさせてくれるはず。
ハムエッグ
・材料
ブロックハム・・・2枚(お好みの厚さでカット)
たまご・・・1ケ
トースト・・・1枚
ピパーチ・・・適量
パセリ・・・適量
・作り方
1、よく熱したフライパンに油をひいて、ハムを焼く
2、弱火で目玉焼きを作り、黄身をトロっと仕上げる
3、トーストの上にハムと目玉焼きをのせる
4、仕上げにピパーチをぱぱっとふって、 お好みでパセリをちらして出来上がり
・point
ハムを焼く時は、フライパンを少し煙が出るくらいまで熱し強火でサッと両面を焼き上げるとジュー シーに仕上がります。
目玉焼きは、弱火でフタをせずゆっくり加熱することが黄身をトロっとさせるポイント。
ターンムと豆乳のポタージュ
沖縄では正月や旧盆でよく食べられるターンム。実はこの食材、他にもいろいろアレンジできる優れもの。
特別な日だけじゃなく、日々の食卓にもっと登場して欲しいという想いからのこの1品。
バター、小麦粉を使わずターンムのでんぷんでとろみをつけるポタージュです。
・材料(4人前)
ターンム・・・中くらいの大きさ2ヶ
玉ねぎ・・・1/4ヶ(スライスにしておく)
チキンスープ・・・350cc
豆乳・・・350cc
塩・・・適量
ピパーチ・・・適量
サクナ・・・適量
・作り方
1、適当な大きさに切ったターンム、玉ねぎとチキンスープをお鍋で沸騰させて、アクをとり、10分程煮込む
2、1をミキサーにうつし、なめらかなるまで回す
3、お鍋に戻し、豆乳を加え分離しない程度(沸騰手前)に温め、塩で味を整える
4、とろみ具合をみて、濃いようなら豆乳を加え調整する
5、器にそそいで、仕上げにピパーチをぱぱっとふり、お好みでサクナを盛って出来上がり
・point
ミキサーにかけた後はとろみがついて焦げやすくなるので、注意しながら鍋底をそぐようにゆっくり混ぜる。
よりなめらかに仕上げたい時は、コシ器を使って裏漉しする。
~ごはんな日の朝~
グルクンのマース焼きとたっぷり野菜のお味噌汁
グルクンのマース焼き
グルクンといえば唐揚げが一般的ですが、朝食ではヘルシーなマース焼きがおすすめ。
ピパーチが淡白な白身の旨味を引き立ててくれます。
・材料
グルクン・・・1匹(下処理済み)
塩・・・適量
ピパーチ・・・適量
ハママーチ・・・適量
・作り方
1、グルクンの両面に隠し包丁を入れる (火が通りやすくなって、見た目がきれい)
2、焼く直前に両面に塩をふる
3、予熱した魚焼きグリルで両面、焼き色が付くまでこんがり焼く
4、ピパーチをぱぱっとふって出来上がり
5、お好みでハママーチ(琉球よもぎ)を添える
・point
ふっくら仕上げるには水分を逃がさないように短時間で焼き上げるのがポイント。
グリルをしっかり予熱して、焦げないくらいの強火で焼く。
たっぷり野菜のお味噌汁
沖縄の味噌汁はとにかく具沢山。 色々な素材から充分旨味が出るけれど、ここではさらに泡盛を加えてコクをプラス。そこにピパーチの香りが加われば八重山風お味噌汁の出来上がり。
・材料
鰹だし汁・・・300cc
泡盛・・・50cc
みそ・・・大さじ2
☆具材 冬瓜、しめじ、じゃが芋、クレソン、サクナ、島豆腐・・・適量
・作り方
1、泡盛を加えただし汁で、冬瓜などのお野菜を煮込む(根菜などの火が通りにくい野菜は小さ
めにカットすると時短になる)
2、具材に火が通ったら、一度火を止めてみそを加える
3、みそが均等にとけたところでもう一度火にかけ、クレソンなどの青菜をいれて一煮立ちして出来上がり
4、食べる直前にピパーチをふる
・point
みその風味を損なわないように最後の一煮立ちは、沸騰する直前「ふつっ」となったら火をとめる。具材は、冷蔵庫の余り野菜でOK!
今回は、「仕上げにぱぱっとふるだけで、いつもの料理がエキゾチックに早変わり!」の回でした。
次回はもうちょっと踏み込んだピパーチレシピをご紹介いたします。
☆2014年2月より定休日がかわります。
木・金曜日をお休みさせて頂きます。
よろしくお願いします。
ピパーチキッチン
那覇市西2-6-16
098-988-4743
open
火~土曜日 11:30~15:00 /18:00~21:00(L.O)
日曜日 11:00~14:30
close 月曜日
P 5台
ブログ:http://piparchikitchen.ti-da.net