平安後期に近江国から鋳物師を招いたことにはじまった
岩手県奥州市の鋳物と江戸時代に京都の釜師を招いて
茶の湯釜を作らせたことではじまった盛岡市の鋳物。
それぞれ900年、400年と伝統あるものづくりとして
「南部鉄器」は岩手県を中心に長くつくり続けられてきました。
実家や親戚の家で小さい頃から目にすることが多かった南部鉄器。
その黒々としてズッシリと重たい南部鉄器の存在感は大きくて、
「あのおばさんちにあった鉄瓶」とか
「あの秋田の親戚んちにあった囲炉裏鍋」とか
2、30年前の南部鉄器の記憶は今でも脳裏をかすめます。
こちらは、ゆるやかなカーブできれいに玉子が焼ける玉子焼き用のパン。
鉄は使いはじめに油をなじませたり、
洗剤を使用しないで洗ったりと他の金属にくらべて
少しだけ世話が焼けますが、これがなかなかどうしての優れツール。
鉄の「熱さが均一にまわる」ことや「なかなか冷めない」こと、
また「焦げがつきにくい」などなど鉄ならではの性質が
うれしい結果をもたらしてくれたりします。
熱が均一にまわるからサックリのホットサンドもカンタン。
また、自然なカタチで鉄分が補給できるのも
南部鉄器ならでは。
現代人は慢性鉄不足、なんて言われていますし
毎日の料理やお茶で気軽に鉄分が摂取できるのは
女性にとってもうれしいですよね。
さらには、鉄瓶で沸かしたお湯は、水道水のカルキも抜け
まろやかでおいしいお茶を淹れることができます。
(茶道の先生はミネラルウォーターよりも
おいしくお茶が淹れられるということで
水道水を鉄瓶で沸かせたものを使用するそうです。)
*こちらの急須の中はホーロー加工されています(直火不可)。
重くて手間がかかる子、「南部鉄器」。
でも長きにわたって愛用されつづけているのには理由があります。
手間をかけて育てていく、
そして上手に使って自分のオリジナルアイテムにしていく。
日本のよきものづくりはそれを大事に使う人がいるからこそ
ずっと長く残っていくのだなあ、
と、[そ]店主はしみじみ思っています。(マジメ)
今日のおやつ、「文明堂の桜のどら焼き」。(←本文と関係ナシ)
写真・文 タナベユウヘイ(雑貨屋[そ]店主)
雑貨屋[そ]sso
住所: 沖縄県宜野湾市大謝名1-24-18
TEL:098-898-4689
OPEN: 12:30-19:30 (CLOSE/Wed & Thu)[臨休あり]
HP:http://sso-design.jp/zakka.html
ブログ:http://sso.ti-da.net