shimashima’s smile kitchen(スマイルキッチン)人気ブログ発 野菜ソムリエの自宅料理教室




日程が決まってブログで告知をすると、あっという間に定員に達する人気の料理教室がある。
主催者は野菜ソムリエの資格を持つ大城しま子さん。
場所は自宅のキッチンだ。



最初にチーズケーキを仕込む


教室を始める前は、友達と定期的に自宅で料理を楽しんでいた。
それをブログに掲載したところ
「自分も参加したい」
というメールが多数届くようになった。

自宅で料理教室を開くのが夢だったが、
「実現させるのは定年してからかな、と思っていました。
思いがけないタイミングで夢がかないました。」



はし袋も手づくりすると楽しい。

酢を混ぜいれ、鍋で炊く。つややかに炊きあがった酢飯に甘酢しょうがを混ぜる

糸を巻かなくてもおいしくできるローストビーフ。フライパンで焼いてからオーブンへ


長女なので小学校くらいから料理を手伝わされていたが、
特に料理が好きなわけではなかったという。
結婚して毎日作るようになってから、
「自分は料理が好きなんだ」
と実感、
安谷屋純一氏主宰のエスカル・クッキングスタジオに通い始めた。


「習い始めるとすごく面白くて。
安谷屋先生がとっても素敵なんです、食に対する想いも私と似ていたし。
私、食卓が大好きなんです。
おいしいものを食べたらみんな笑うじゃないですか?
子どもも、元気がなくてもおいしいものを食べたら
『また明日から元気に学校行こう』
って思えるから、そういうのが好きで。
料理自体よりもそのことを伝えたくて、教室を開いたと言えるかもしれません。」



おせちならではの飾り切りの特訓も

色合いが可愛い大根と菊のハニーレモン。紅白なますの変わり種

テーブルセッティングが学べるのも、スマイルキッチンならでは


食卓には必ず花を添えて


ブログ読者なら「食卓が好き」という大城さんの発言はすぐに納得できるはずだ。
大城さんのブログには毎日の食卓の様子がつづられているが
毎日多忙をきわめているに違いないのに、
いつも栄養のバランスがしっかり考えられた、彩りの良い、
そして何より、それはそれはおいしそうなメニューが並んでいるからだ。


「家族に『今日のご飯なに?』ってきかれるのが一番好きなんです。
それほど私のご飯を楽しみにしてくれてるってことでしょう?
よ〜し、じゃあ今日は何を作ってあげようかな?
って、すごくやる気になるんです。」


毎日の献立に頭を痛めている身としては、驚きの発想。



レンコンの梅肉煮。冷蔵庫で日持ちするのもありがたい一品


沸騰はだしをとるときのタブーとされるが、ぐつぐつ沸騰させることでおいしくとれる秘伝の方法でとっただしで作るお雑煮。

腰が曲がるまで、と、長寿を願って入れる海老。均等に湾曲するようにつまようじを差す。この一手間で仕上がりがぐっと違ってくる。

ぶりの照り焼き


「私が通っていたエスカル・クッキングスタジオでは
『食卓こそは幸福の舞台』
という理念を掲げていて。
まさにその通りだなって思うんです。
問題を抱えた子も、おいしいものを食べると正常に戻るらしくて。」


料理は美味しく、見た目も美しく作れれば、もちろん素晴らしい。
でも、大城さんが最も大事にしているのはその部分ではない。
味覚や視覚にうったえる部分だけではなく、きっと、
美味しいごはんを家族で楽しく食べることで生まれる雰囲気、豊かな時間の流れ。
心に作用し、記憶に残り、ふとした時に自分を支えてもくれる、
優しく穏やかな時間と空間を、何よりも大切にしているのではないか。



ローストビーフを薄くスライスし、


一口大に握ったお寿司の上に載せ、さらにつぶつぶマスタードでアクセントを

カジュアルだけれど品がある、プレートおせちのできあがり。



大城さんのそんな姿勢は、料理教室にも反映されている。


手順を間違っても、上手に切れなくても、大城さんが生徒を注意することはない。


「全然大丈夫ですよ」
「失敗しても良いんです、練習ですからどんどんやってみてください」


大城さんの食卓や人柄に憧れるのだろう、生徒は県内各地から集まる。


「この間は離島から参加してくださった方もいらして。
すごく嬉しかったですね。」


ブログを見て申し込む人がほとんどだが、


「一度参加するとそれからはずっと、って人が多いんじゃないでしょうか。」
と、生徒さん。


みな、shimashimaスタイルに魅了されるのだ。



黒豆入り抹茶チーズケーキ。9等分にして、

金ぱくを載せるとぐっと高級感と季節感が増す


大城さんのように、365日、いつも素敵な食卓を家族と楽しむのは、やっぱり自分にはムリ?


「そんなことありません。
ランチョンマットと箸置きを使うだけでも全然違うんですよ、
是非やってみてください、ぐっと食卓が素敵になりますから。」


人気ブロガーの野菜ソムリエは、温かい笑顔が素敵な、飾らない女性。
自分のペースで気負わず楽しんでと、
背中を押してもらったような気持ちになった。

写真・文 中井 雅代

 

shimashima’s smile kitchen
開催はブログにて告知
blog:http://beji.ti-da.net/