呼吸するジュエリー

 

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1920’s French glass, Ceylon Moon Stone, Vintage Czech glass, Crystal, Green tourmaline, Silk thread

 

 

Turtle Forest のジュエリー

 

なんというバランスなのだろう。
サルオガセモドキやエアープランツの様な。たわわに実った果物の様な。
あ。妖精・・・?
今にも動き出しそうな不思議なジュエリー。

 

Turtle Forest との出逢いは、3年前の秋、オーナー田原がニューヨークに渡りいくつかの作品を抱えてShoka: へ持ち帰った時だった。
初めて見る儚げなうつくしさに魅了された事をはっきり覚えている。

 

 

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あれから3年。不定期に届くジュエリーは、どれも命が吹きこまれた様な有機的な美しさを持つものばかりだった。
今回も11月末からの贈り物展に合わせて、個性豊かなジュエリーたちをShoka:へ届けてもらった。

 

 

“Roots” というシリーズより。
天然の形のままのパールや、天然石、クリスタルが絶妙に混ざり合っている。

 

 

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これはペンダントヘッドで、紐が自由に取り外しできるので、彼女にはアンティークの熊のピンと合わせてブローチにして着用してもらった。humoresque のニットベストと合わせるとまたかわいい。

 

揺れると乳白色の淡い光が目に飛び込んでくる。これはセイロンムーンストーンという天然石。

 

Turtle Forest の作るジュエリーはひとつひとつに息吹が吹き込まれている気がする。
今にも動き出しそうな気配が漂っていて、生きていて静かに呼吸しているよう。。

 

 

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Latvia Brooch(cicafu)に合わせて布どめに。

 

 

ベビーピンクのグラスビーズの連なりがシッポの様に伸びていてなんとも可愛い。
ベビーピンクの粒達はアンティークのビーズ。もう100年ほど前のものだ。
粒をよく見ると、カッティングがいびつでビーズの大きさもまばらだ。
色も微妙に濃淡が分かれていて優しい輝きを放っている。
シルクの糸で辿ったグラスビーズの軌跡

 

一粒、ふた粒、と通してランダムな間隔に結ぶ、そうすることでしなやかに揺れるのだろう。

 

 

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Swarovski Crystal, Base Metal, Sterling Silver, Cotton Cord.

 

 

Turtle Forest の作品はいくつかのシリーズに分かれている。
こちらは“ Sparkles” というシリーズ。

 

コンセプトは、宇宙を漂って来た彗星のかけらだそう。

 

 

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ああ、ほんとだ、ほうき星だ。

 

細かいキューブや粒の集合体。
私もアクセサリーを作るのが好きなタイプだったので、先ほどのもこちらのジュエリーも、気の遠くなるような作業が背景にある気がして、見れば見るほどため息がこぼれるのだ。
シルバーにもアンティーク加工を施している。

 

アンティークビーズ、グラスビーズとは一味違ったスワロフスキークリスタルの魅力。
このクリスタルは、通常のクリスタル・ガラスに比べ酸化鉛が最低32%と多くなっている。そのため、通常のクリスタル(透明)カット製品でも、光の反射加減により虹色に見えることがある。

 

この輝きとフォルムは Turtle Forest でしか出せない世界観なのではないかとさえ思う。

 

スワロフスキークリスタルが煌々と輝いているのだが、きっと雨の日部屋の中で静かにコーヒーを飲みながら眺めると、しっとり鈍く輝いて、別の表情を見せてくれるのだと思う。その中に時折見え隠れする虹はきっと美しいだろう。

 

 

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星や植物、海の生き物などいろいろな表情を見せてくれる作品たち。
心に広大な自然が深く根付いている方だから、こんな有機的な作品が表現出来るのではないかと想いを巡らせる。。

 

Turtle Forest の作者の比嘉要さんはニューヨークで暮らしている。
今日も腰掛けに掛けて黙々とビーズに細い針を通し製作しているのだろうか。

 

 

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Vintage Glass, Tourmaline, Gold Filled chain

 

 

小花の様に、控えめな印象のシリーズ “juliette apartment ”
使われているのは、同じくヴィンテージやアンティークのグラスビーズや天然石。

 

今まで紹介して来たシリーズと少し印象が違うのは、 シリーズ名からも感じる事が出来る。
“juliette apartment ”
NYアムステルダム街に実際にあったレンガ造りの古びたアパートの名前から、そう名付けられた。
建物の名前というのが、妙に現実的で日常に寄り添う感覚がある。

 

アパートそれぞれの部屋に個性がある様に、気分次第で自由に作っているそう。

 

 

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Vintage Czech Glass, Fresh Water Pearl, Crystal, Silk, Sterling Silver

 

 

ヴィンテージグラスビーズは決して手に入りやすいものではない。
アンティークのものなんてそれ以上にだ。

 

彼は昔、ジュエリーアーティストになる前、14年間貴重なビーズを取り扱うビーズ屋さんに勤めていた。
そこで集めていった宝物たちを大事にたいせつにまた、新しい作品へと還元している。

 

 

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Tourmaline, Base Metal, Sterling Silver – – – Chalcedony, Sterling Silver

 

 

トルマリンの色合いが妖艶でとても綺麗。
ピアスは、ピアス自体のデザインだけでなく持つ雰囲気にマッチするかとか耳の形や、穴の位置など複合的な要素で似合うものが決まってくるような気がする。
ピアスたちはぴったり似合う人を静かに待っているのだろう。

 

 

右側のカルセドニーのピアスをつけさてもらった。

 

 

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水滴のようなカルセドニーの粒たち。
揺れるたびに朝露のようにみずみずしく輝いてくれる。

 

 

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Vintage Glass, Labradorite, Crystal, Sterling Silver – – – Kyanite, Vintage Glass, Gold Filled

 

 

なんだか似ているけど少しずつ違っている、実のようなネックレスたち。

 

通りからアパートのベランダを見たら、整然と並んでいて同じような雰囲気に見えても、ベランダを通して見るそれぞれの部屋は、ちょっとずつ変化があって個性がある。

 

 

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“juliette apartment ” シリーズは日常にスッと入って、寄り添っていてくれる感じがしてとても好き。
私には “juliette apartment ” の中に、今はしまい込んでしまったほんのり甘酸っぱい懐かしい気持ちのようなものも込められている感じがして・・・。

 

数年前に買ったピアスも今では、もうすっかりわたしに馴染んでいる。
Gold Filledは金メッキよりはるかに厚い層でコーティングされているので、毎日のようにつけているが剥がれていない。風合いが18Kとは一味違う鈍い輝きに育ったそのピアスのおかげで、Gold Filledの良さを噛み締めているところである。

 

実は、このピアスは一度落としてしまって途方に暮れてたけれど、ちゃんと手元に戻って来てくれた。
私の不注意で繊細なガラスは割れてしまったのだが、ちょこっと手を入れたら、それでまた愛着が増して、それ以来二度と離れていくことはない。

 

そしてわたしは、今年自分へ贈る贈り物として選んだのは、“juliette apartment ” のピアスとブレスレット。
静かに輝くタイプのものに決めた。来年はどういうのにしようかな、と早くも重ね付けを企んでいる。

 

 

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こちらと扉の写真のフサフサのジュエリーは“Roots” というシリーズ。
このシリーズは、Turtle Forest の存在の根っこなのかもしれない。
「“Roots”は、未来へと受け継がれる過去の記憶。過去へと旅する未来の記憶ー。」
前にこう語っていたのを思い出す。

 

彼の作品は時間軸を超えて輝き続ける気がする。
実は今回紹介したシリーズのほかにも、ラインがある。
その作品も機会を見つけて見てみたいと強く思っている。

 

人の持つ顔というのは決して一面だけではない。
複数の面が見えることで、その人の奥行きを感じ取っていくのかもしれない。

 

彼の表現の振り子が幅広いので、わたしは見事に惹きつけられてしまうのだろう。

 

Turtle Forest という名前、カメのモリ。
深い森に棲む亀。静かな息遣いが聞こえてくる。

 

 

ひとつとして同じものは無く、お守りのような存在 Turtle Forest 。

 

 

ここでは紹介しきれないほど、たくさんの魅力的な作品がShoka: へ届いているのです。
12月24日までの期間限定で扱うものも多いので、ぜひお時間を作って見て頂きたいです。

 

 

彼はジュエリーの世界と、細いペンで描く絵の世界と両方の創作活動をしながらニューヨークで
暮らしている。
この絵を見たら、生み出されるジュエリーに納得がいくでしょう。
絵の作品はこちら

 

 

 

今年もcalend okinawaのたくさんの記事を読んで頂きありがとうございました。
来年は1月3日より初商いとなります。

 

 

また、来年もドキドキワクワクすることをご紹介していきたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

写真・文  金城 由桂

 

 

 

 

 

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