写真 田原 あゆみ 文 佐野 綾子
Shoka:へ初めて遊びに行った日、
それはそれはゆっくりと買い物をさせていただいた。
ちょうどお客様が少なくなったタイミングだったので、あゆみさんから
「よかったらコーヒを淹れるから飲んでいかない?」
と、声をかけていただいた。
由桂ちゃんがガリガリとコーヒー豆を挽いて、この時間を楽しむためにじっくり丁寧にコーヒーを淹れてくれた。
私は二人が何気なくいつものようにコーヒーを淹れ、楽しそうにおやつをチョイスするその様子にとても驚いた。
そしてドキドキした。
「何て あたたかいお店なんだろう、、、」
みんなで香りの良いコーヒーをフーッと飲んで、以前からの仲間のように会話をする。
日々の暮らしを大切にするということは、こういうことなんだな、と、改めて感じた。
写真 佐野 綾子
Shoka:ではいそがしい仕事の合間にお客様や、スタッフのみんなでよくコーヒーやお茶をいただく。
その時に活躍するのが、縁のある作家さんたちの作ったうつわたち。
その中でも、毎日のお茶の時間に欠かせない木漆工とけしの器は、日々の暮らしの中にすっと溶け込む。
手に触れるとそのやさしい肌触り、そして手に取った時の軽さに誰もが驚いてしまう。
木でかたちを作り上げる木地師の渡慶次弘幸さんと、漆で色と質感を表現する塗師の渡慶次愛さんのご夫婦でものづくりをされている。
木漆工とけしの器はハレの日の豪華なものだけでなく日常にたくさん使えるようにと艶をおさえてなめらかな上塗りで仕上げられていて、お茶菓子や食材を盛りつけた時の美しさには毎回心が持っていかれてしまう。
しばし、見惚れる。
また、漆の器は使い込むことで豊かな深い艶が出てくるのだ。
Shoka:で参考にと置いている、渡慶次家で二年使い込んだ白漆の器。
このつやつやと独特な美しさを放つ器を見ているとなんだかとっても愛着が湧いてしまう。
私も木漆工とけしの器を沖縄の暮らしの中で使っていきたい。
年月が加わるごとに変化していくその様子は、これからの自分を全力で応援してくれるようなそんな存在に感じる。
そんなShoka:で働く時間の中で、出会う「暮らしを楽しむものとこと」。
お洋服も、作り手の背景が見えるようなものばかり。
最近は季節の変わり目ということもあって、秋物の素材がたくさん入荷しています。
その中でもジャストで着れて、楽しめそうなものを由桂ちゃんに着てもらいました。
ミナ ペルホネン ランドリーのカットソーは薄手のコットンがやさしく肌になじむ。
フロントとバックには控えめな choucho の刺繍。
形は二種類。
ARTS&SCIENCEからは、秋を感じさせるコサージュやレザーポーチが届きました。
それぞれが出番を心待ちにしてる様子。
秋やその次の季節が恋しいのは、ヒトだけじゃないんだ。
宮崎で生活してきた九年間、色々な人との出会いを経て沖縄へ来た。
沖縄で生活することは私にとって必然だったのかもしれない。
あゆみさんは私に「あやちゃんは直感派じゃない?直感をお客様にお伝えすればいいよ」と、言ってくれた。
そう、私は直感派。どこまでも直感で進んでいける。
あの日買い物に行ったときも、何となく今日Shoka:へ行きたいと思って、途中まで母に送ってもらって歩いて行った。
まさか求人がその日に出たことも知らずに。
その日から一週間後にはそこで働き始めることになるとは思ってもみなかった。
翌日あゆみさんからの「一緒にお仕事してみませんか?」の電話でのお誘いに、興奮と好奇心がフツフツ湧き出る頭の中を、なんとか冷静に保ちながら「Yes」の返事。
よしよし、私の直感、でかしたぞ。
Shoka:の空気を胸いっぱいに吸って、
あゆみさんの鼻歌と、由桂ちゃんの笑顔に包まれて私はコーヒー豆をガリガリ、、、
「今日はどんなお客様と会えるかしら?」と思いながら楽しくて、嬉しくて、ついつい顔がほころんでしまう日々です。
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次回企画展
10月4日(金)~13日(日)
「Gabbeh 展」
日本に初めてガベを持ってきた小野善平さんが選んだ、
手のぬくもりを感じるガベたちがShoka:へやって来ます。
日常に居ながらにして旅の気分を味わえるガベの豊かさに
是非触れてみてください。
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暮らしを楽しむものとこと
Shoka:
沖縄市比屋根6-13-6
098-932-0791