9月に入り、夜は少し過ごしやすくなってきましたね。
少し前のうちのブログにも書いたんですが、以前から作ろうと思い、なかなか作らなかったアイテム。
それがこのバスクシャツです。
バスクシャツの王道セントジェームスが好きで、以前は真夏以外を除いたほとんどの日に着てました。
近所のおばさんから“あんたは他に服ないのかい?”と、聞かれたほどのハマりっぷり。
僕は気に入ったものをずっと着続けるタイプです。
しかし沖縄に来てから気候的にあまり着る機会がなく。
だからこそ沖縄の気候に合うバスクシャツを作りたくなったんです。
僕が考えるバスクシャツの良さは
◯シンプルで何にでも合わせやすいデザイン
◯ふだん着として着れる手軽さ
◯タフでガシッとした着心地
といったカンジでしょうか。
今回、自分なりに考えに考え、沖縄で長い期間着たいバスクシャツを作りました。
着回しを考えると袖丈は七分袖がベストです。
あと一般的にバスクシャツのイメージはボーダーだと思いますが、悩みに悩み、シンプルなシルエットを更にシンプルに見せる白にしました。
色展開は白1色のみ。
ネームタグも極力目立ちすぎないように白。
唯一のデザインと言える左肩のステッチ。
これはセントジェームスへのオマージュ。
徹底して白にこだわります。
生地は16番糸を2本撚り合わせた双糸で、斜行しにくく洗濯を繰り返しても型くずれしにくいんです。
そもそも漁師の労働着なんだからタフじゃないとね。
これぞバスクシャツの生地感。
白は汚れるからと敬遠する人もいますが、僕は汚れるのが白の宿命だと思ってます。
汚れない服なんてないんです。
他の色はただ汚れが目立たないだけで、実は汚れてるんですから。
私は長く着れる服が好きです。
手荒く扱っても大丈夫な服。
うちのお店はビンテージの服も扱ってますが、汚れやすい白シャツも長く着ると、それはそれで何とも言えない味わいがあります。
全体的に黄ばんだり、襟がすり切れていたり、袖口もすり切れ汚れていたり。
でも、それは着た人の個性が服に投影され、長く着ることによって新品にはない味が生まれるんだと。
大事に着てたかも重要です。
こないだチャップリンのキッドという映画を久々に観て思いました。
着てる服は白黒映像ながらも汚なさそうに見え、風呂も入ってる形跡なし。
ボロボロで汚れた服も毎日同じ物を着ているようで、でもそんな服に興味をそそりました。
ジョニーデップのシークレットウィンドウという映画で、小説家を演じるジョニデがこれまた汚く破れたガウンを羽織ってるのですが、愛着があるのか、それとも服に無頓着なのか、もしくはただ単にお金がないのかと、勝手に想像を膨らまして観てました。
この映画を観たあとジョニデが着てたガウンが気になり、連日ガウンを探しまくりました。
結局、同じようなガウンは見つからず断念しましたが。
うちは白い服ばかり扱っていて、汚れを気にする方は買う物がないかもしれません。
白を着るということは清らかさを纏い、汚さないようにとアタマのどこかで気をつける意識が働くので、シャンとした気持ちになるんじゃないかと僕は思います。
形あるものはいつか壊れると言うように、白はいつかは汚れます。
それでも着たい服の一員にうちの服がなってくれたら、こんな嬉しいことはありませんね。
それではまた次回。
写真・文 竹本賢一(オールドマーク)
Old Mark(オールドマーク)
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