いつも誰かしら「合わない」人がいる職場、
相手のイヤなところについ目がいっちゃう夫婦関係・・・
彼女たちのように心穏やかに生きるには、一体どうしたら良いの?
・座談会メンバーとデータ
百合子:30代前半。スピリチュアルな自身の能力を活かし、悩める人々を導くお手伝いをしている。
敏恵:30代後半。スピリチュアル関連の仕事はしていないものの、若いときから興味を持ち、様々な方面の本を読破。豊富な経験と知識に信頼を寄せる人も多い。
妙子:30代前半。スピリチュアル初心者、心穏やかに生きる術を模索中。
– – -器の大きい人は、何事も人のせいにしない人
百合子:敏恵は、良いことも悪いことも包みこむ器の大きさがあるよね。
敏恵:そう?あはは、ありがとう(笑)
妙子:どうやったらそういう風になれるのかな?
百合子:多分、何事も人のせいにしてこなかった人がそうなるんじゃないかな。
問題は自分の中から生まれてきてるんだって思って、ちゃんとその問題に向き合えてきてる人がそうなるんだと思う。
妙子:何事も人のせいにしない、というと?
百合子:例えば、「私は悪くないのに・・・」って思っちゃったり・・・
あ、悪くないこともあるよ、もちろん。
ただ、自分が向き合わなきゃいけない問題なのに周りのせいにして逃げてきた人は、敏恵みたいな器の大きさには到達できないんじゃないかな。
ちゃんと向き合ってきた人は、良いも悪いもひっくるめられるようになる。
器がどんどん大きくなっていく感じかな。
妙子:それは赦しとは違うの?
百合子:器が大きくなっていくことで赦していけるようになるんじゃないかな、どんどん。
やっぱり自分の心を「観る」ことって、とっても怖いと思うわけ。
私ももちろん怖いし、怖かったし。
だからね、敏恵みたいな人は10代とか20代に沢山葛藤を経験した人が多い気がする。
敏恵:確かに大変だったよ〜昔は特に!
– – -周りや環境を嘆いてばかりいる人には笑顔が少ない
百合子:やっぱり(笑)
私ね、「傷付いたことが無いかの如く笑え」っていう言葉が大好きだわけ。
本当に良い笑顔の人って、実は色んな大変なことを経験した上での笑顔だわけ。
逆に何不自由なく過ごして来た人の笑顔は平面的というか奥深さがないというか。
他の人にまで伝染するような笑顔は、色んな経験を積んで得られる笑顔だわけ。
妙子:あ、それはすごくよくわかる。周りの人見ていてもそうだな。
かなり壮絶な経験してきたのに、いつもニコニコしている人っている。尊敬する。
百合子:そうそう。
逆に、辛いことがあったり疲れたりしてて、それがまんま顔に出てて「ヘロ〜」ってなってる人にはみんな相談もしないし憧れもしないさ?
辛いこともあるし大変だけど笑っていようっていう努力とか、人に何か元気を与えたいとか、そういう想いが大切なのかもしれないね。
妙子:そうだね、周りや環境に嘆いてばかりいる人は笑顔が少ない気がする。
敏恵も百合子も、自分を見つめる「内観」が大事って言うよね。
敏恵:うん、それしかない。
– – -相手のせいにしているうちは、何も解決しない
百合子:自分以外の登場人物はどんどん変わっていくわけ。
でも自分は変えられないさ?
だから、相手のせいにしてたら必ずまた同じ問題が起こるわけ、人を変えて。
妙子:え!そうなんだ!
百合子:うん、そうだよ。それって同じことの繰り返しで難儀だし不毛だから、それを早く終わらせて、次の問題を解いた方が、なんか「楽しい」って思うから。
だから、「周りが悪い」とか「状況が悪い」とか「人が悪い」とかって・・・
あ、思うときもあるよ、もちろん。でもそれは客観的な目を持っていることが前提ね。
妙子:客観的な目を持っていなかったら、悪いのが周りなのか自分なのかの判断はつけられないということ?
百合子:そう。目の前の問題をひとつひとつ解決していった人はわかっていくようになるけど、最初の時はまだわからんさーね。
そこでずっと人のせいにしていたら、その人の人生は
「自分は悪くないのになんか周りがこうなんだよな」
って不満を抱えたままの人生を歩み続けることになる・・・んじゃないのかな〜と思う。
妙子:そうか・・・周りのせいにしていたら、問題も解決しないし、自分も次のステップにすすめないんだ・・・
百合子:そう思うよ。私の親もずっとそう言ってたわけ。
「自分に問題があるんだよ、怖くてもそれを観なさい」
って。だからその影響もあるかもしれない。
– – -自分のことがわからないと、毎日が混乱
敏恵:本当に、「自分」しかないと思う。
だって、外に見えることは取るに足らないさ。自分の中にしか大きい世界はないし、自分を知ることでしか外の世界を判断することはできない。
自分がどんな人間なのかをちゃんと知っていなければ、例えば今飲んでいるものがお茶なのかコーヒーなのかも多分わからないんじゃないかなと思う。
妙子:・・・というと、具体的にどういう意味?
敏恵:それくらいめちゃくちゃ大きなギャップが生まれるということ。
このひとが見てる飲み物と、あの人が見てる飲み物で変わってくる、世界が違って見える。
だってさ、自分のことがわからなければ、自分の中の「家」はとっても乱雑になると思うわけ。
それは「どれがベストかわからない」ってことさ?
100個コップがあって、どれが1番好きなのかがわからなければ、多分100個持っとくと思うわけ。
「これはこの部分が素敵だし、あれは手触りが良いし・・・」
って、絶対一個に決められない。
そしたらその人の世界は混乱でしかないさ?
だから誰に会っても、「この人は自分と合う人か否か」もわからない。毎日混乱に陥る。その方法では絶対に、悟りとか救済には向かないと思うわけ。
– – -自動操縦装置で動いていたら、自分のことはわからない
妙子:自分が一番好きなコップはどれなのか、どうしたら判るようになるの?
敏恵:「なんか知らんけど、いつもこのコップを取ってるな」
と気付くようになるとか。それを選ぶには必ず理由があるわけよ。それをとことん考える。その作業って孤独さ? しかも人は朝から晩まで常に選択してるさ? ほんとにず〜〜〜っと選択してるわけよ、常に、なんでも。ずっと選択を迫られてるわけさ。
で、普通の人は無意識に選んでいるわけ。
でも、無意識のままだったら絶対に自分のことはわからない。
妙子:じゃあ、敏恵は常に意識しながら選択しているの?
敏恵:そうだよ。
その為には、もう一人の自分が選択している自分を観察してないといけない。
「はい、比嘉敏恵、何時何分、わざわざそれを取るか、何故だ?!」
みたいな感じで自分に問答してるわけ、ずっと(笑)。
「このコップは舐めたときの感触が良いから」
とか、選択した理由をずっと考えるわけ、ひとつひとつ、いちいち。
だからまあ、オタクみたいなもんだよね。
妙子:オタク?自分オタクっていうこと?
敏恵:そうだね。「コップの底のざらざらが好き」とか「曲がり具合が完璧!」とか、
全ての選択をそんな風に突き詰めていくと自然と迷わなくなる。
それは人と話してるときもそう。ずっと「言いたいことをちゃんと言ってるのか」と自分のことを監視する。
自動操縦装置で動かないことが大事だわけ。
でも、こんなオタクってそんないないさ? やってることが細かすぎて。
妙子:確かに。。いちいち自分の行動を分析しながら生活するって、ちょっと想像できないかも。
敏恵:でしょ?起きてからずっとやってるわけだから。
でもね、毎日やってるとどんどん慣れてくるよ。そしたら直感がはたらくようになる。
妙子:直感?
敏恵:うん。自分探しの作業を続けていたら、どんどん世界がシンプルになるから、直感がはたらいて迷わなくなる。
「こっちが好き」って、好き嫌いもはっきりとわかるようになる。
そしたらラクさ? 迷わないっていうのは本当にラク。
– – -ネガティブな感情も味わえば良い
百合子:そういえば、私も客観的に自分を見てる自分がもう一人いる。
小さいころからいたんだけど、ちゃんとそれに気付いたのは20代の時。
妙子:ん?何かきっかけがあったの?
百合子:うん。め〜っちゃ悲しいことがその時あったわけ。
もう「あ〜〜」って打ちひしがれて感情を吐き出した時に、感情に溺れてないもう一人がいるわけ。打ちひしがれている自分を見てる自分が、「それで大丈夫だよ」って言うわけ。
「感情を味わいなさい、こっちで見てるから、大丈夫だから」
って。
だから良いことも悪いことも全部味わって良いんだ〜って思って。
それまでは、自分の中であんまり受け容れたくないネガティブな感情とかは
「イヤ〜!」って思ってたわけ。思うことも口にすることもイヤ!って。
妙子:ネガティブな感情って、具体的にいうと例えば?
百合子:「嫌い」とか「むかつく」とか
「自分で自分を責める」とか「うまくいかない・・・」とか。
そういうのが自分の中にめっちゃ沢山あって、
「なんでうまくいかないのかなー、理解しあえないのかな」
っていう、「絶望」みたいな気持ちだよね、そういう感情が生まれると、それを「観る」ことが怖いわけ。
妙子:ネガティブな感情のどういう点が怖いのかな?
百合子:自分がどれほど深く感じていて、それはどれくらいの濃度なのかとか、そういうのを「観る」のがめっちゃ怖い。
でも、実際観てしまったら、「あ、こんなもんなんだ」って。
それはさ、隠してたら隠してただけ大きくなっていくわけ。
でも勇気を出してパッて観たら「あー、こんなもん?」みたいな感じだわけさ。
もう一人の自分が見ていてくれると、その勇気をもらえるっていうのかな。
「ちゃんと見てるから、大丈夫だから、全部確認したり、楽しんだりしなさい」
って言ってくれるから。
それで「あー、そっかー」って、気付いたのが20代の時。
– – -大切なのは「光でいること」ではなく、「光を見ていたいと思うこと」
妙子:ネガティブな感情を「観る」っていうのは、それを認識するってことなの?受け容れるってこと?
百合子:ううん、受け容れる前に観ないといけないさ。
妙子:「観る」っていうことがピンとこないんだけど。
百合子:観るっていうのは、なんていうか・・・
心の中の箱がぱかって開く感じなんだよね。
わかりづらいか?(笑)
妙子:わかんない(笑)
百合子:「あ〜〜!」って口に出して言ったりして、現実に落とすということ。
想像するだけじゃなくて、実際に悲しんで泣いたりとか。
だから、ネガティブな感情から逃げようとしたり、違うことを考えようとしたりしてその想いを止めるんじゃなくて、その想いを想い続けていくわけ。
そうしていくと、自分の中から涙が出たり、色んなことが起こるわけ、クソーって思ったり(笑)
– – -大事なのは、いかに否定せずに済むか
妙子:正面から向き合う、ということかな?
百合子:そうそう。そういうのを我慢せずに恐れずにやっていくと、自分ていうものを知るんだよね。
みんなさ、良い面だけ自分の中に持っていたいと思うよね、やっぱり。
でも、人間だから色んなものを持っての「人」さ?
色んな物をもってるけど、でも、それでも光を見ていたいって思う気持ちが大事だわけよ。光でいることが大切なんじゃなくて。
色んな感情があるけども、でも、ここを目指したいって思う気持ちを持てるかどうかだわけさ。
妙子:そうか。。自分の悪い感情を否定しないで良いんだね。
百合子:そうそう、どれだけ否定しなくて済むかということが私は大事だと思うわけ。人に対しても自分に対してもね。
全部受け容れるキャパを作る為に、その器を作るために、色んな経験があると思うわけ。
妙子:あ、それで、敏恵は器が大きいんだ?
百合子:そうそうそう。
妙子:なるほど。
あのさ、例えば私はむかつく人がいたら「むかつく!」と思うし、
口に出すこともあるけど、それとネガティブな感情をしっかり「観る」こととはどう違うの?
百合子:あのね、病気に例えるとわかりやすいんだけど、風邪みたいな軽いものだったら「ちょっと風邪引いたな」くらいでいいわけよ。
でも、風邪どころのレベルじゃない、本当にきちんと考えないといけないことがあったら、人は考えなくなるわけ。無意識に思考にブロックをかけるわけよ。
だから、「ちょっとイヤだな」っていう程度のことをめっちゃ深く掘り下げろっていう意味じゃないよ? 風邪引いただけで入院しなさいということじゃないわけ。
でも、その辺を判断するためにも、自分を知っておくことが大切なのかもしれない。
– – -むかつく相手に原因は無い
敏恵:例えばむかつく人がいたら、
「むかつくー!」と思うさ?
で、普通はそこで「この人がむかつく」で終わってしまうさ?
「性格悪いこいつ」って。
そこで終わらずに、「なんでむかついているのかな?」って突き詰めていったら、結局自分の中に答えはあるわけ、絶対。その人にはないわけ。
妙子:敏恵も今までそういうことあったの?
敏恵:いっぱいあったよ〜、もう、信じられないくらい!(笑)
百合子:敏恵はもともと見る目があるから、小ちゃい時とか本当に大変だったと思うよ。
敏恵:うん、本当に辛かった。
でも、辛いから、苦しいから観ちゃうんだよね、「これは何かな?」って。
例えば傷ができたら、モルヒネ打って痛みをわからなくするんじゃなくて、もう、「じ〜〜〜」って見て酢かけたい〜くらい(笑)。痛みというのがなんなのか、自分が「アハーー!」ってわかるまで突き詰めるクセがあるんだけど、それをしていくと、人のせいにならなくなる。
百合子:うんうんうん。
妙子:なかなか普通はそんな風にできないよね。
辛いことがあったら忘れたいと思うし、傷付いたら癒されたいと思うし。そして、嫌なヤツに会ったら、普通は「なんで?」とは思うけど、自分を省みることはしないよね。外に対して「むかつく」で終わる。
でもそうすると、その嫌なヤツと縁を切ったり避けて通ったりしてその場は済んだとしても、また別のむかつく相手が現れるってことだよね?
– – -経験と成長のためだけに、それは起こっている
敏恵:そう、だってい〜っぱいいるもん!世界中に。
だから、むかつく相手を逆に探すこともきっとできるわけ、自分で。
自分がむかつくわけだから、もしかしたら地球上の人類全員がむかつく人かもしれないわけ、自分の見方次第では。
そうしたらもう、苦しいさ?
だからそれよりは、むかつかない方法を追求していく。
妙子:むかつかない方法、知りたい!
敏恵:私は小っちゃい頃からのクセなんだけど、
「自分はこういうことに対してイライラするな」
ということを、全部ひとつひとつ観ていくわけ、とことん。
そしたら最後まで突き詰めて観ていった時に消えるわけ。
妙子:え、消えるの? なんで?
敏恵:そうだよね? 百合子、消えるよね?
百合子:うん。「そもそも問題じゃなかったんだ」ってこと。
それに気付くことが大事なんだと思う。元々何も無いわけよ。
敏恵:幻だわけよ。
百合子:そのことに気付くために、経験するためだけにそういうことが起こったっていうだけ。
根っこに残ることなんて本当はないわけ。
「根に持つ」とかいうさ?
でも、突き詰めていくと本当は何もない。
次回「物事がなぜかうまくいく『私はでくのぼう』説」に続く・・・