竹俣勇壱+郡司庸久 慶子企画展 「ぬくもりと粋」

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七月二十日(金)〜二十九日(日)会期中無休

 

作家在廊日二十日(金)

 

金沢在住の彫金師 竹俣勇壱さんのカトラリーと、益子でご夫婦で作陶をしている郡司庸久さん慶子三ご夫婦の陶器の作品展。

 

竹俣さんが作るカトラリーたちは、使い勝手がいいのとはちょっと違う。美しいフォルムで思わず触れてみたくなる「美しさ」がそこにある。そんなカトラリーを使っていると、いまこの瞬間の食卓の景色が特別な空気感となるのを感じる。

 

「ジュエリーを作って来た中で、ある日気まぐれで作って展示していた茶匙を塗師の赤木明登さんが見て気に入ってくれてお茶の道具を注文してくれた。その縁で僕はカトラリーも作るようになったのです。カトラリーはジュエリーと違って生活道具なので単価があまり高くてはいけない。なので利益は少ないけれど人との縁を広げてくれるんですよ」ほろ酔いの目を細めて語った竹俣さん。彼の作品は使う人々とその生活を見据えながら、その中の美をゆるぎない形の中に収めている。「粋」だな、と感じる由縁だ。

 

日光から益子に工房を移した郡司庸久さんと慶子さん夫婦。彼らの生活に触れて感じたことは、生き物への賛美や、いにしえから絶え間なく続く人の営みへの微笑みが彼らの現代的な感性の中に溶け込んでいるということ。彼らの作る器に触れていると小さな明かりが灯るような感覚があります。二匹の犬の世話を交代でやっているため今回は庸久さんだけがやって来ます。次回は慶子さんにもお会いしたいですね。

 

一見対局に離れているようで、作り手の暮らしぶりが感じられる血の通った企画展になりそうでとても楽しみです。