大人のデニムスタイルは、
カジュアルに留まらず、どこかにエレガントさを添えたい。
組み合わせるのはフリルいっぱいのカーデ。
ホワイトだと可愛らしすぎる。
落ち着いたベージュを選んで。
キーアイテムはビーズのクラッチバッグ。
Day8
デニムスタイルでもこんなにきちんと感を出せる。
「パーティー用に」と買ったクラッチバッグが、
クローゼットに眠っていないだろうか?
華やかなワンピースとだけでなく、
こうしてデニムに合わせたって良い。
それが逆に、カジュアル×エレガントの個性的なミックススタイルを生む。
パンプスは、バッグと同じゴールドで合わせて。
「こんなコーデもアリかなぁ?」
と、楽しげにチョイスしたのはグレーのシンプルカットソーと上品なワンピース。
トップス不要のワンピにカットソー?
some other day
ワンピの上半身を中に折りこんでスカートとして着用。
美しいプリーツが際立つ着こなし。
「スカート折っちゃうなんて、高校生みたい(笑)!」
7着のアイテムで8つ(+1)のコーデを披露してくれた彼女は、
いつだってこうして笑顔でおしゃれを楽しんでいる。
初めてお会いしたときに驚いたのは、彼女が一般の主婦であるという事実。
子供が3人(長男は小学校4年生!)いて、家事と育児をこなし、
毎日忙しくしている普通の女性だということ。
「日々の仕事や家事に追われておしゃれどころじゃない」
という人もいるだろう。
でも、「忙しい」が口ぐせの女性こそ、
たまった家事に慌ただしくとりかかる前に、
明日も早いからとベッドに入る前に、
クローゼットの前に笑顔で立ってみてほしい。
せわしい朝には試す暇がない、普段とは違う組み合わせで遊んでみて。
一枚で着ていた短めワンピースに細身のデニムを合わせてみたり、
スカートとしか着たことがない上品なカーディガンをワークパンツに合わせてみたり。
「これはナイな・・・」「お!意外と可愛いじゃん!」
と、鏡の前で一人ファッションショー。
手持ちアイテムで新たなコーデを発見したらしめたもの。
いつもはつらい朝、起きるのが楽しみになる。
いままでとは違う一日になる気がする。
そんな小さなハッピーが、心にゆとりを作る。
多少おうちが散らかっていたって鼻歌が出てくる。
仕事もなんだかスムーズに片付く気がする。
「何かと入り用で、自分の服にはお金をかけられない」
という声には、大きくうなづける。
でも、自分にぴったりマッチする服なら、高価でなくても素敵にキマる。
数年前に買った時は気分に合わず箪笥の肥やしになっていたけれど、
今着てみると「結構イイかも・・・」なんてこともある。
ワードローブを増やしたくなったら、
いつもの自分なら選ばない一着を、選択肢の中に残してみて。
それこそが、
「今のあなたの魅力を最大限に引き出す攻めの一着」
かもしれないから。
歳を重ねるといい加減なコーデはできなくなる。
何を着ても、若さと勢いでカバーしていた頃とは違う。
しかし、その事実は逆に真のおしゃれを追求するきっかけにもなる。
私は、自分よりも年上の女性がおしゃれを楽しんでいる姿を見るのが大好きだ。
自分にも明るい未来が開けるような気持ちになるからだけではなく、
若い人々よりもずっと多くの現実問題を乗り越えていることを知っているから。
身体のラインが変わる、
着たくても着られないデザインの服が増える、
おしゃれにかける時間もお金も制限される。
それでも彼女はおしゃれでいる。
そのことは、様々な人にハッピーを与える。
少し年下の女性に未来も明るいのだと伝え、
子供にとっては綺麗なママ、夫にとってはいつまでも美しい妻として輝き、
同年代には「自分だっておしゃれを楽しんで良いんだ」という勇気を与え、
あらゆる世代の男性に、ただいるだけで喜びを与える。
だから、おしゃれな大人女子はエラい!
そして、おしゃれになろうと努力する大人女子は、この上なく魅力的なんだ。
写真・文 中井 雅代