samulo Jewely exhibition in Shoka:

 

会期:2020/7/23(木)〜8/10(月)
時間:12:00〜17:00
会期中 火曜定休

 

企画展に寄せて

 

2017年、友人たちからの評判を聞きつけずっといってみたかった福岡のkrank maecelloへ。
そこで初めてsamuloのジュエリーに出逢った。古いコイン、天然石やガラス、ユニセックスな雰囲気で一見無骨な印象。
けれど身につけると繊細で、なんともいえない空気感が手首に揺らめいている。時間や距離を越えた旅情を感じる佇まい。
ちょうど旅の途中だったわたしの心は踊った。
身につけた瞬間に、

 

「丈夫で綺麗。外さずにずっと身につけていられるから、きっと失くさない」

 

当時看護師だった私はまったくジュエリーをつけていなかった。
仕事と日常のオンとオフ、その区切りをつけるたびに着脱するのは面倒だし、手洗い消毒を繰り返す仕事上水濡れが気になる素材だと無理がある。私の生活にぴったりの素材と質感。まさしく丈夫で綺麗なそのブレスレットを2年半身に着け続けた。一度も外さなかったので、やはり失くさなかった。

 

その間家事や仕事に奔走する私の営みを、このブレスレットがちゃんと「美しさ」へとつなぎとめてくれていたように思う。
洗い物をしている最中や仕事のふとした瞬間、私は左手首に輝くブレスレットを眺めてうつくしさにハッとする。
そうすると、帰り道の夕焼けや、息子たちの瞳の輝き、洗っている時の陶器の肌のなめらかさへと心の目が開くのだ。

 

私にとってこのブレスレットは装身具でもあり、心を忘れずに日々を過ごす為のお守りでもある。

 

Shoka: 佐々木さやかより