Shoka: に今月から新しく仲間入りしたジュエリーsamulo。
初めて見たときの印象は、なんだか様々な言語を話し出しそうな個性豊かな表情のジュエリーだなと。
そして秋になり、いくつかお願いしていたものがお店に到着し、ひとつひとつを見ていくと、どれも踊りだしそうな愛らしいものたちばかり。
samulo のジュエリーと私との距離が少しずつ縮んで、おしゃべりを始める。
1900年代初頭のものから、はたまた紀元前などの古い石が使われていたり、アジア、アフリカ、
様々な土地で採れた石。
ビーズやパーツをオリジナルで作っていたり。
国も時代も様々な素材が組み合わされたジュエリー。そのひとつひとつに物語が紡がれている。
様々な素材を組み立てるバランス、細やかなディテールが独特なsamuloの世界観。
面白いものを見つけた。
ペンダントトップのモチーフは、サハラ砂漠のベルベル人系の部族によって作られたもの。
ベルベル系の部族のシルバーのトップ使い込まれた雰囲気があり、表面は滑らか。
細かな彫金がされていたものが時間をかけて摩擦によって薄らいできたように感じられる。
そうだった。ベルベル系の部族の伝承的な古いピンを見た事がある。
彫金が細かく施され、精密でありながら手の仕事の雰囲気が感じられる彫りのリズムには人間味が感じられた。
表情は味わい深く育っていた。
ネックレスベースの銀部分はシルバーのsamuloオリジナルのハンドメイドビーズ。
ビーズ一粒のカッティングが様々で、光の反射や陰影がおもしろく、また使い込んでいくと味わいが出てくる。
モチーフを生かした潔いデザインのペンダントは、他にもある。
共に過ごしたシルバーは、彫りの溝や連なるシルバーとの間に深みが出て、表面は以前にはなかった傷と合わせて照りが出て、それは真新しいものよりも断然美しい者になっていく。
きっとこのペンダントも時間をかけて今よりもっと表情豊かに育っていくのだ。
ゴールドとオレンジの石(カーネリアン)の相性がとても良いペンダント
カーネリアンは古代インダス文明時代のもの。
インダス文明となると、紀元前2000年以上となるので想像できないくらい前のものが出土されたわけで、それを聞いただけでも一瞬痺れてしまう。
長い年月土の中で埋まっていたために一部白化していて、とても有機的な印象。
雰囲気があって落ち着きある配色だけど、ゴールドビーズとの相性は抜群で、肌馴染みが良く首元を華やかにしてくれる。
留めに工夫がされていてレングスが調整でき、それもデザインのひとつとなるようにできている。
短めに着用すると、5つの石が均等に中心にきてチョーカーのような雰囲気。
ビーズはシルバービーズにゴールドコーティングの施しをしていて、いずれは徐々にゴールドが薄くなりシルバーに変化していく。
変化の度合いは衣服との摩擦などにも影響を受け、身につけるほどに変化していく、ぜひその時々の雰囲気をゆっくり楽しんでもらいたい。
samuloは、独特の世界観があって惹きこまれる。
少し無骨さのある雰囲気で、女性に限らず男性に似合いそうなブレスレットも。
いろいろな色ですが、シルバーにゴールドコーティングを施しているもの、燻し加工でだいぶ暗めになったシルバー、また、シルバー以外ケニアのオールドアルミニウムのパーツが使われていたりと。
使い込むと馴染んだり、光沢が出たり、育てるのがとても楽しみ。
無骨なものから華奢なものまで、その表現は幅広い。
美しく七色に光るのは”アイリスガラス”というまさに虹をモチーフに作られた1900年代初頭チェコのもの。
ギリシャ神話に登場する虹の女神イリスが由来とだけあって、光の屈折が神秘的で、女性の秘められた美しさが感じられます。
グリーンもサーモンピンクの石も天然石トルマリン。
石の個性に押されない個性を持ち銀色に光るものは、アルミのビーズでケニアなどから取れる、銅などを溶かして作られた再生金属だそう。
真ん中から両サイドに飛び出すオールのような形が愛らしく、使い込むほどに光沢が増していくという。
ゴールドコーティングのビーズもとても艶やかで心がウキウキしてくる。
目を引く石は水晶。
なんと紀元前にも遡る大昔にアフガニスタンで出土したものだと。
少しくもりがかった水晶がほんとに美しい。朝靄のよう。
もやがかった色やそんな石が好みなのだな、、とつくづく思う。
より自然の営みを感じるからかな。
samuloのジュエリーは観察するのがとても楽しい。
なんだか発掘作業をしているような気分。
天然の石と、組み合わされる様々なビーズ。ゴールドコーティングビーズ、シルバービーズ、燻したようなアンティークゴールド色のビーズ。いろんなサイズといびつな形が、ニュアンスがあってとてもユニーク。
こぼれ話だけれど、天然石のペリドットは、明るい場所だけではなく夜間照明のもとでもこの鮮やかな輝きがあるということで、古くからローマでは「夜会のエメラルド」とも言われていたよう。
オリジナルのパーツもユニークで、その独特なバランスやセンスに高揚する。
個性がそのまま踊りだしていきそうな samulo のジュエリーたち。
タップして、スカッフル、気分はタップダンサー。
石はもともとジュエリーになるつもりは無く生まれたのだろう。
けれどきっと、石を扱うジュエリーデザイナーの手によってその個性を生かされる面もあると思う。
その美しさに目を向け出土する発掘員がいて市場に出て、手をかける作り手がいて、やっと私たちの目に触れるところにたどり着く。
いろんな景色を見てきた石に、現代のオリジナルのパーツやビーズと配合して再構築され、使う私たちとこれから新しい景色を見て物語を紡いでいく。
よく考えてみると、世界には様々な作り手がいて、石の生かし方も人それぞれ。
表現は自由なのだと思う。
自由であって、その中に自然やモチーフに込められた敬意が感じられるものに、わたしはとても惹かれるのだな、と自分を発見させてもらったのもsamulo のジュエリー。
見て、美しさだけでなく、ダンスの鼓動を感じたり、そこに物語を読み想いを馳せる事も自由。
使い手が自由に自分の好きなように身につけるってとても楽しい。
秋からShoka: がまたどんどん楽しくなっていきます。
秋物が入荷してきてまた賑やかに。
ぜひぜひ遊びにいらしてくださいね。
写真・文 金城 由桂
暮らしを楽しむものとこと
Shoka:
http://shoka-wind.com