「アロマをもっと日常的に、実践的に」
そんな想いからオーガニック&アロマショップペタルーナでは、さまざまなワークショップを開いています。特に力を入れているのは、子育て応援につながるもの。今回はさくら保育園へ出張し、子育ての一端を担う保育士さんへアロマの力を届けます。
癒やしだけじゃない、アロマの力
保育園といえば、先生方も親たちも病気の感染が悩みの種。それにもアロマが心強い味方になれると講師の伊藤夕紀さんは話します。
「アロマというとまだまだ癒されるものってイメージが強いんですけど、ティーツリーでうがいをしていたら、インフルエンザにかからなかったという例もありますし、夏に流行しがちな病原性大腸菌O-157も、ペパーミントなら1滴でまな板についた菌全滅させられるぐらい強力なんですよ。そういうアロマの力をぜひ体感していただきたくて。アロマって全て植物由来の香りなんですけど、植物って一度そこに生えたらもう二度と動けないですよね? 暑かろうが寒かろうが、虫が寄ってこようが水がなくなろうが…。だから植物は虫が嫌う香りとか、いろいろ生き抜くために香りを出すことで身を守るんですよね。その香りの力を私たちは借りるわけです。しかも、アロマセラピーに使用する精油は1ミリリットルとるのに、その100倍以上の量の植物を使って抽出するんですよ。だから、このひとつのボトルに植物の力がぎゅーっと凝縮されてるんです」
アロマが大切な園児の健康に役立つと聞いて、参加する先生方の目も真剣。既にインフルエンザが流行していることもあり、この日は風邪予防のアロマスプレーを作ることに。このスプレーという形をとるのも伊藤さんたちの熱意の表れです。
「私たちは昨年度も、風邪予防のために沖縄県内の保育園10ヶ所にティーツリーやユーカリがブレンドされた精油とディフューザーをお貸ししたんです。ある園からは『忙しくてディフューザー放置気味でしたけど、10名インフルエンザが出ちゃったので急いで焚いてみたら、翌週はゼロになったんです!』とご連絡いただいて。私たちもアロマの効果を改めて実感できたんですけど、やっぱり先生方も毎日お忙しいので、ディフューザーより
ももっともっと簡単なスプレーで使っていただこうと考えました。スプレーなら、先生もエプロンのポケットに入れといて外遊びとかお昼寝前とか、気になった時にシュッシュッで済みますし」
ペタルーナが勧めるアロマオイルはオーガニックの精油(エッセンシャルオイル)
風邪の予防にいいとされるローズマリー、ラベンダー、レモンマートル、ティーツリー、ユーカリラディアーター、ペパーミントの6種類の精油が用意されていました。もちろんペタルーナらしく、オーガニック育ちで、世界で最も厳しいとされる基準のひとつであるACO(Australia Certified Organic)認証を受けたもの。
「最近は100均や雑貨屋さんでもアロマオイルって売ってると思うんですけど、合成香料が入ってたりアルコールが混ざったりしている場合もあるんです。アロマセラピーでは100%植物由来のピュアな精油を使ってくださいね。もちろん、その植物がどういう育ち方したのかも重要で、オーガニック…無農薬や化学肥料を使わない有機栽培で育ったものがやっぱり身体には安心です。ただ、このオーガニックというのも、ちょっとオーガニックのもの使ってるだけでオーガニックって表示されてたりすることもあるんですね。そのあたりは取り締まる法律がないので曖昧なんですけど、私たちはオーガニックの中でも厳しい規格をクリアしている精油しか使いません。3年以上さかのぼっても農薬を使っていないかとか、その場所だけでなく、半径1.5キロ以内にも農薬使った場所ないかとか、あとは農場で働いている人の労働条件とか色々、すごく細かな項目を全てクリアできたものが、この精油です」
精油の個性を深く知る
伊藤さんから、ひとつひとつの精油の持ち味を教わります。
「ローズマリーはローズと名前が付いているものの、ローズとは全く関係ない植物から抽出される精油になります。名前が名前なので可愛らしい花っぽい香りに思われがちですが、湿布みたいにスースーしますよね? 私はなんかタイガーバームを思い出しちゃうんですけど(笑)。でも17世紀にフランスでペストが大流行した時に、ローズマリーの葉を酢に1ヶ月間ほど漬けこんだものを身体中に塗った人は感染しなかったという話もあるんですよ。風邪予防にはもちろん、脳の活性化や記憶力アップにも使えて、最近では認知症にも効果的なんじゃないかと注目されています。ただ逆に、嗅ぐと頭が冴えちゃうので、寝付きの悪い人や血圧の高い人には夜に使うのはお勧めしてないんですけどね、夜はラベンダーの方がいいです」
・・・というように。
風邪の予防というくくりで集められた精油ですが、それぞれがとっても個性的。名前も香りもなんとなく知っていたラベンダーやティーツリーも、たくさんの効果や用いられてきた歴史を知ることで、香りの輪郭がよりくっきりする気がします。
香り選びは直感で。好きかどうかで決めていい
この6種類の精油の中から、自分好みの香りを2、3種類見つけ出します。精油は2~3種類を混ぜて使うことで相乗効果を生み、香りも優しくなるのだとか。ここで大切なのは、好きかどうかで精油を選ぶこと。
「かいだ時にいいな、深呼吸したくなるなと感じるものありますか? 効果について色々お話しましたが、ご自分でピンときたものを選んでくださいね。体調や気持ちでも感じ方は変わるので、今日作ったスプレーも、明日かいだらなんか苦手かもってこともあるんですよ。そんな時は無理しないで、心地いいと感じる時にまた使っていただければ。それが芳香療法といわれるアロマテラピーの基本でもあるので」
香りは好みが分かれるもの。ペパーミントひとつとっても、「うーん…歯磨き粉だなあとしか思えない…」「えっ、このスッキリ感がいいのに」など人それぞれ。熱くなるあまり、ついボトルから10cm以上は顔を離して嗅ぐという約束を忘れそうに。かなり長い時間をかけて、全員が好みの香りを選びだしました。
香りと香りの合わせ方のコツ、精油と水となじませるコツ。
いよいよスプレー作り。選んだ精油にアルコール、精製水を加え、振り混ぜていきます。ここでアドバイスも。
「精油の配合にはちょっとだけコツがあって、レモンマートルやペパーミントはかなり強い香りなので、他の精油と使う時は数滴少なめにするとバランス良い香りになります。組み合わせや配合の比率とかで困ったらどんどん質問してくださいね」
ボトルから1滴ずつ垂らすのが意外に難しいのですが、学生時代の化学実験みたいで楽しい! 実際に混ぜることで化学反応が起こるらしく、だんだん色が白っぽく、ほんのり温かみも。これが無事に乳化したという、成功の証です。
ついに完成。ボトルに貼るラベルも可愛いものが用意されていました。これに選んだ精油の名前と日付を書き入れたら完成です。
精油は直に肌につけられませんが、アロマスプレーは精油の成分をアルコールにしっかり溶かしてあるので香水のように手首に付けたり、髪の寝グセ直しなど身体にも使えます。
「レモンマートルの香りに惚れたから、自分でも作ってみたい」
「ここ来る前は鼻づまり気味だったけど、アロマ嗅いでたらスッとした!凄い!」
「先生同士って普段あんまり一緒に何か楽しむ機会ないから楽しかったー」
皆さんからもさまざまな感想が挙がりました。
ペタルーナのアロマワークショップは、これまで4ヶ月間で1000人の参加を数えました。風邪予防スプレー以外にも「手荒れ防止ハンドクリーム」「アロマでコロコロ頭痛レスキュー」「香るヘアオイル」などなどメニューは盛りだくさん。また、ワークショップは今回のように出張してきてもらうのでも、ペタルーナの店舗でも不定期で開催しています。今回のように職場のみんなでお喋りしながら、あるいは一人でとことんアロマを究めてみる・・・いろんな楽しみ方ができそうです。詳しくは、バナーリンク先のペタルーナのワークショップページをご覧ください。
http://www2.petaluna.com/aroma-workshop-lp/
写真/金城夕奈
アロマショップペタルーナ(新都心本店)
那覇市天久1-26-23 絆ビル 1F
098-861-5166
営業時間10:00~20:00(平日)、11:00~20:00(土日祝)
定休日 年末年始
http://www.petaluna.com