» IDEAにんべん地域はもっと、面白い。

IDEAにんべん
 
 
沖縄でいま、小さな店や農家、地域に関連した広告やデザインが元気だ。
 
読谷村のファーマーズマーケット「ゆんた市場」に行くと、紅豚もずバーガー、のぶおばぁの空豆チップス、楚辺ポーポーといった、素朴でありながら思わず手を伸ばしてしまうようなパッケージが並ぶ。
 
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読谷村特産の冬瓜を使ったレトルトカレー「カレーになりたいトウガンくん」は、とろりとした冬瓜の食感を楽しめるご当地カレーとして人気を集めている。使用しているのは県産冬瓜。意外な組み合わせのようだが、沖縄ではカレーに冬瓜を入れる家庭が少なくなく、給食にも登場するほど。手軽に沖縄の味を楽しめることから、土産品としての人気も高まっている。
 
 
地域の観光案内パンフレットにも秀逸なものが多い。
 
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「伊平屋島の旅地図」は、色彩豊かなイラストで島の魅力を紹介。
有名なムーンライトマラソン以外にも、「独特な地形が育む豊かな味。モズク、貝、米、玉ねぎ・・・がおいしい島」「三輪車で集落じゅうを行き交う。お年寄りが元気な島」といった、沖縄でも島民以外にはあまり知られていないような、伊平屋島へ足を運んでみたくなる情報が盛りだくさん。
 
「名護の観光案内」も楽しい。20ページに渡る内容豊富な一冊には、美しい自然、小さな商店、おいしい食べ物…住民の日常を切り取ったような写真が数多く掲載されており、「名護大探検ツアー」と銘打たれたページを見ながら、名護の隅々まで探索したくなる。このパンフレットは英語と中国語にも翻訳され、外国人の沖縄観光にも一役買っている。
 
 
これらすべてを手がけたのが、黒川真也さん、祐子さんのユニット、「IDEA にんべん」だ。
 
見るひとを惹き付ける広告やデザインは、どうやって生み出されているのか?
その裏側を伺った。
 
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– – – 入念な案出し、完成度の高い図案…。二人のきめ細やかな仕事。
 
IDEAにんべんの仕事は、その範疇が広いだけでなく、驚くほどに丁寧だ。
 
「トータルで関わるという感じでしょうか。
デザイナーさんにお願いする場合でも自分たちでディレクションし、企画もこちらで考えます。お客さんとのやりとりもすべてこちらが行います」
 
崎山酒造廠から味噌の商品開発を依頼された際も、入念に話し合いながら丁寧に進めていった。
 
まずはじめに用意したのは、方向性を探るシート。
 
「この時点では既存のものを参考にしながら、どんな形状を望まれているのかを、一緒に考えるようにしました。
例えば、コストを抑えるなら紙だけ巻きましょう、専用の保存容器を作りましょう、ビニールにいれて箱に入れましょう、手ぬぐいを作って巻きますか? というように。」
 
IDEA にんべん
 
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「そうすると、『売るときのことを考えると、箱に入れたいな』というような要望が話の中で徐々に出てくるわけです。そこで『では、箱をベースに考えていきます』と。
 
ここでいきなりデザイナーさんに入っていただけると僕らもラクではあるのですが、それでは手間がかかってしまう。デザイナーさんはデザインの一点に力を注がないといけないし、その方がより良いものができると思っているので、大概、どの仕事でもデザインの方向性は僕らの方で探ります。
 
すでに箱に入れることは決まったわけですから、次は箱のデザインの方向性を決めるわけです。
 
お客さんの話をしっかりと聞いたあと、僕らふたりでまず案出しをします。そしてその中から厳選した案をいくつかお客さんに提案するのです。」
 
真也さんが手描きしたサムネイル(完成形をイメージさせる画像や下描き)を見ると、そのクオリティの高さに驚く。
 
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「たとえば、薬膳味噌ということなので薬膳を前面に出したイメージでやりますか? おかみさんが作っているというイメージを出しますか? レトロなマッチ箱みたいなのはどうでしょう? 贈り物風にひもでしばったデザインは? という風に、サムネイルを見ていただいてイメージを膨らませていただきます。」 
 
次から次に出てくるデザイン案がどれも「このまま商品になるのでは?」と思うほど完成度が高く、またデザインも魅力的で目を見張る。私だったらこれがいいかなーなどと、思わず選びたくなってしまう楽しさがある。
 
しかし、IDEAにんべんの丁寧な仕事はここで終わりではない。
 
「最終的に、崎山酒造廠さんからは「薬膳味噌は特別な素材と造りが特別な味噌なので、昔ながらのクスリ袋をイメージしたものにして欲しい」と要望があり、方向性が決まりました。
デザインの方向性が決まったところで「じゃ、誰と一緒にこの先を進めていくか」ということになります。
 
いずれにしても、この人とやれば自分たちとかけ算になるような仕事ができるんじゃないかな~と思う方にお声がけしている気がします。どういう化学変化が起こるかワクワクするような方ですね。
それはデザイナーだけでなくカメラマンや絵を描いてくれる方など、どんな分野の方についても同じです。
 
そして上がってきたデザインを見て、書体や色を変えたりして何種類かのパターンを用意し、それを見ながらまたお客さんと話をしていきます」
 
IDEAにんべん
 
 
– – – 代理店より厳しい、家の中でのチェック。
 
一つ一つを丹念に、何事をも疎かにすることなく、沢山の可能性の中から最良を探るその姿勢に頭が下がるが、同様の仕事をしている人たちもみな同じような段取りで仕事にあたるのだろうか?
 
「他の方がどんな風にやっているかはわかりません。
でも、大阪の広告会社で働いていたときはチームで仕事にあたり、社内にデザイナーもコピーライターもたくさんいたので、個人がやる仕事の範疇はもっと限られていました。
 
だけど案出しはみんなでするんです。ここまで描き込みはしないけれど、案をどんどん出していくために、社内用のサムネイルはみんな何枚も手描きします。
それが楽しかったんですね。そうやって人の考えを聞けること自体がすごく面白かった。そういう切り口があるんだな〜とか、どうしてこんなことを思いつくんだろう?という風に、それぞれの切り口が千差万別なので本当に面白いんですよ。
案だしの段階では『バカじゃないの?!』と思われるような案が最終的に形になることもありますし。
 
実は僕、もともとは広告の仕事に進みたかったわけではないんです。新聞記者になりたかったんですよ。
でも、初めてブレスト会議(=ブレインストーミング:ダメだしをせず、自由奔放にアイデアを出す会議手法)を担当したときに、こりゃおもしろいやと。
 
今は家で同じことをしています。自由に案出しをした後しぼっていく」。
 
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– – – 読谷村役場の職員の熱意に感動して。
 
個人営業の店や宿、工房などとの仕事を多く手がけるが、大きい組織の仕事に携わることもある。
 
「組織が大きくなっても担当の人次第で物事は大きく変わると思います。大事なのは、どれだけ熱い気持ちを持っているか。
組織が大きいと悪い、小さいから良いとは全然思いません。発信する人の思いの深さがすごく大事なんです。
 
たとえば、いい味噌なんだということをみんなに伝えたいと思う気持ちと同じように、村のみんなが楽しく農産物を作るにはどうすればいいかを真剣に考えている人が読谷村役場にいて、そういう方から話を聞くと『じゃぁ一緒にやっていきましょう!』という気持ちになります。
 
でも、もしその方が『予算はこれだけだから、作れる物を作って』と言ったら、全然違うものができるような気がしますね。
 
だけど沖縄で出逢う人は、強い想いを持っていることがすごく多いなーと感じますね。
 
それは民間企業に限ったことではありません。 
公務員って悪い例え話として出されてしまうことが多い気がしますが、熱意を持って仕事に当たっている公務員の方から話を伺うこともすごく多いんです。
 
読谷村役場とのお仕事でカレーを作ったのですが、打ち合わせでカレーとは全然関係のない話題が出た際、『実はこういう話がでたときにと、企画考えてたんだ』と言いながらバッグの中から企画書を出した方がいて。『こういう機会があったら見てもらおうと思ってて〜』と。ほんとに!?って感じでびっくり。すごい熱意ですよね。
 
こんなに地域のことを考えた展開ができるひとが役場にいるということも嬉しかったですし、そういうひとたちと一緒に何かしていけるのは素晴らしいことだなーと強く思いました。
 
こういう方ってきっと、各組織、各市町村にいるんですよね、すごく熱い想いを持っているひとが。
ご本人たちは『僕らは日陰から応援するのが仕事だからー』とおっしゃったりするのですが、そういう方がもっと表に出てきて、もっと日が当たったらいいなーと思います。
 
公務員の仕事って実はすごく面白いと思うんですよ、動かせる規模も全然違いますし。公務員だからできることっていっぱいあるし、民間より公務員がやってくれたほうがいいこともいっぱいあるんじゃないかなーって」
 
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– – – 地域を伝えるとき、何かに例える必要はない。
 
「地域の仕事というのは、やはりすごく面白いです。
今、とある島の仕事をしているんですが、依頼があった当初は僕らだけでなく周りの人もほとんどがその島に行ったことがなくて。
 
まずは見てきてと言われ、島に対する知識をほとんど持たないまま行きました。指示された場所を回りはしたのですが、一日目は一体何が面白いのかさっぱりわからず、『どうしよう、これじゃ企画が立てられないんじゃないか?でも、受けた以上は何かひねり出さないといけないし…』と途方に暮れました。
 
でも、そこから順番に人に会っていったことで、印象がガラリと変わったんです。
 
自分たちの島をなんとかしたいと思っているひとが実はいっぱいいて、『なんで俺たち発信できないんだよ!』と不満に感じている。そういう人に一人会うと、そこからどんどん繋がっていって、島の形がだんだん見えてきて…。
最終的には、『この島ってこんな面白いのに、どうしてみんな来ないんだろう?』と思うようになっていました。
 
初日には「どうしよう…」と感じた島が、光らせ方を変えるだけですごく面白い場所になっていく。僕らが実際に感じたことを、みなさんと共有できたら良いなと思っています。」
 
 
地域には、言葉を転換せずとも心に響く、ストレートな魅力があふれている。
祐子さんは次のように語る。
 
「世の中ではよく『付加価値を付ける』というようなことが言われますが、わたしはその言葉にはぴんときません。等身大にそのもののよさを伝える、という気もちでこの仕事をしています」
 
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– – – 大手企業との仕事。次第に「なんか違うなぁ…」と。
 
2001年に沖縄に移住する前、黒川さん夫妻は大阪で広告会社に勤めていた。
 
「誰もが知っているような大手企業の仕事を主にやっていました。最初は本当に面白かったんですが、少しずつ自分が本当にやりたいことではないように感じることが出てきて。
 
きっかけは、とある会社とのお仕事でした。
当時、僕はまだ若くてアシスタントをやっていたので、いろんな人たちとチームになって仕事をしていたのですが、たまたま自分が直接担当となってクライアントさんとやりとりをしていいと言われたんです。
 
会社案内をリニューアルするという仕事だったのですが、それほど大きな会社ではないため広報部や宣伝部がなく、総務しかない。総務の担当者も印刷のことは何もわからないし、何から手をつけたらいいかもさっぱりという状態。そこで、『一緒に作っていきましょうね』と膝をつきあわせて考えていく作業をすることになったのですが、それがすごく楽しかったし面白かったんです。同じ一つのものを作るにしても、今までやってきたことと仕事の流れが全然違っていて。
 
お客さんと向き合い、じっくり話をしながら作っていく。自分はそういう仕事がやりたいんだなと感じ、そういう仕事ができる環境はどこかにないかな? 例えば地方に行けばあるんじゃないか、と思ったんです。組織が小さくなればなるほど、自分が求める仕事に出逢う可能性があるんじゃないかな?と。
 
また当時、会社がかなり忙しい状態が続いていて。過労がたたり、人がパタパタ倒れていっていて。
 
それで以前、那覇の広告代理店が出していた求人募集を見つけてコピーしていたことを思い出し、電話してみることにしたんです。」
 
一方、真也さんの会社の同期だった妻の祐子さんは、社内の別のチームで働いていた。
 

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「夫の部署とは異なり女性中心のチームだったので、雰囲気も全然違っていました。私が主に携わっていたのは、ホテルのPR誌や生命保険会社の冊子など編集の仕事。いずれも大手企業がクライアントの仕事が多かったのですが、5年くらい勤めていると、違和感を感じるときがあって。でも、その時はまだ原因が明確じゃなかったんです。
 
1990年代後半、食の安全について盛んに言われるようになってきたころ、ホテルから依頼された仕事で農家に取材に行ったことがあったんです。すると、その場所がすごく心地よくて。ホテルで豪華なディナーの取材をするよりも気持ちいいなと感じました。
 
私は奈良出身で、田畑の広がる風景がとてもきれいな明日香村や高取町に伯母や祖父母が住んでいたり、親戚のおばちゃんは農家だったりという環境で育ってきたので、今思えば自分のルーツから沸き起こった感情だったのかもしれません」
 
真也さんは電話をかけた那覇の広告代理店に採用が決定し、祐子さんと二人一緒に沖縄へ転居した。
 
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– – – 大阪以上によく働く…。沖縄の忙しさに驚き。 
 
二人は移住後すぐに独立はせず、別々の会社に就職した。
 
「何の関係性も築いていない土地で、いきなり独立するのは難しいと思ったんです」
 
忙しすぎる職場を辞めての転職だったが、沖縄の広告代理店は真也さんが想像していた以上に働きものがそろった会社だったと言う。
 
「一体いつ会社の電気を消すんだろう?というくらい、本当にみんな朝から晩まで働きづめ。沖縄に対するイメージががらっと変わりました。
 
また、同じ広告の仕事でも、携わる範囲が一気に広がりました。大阪にいたころは案を考えて描くことが仕事。沖縄でもコピーライターという肩書きで入社しましたが、デザイナーや営業がやる範疇の仕事だと思われることも任されました。任されたからにはやるしかないし、やらないとお客さんに迷惑をかけちゃう。
 
でも、それがすごく良い経験になったんです。任されていくうちに自然に色々な仕事を覚えることができて。あの時期がなかったら、今の自分はないと思います」
 
仕事は楽しく順調だったが、沖縄での生活も多忙を極めた真也さんは、次第に別の働き方を選択肢として考えるようになった。
 
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– – – いちばん大事なのは、夫婦一緒にご飯を食べること。 
 
「ふたりで暮らしてはいるけれど、顔を合わせることがほとんどなかったんです。僕が帰宅するころには寝てるし、彼女が起きる前には家を出ないといけないし、の繰り返しで。
それで『自分は一体何がしたいのかな?』と考えるようになりました。
生活するためにはもちろん仕事はしていかないといけないけれど、自分たちが大事にしたいことは何なのかな?と。
 
それで、ちゃんと『生活』と呼べるようなを暮らし方をしたいなーって思ったんです。
じゃあ、そのためには何をすればいい? 違う仕事に就いたほうがいい? 自分には何ができる?と考えた末、独立することを考え始めました。
 
自分たちが今までやってきたことをするにしても、家で仕事をすればご飯を一緒に食べられますよね。それが一番大事なことだと思ったんです。晩ご飯をできるだけ一緒に食べること。そういう環境にするには、独立が一番かな、と。妻も『もし仕事がなければ、アルバイトをしたらいいよ』と言ってくれて」
 
また、ある人の一言が真也さんの決断を後押しした。
 
– – – 安定なんて、どこにもない。
 
「仕事を通じて色々な方と会う機会がある彼女が、芭蕉布作家の福島泰宏さんを取材に行くというので、僕もついて行ったんです。すごく面白そうだなと思って」
 
祐子さんは沖縄にやってきてすぐ、沖縄の情報を発信するポータルサイトを運営する会社に入社。1年勤めた後は独立し、フリーランスで働いていた。
 
「福島さんは仕事の枠を越えて様々な話をしてくださったのですが、その中でふとおっしゃったんです。『安定なんてどこにもないよ』って。
 
僕は、実は独立とか自営業とか一番肌に合わないタイプ。大きなものに寄りすがって生きていくのがラクだと考えていて(笑)。でも、福島さんのその一言が背中を押してくれたんです。『自分にできることをやってみよう』と重い、独立を決意しました」
 
真也さんは、「人との巡り会い運だけはあるんです」と笑う。 
 
「沖縄にはクリエイティブなことをしているすごい人たちがいっぱいいるけれど、僕らはその事実を知らず、どちらかというと生活を楽しくするには何をすればいいかを考えることから沖縄での生活を始めたのですが、色んな人に巡り会いながらここまでやってきました。
 
すべてがタイミングだと思うんです。
 
僕、他の運はあまりないけど、素晴らしい人と巡り会う運だけは強いんです。本当は金運とかも欲しいけどね(笑)。ありがたいくらい良い人とばかり出逢う。福島さんもそのうちの一人です」
 
真也さんは勤めていた会社を辞めて、ふたりで「IDEAにんべん」を立ち上げた。

「すごく良い会社だったんですよ、みなさんすごく親切で。いまだによくしてくださいます。夫婦は円満なのかとか、ちゃんと食べていけてるのかとか気にかけてくれて(笑)。本当にありがたい。
…ね? 巡り会い運だけは良いでしょう? 」
 
 IDEAにんべん
 
– – – 提案すること、話をしっかり聞くこと。
 
二人の想いは、「IDEAにんべん」という名にも表れている。

「漢字が『へん』と『つくり』からできているように、お客さんの想いだけがあってもだめだし、僕らだけが提案するのも違うと思うんです。2つが両方いい形でバランスよく噛み合わさって、初めて一つの意味を成すんですよね。
だから『お客さんのおっしゃることだからなんでも聞きます』というやりかたではいけないと思うし、僕らも仕事としてやっているわけですから、はっきりと意見を言うことも大事。
 
怒られそうなことでも言ってみよう、というときもあります。
例えば、宿を経営している方がショップカード作成のお仕事を依頼してくださったのですが、話をうかがっていくうちに、今はショップカードを作る時期じゃなく、もっと別の伝え方をやっていくほうが先決なんじゃないかなと感じて。それで、HPの立ち上げを提案しました。
 
本当にお店のことを考えたら、ちゃんと提案することが大事だと思うんです。それが最終的に、お客さんがさらに発信していくときに本当に意味のあるものになるんじゃないかなーと。
 
思い込んだり決めつけたりして仕事にあたるんじゃなくて、臨機応変にやっていきたいと思っています。話をしていく段階でわかってくることが沢山あるし、お客さんからも新たな提案や想いが出てくる場合もありますから」
 
IDEA にんべん
 
「また、この仕事は聞くことからしか始まらないとも思っています。
考えることが仕事ではあるのですが、相手と話をしないと作りたいものは出てこないし、その人が持っていることの中からしか出てこないくて、答えは必ずお客さんの中にある。だからこそ、地域の仕事は面白いんです。
 
例えば、紅芋チップスなんて山ほど出てるけど、作る人によっても発信する人によっても、見え方が全然違うんです。
 
伝えるモノやコトは僕らのものではなく、お手伝いをしているだけなので、何もないひとからはやっぱり何も作れないと思うんです。
 
でも、沖縄の場合特に自分で作っている人って沢山いますよね。村の中にも昔からお味噌を作ってたり、食べ物を加工して販売してるひともいっぱいいて。
 
それを伝える方法というのはちゃんとあるので、作るのは得意だけど伝えるのは苦手だっていう人の想いをどれだけ汲み取れるか、そして買ってくれる人にどれだけ伝えられるか。自分たちができることをこれからもやっていこうと思っています」
 
IDEAにんべん
 
– – – 普通の人ほど、おもしろい。
 
「島に限らずですが、地域はやっぱり面白いなーと感じます。
例えば読谷も、普通に観光で訪れたら観光スポットに行って、ホテル泊まって、観光雑誌に載ってる有名な店でご飯食べて…という感じでしか楽しめないと思うんですが、本当はもっと他の楽しみ方があるはずだと思うんです。
 
島だろうが村だろうが町だろうが、地域には魅力的な人がたくさんいるので、そういう人たちにもっと沢山出逢って、共に仕事ができたら面白いだろうなーと思います。
 
それはお店してるひとだけでなく、農家の方でも、公務員の方でも。
そういうところにもっと日が当たるお手伝いができたらいいですね。

実は、もともと新聞記者になりたかったというのも、表に出てくる世界だけじゃなく、社会の裏にあるものごとや、背景にあること、つまり新聞記事の裏側を知りたかったからなんです。
甲子園の試合も、裏でサポートしてる人がいて初めて開催できるという話をきいて、球児だけじゃなく裏方の話ってきっと面白いんだろうなと思ったんです。
甲子園に限らず、そういうことは世の中にいっぱいあるんだろうし、そういうことに今、日が当たり始めてるんじゃないかな。

大きな物事だけじゃなくて、島のなかで、地域で、それぞれに頑張ってる人。
そういう人やものごとにこれからもどんどん関わっていけたら嬉しいですね。
 
普通の人ほど、おもしろいんですよねぇ」
 

インタビュー 中井雅代

 
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