父の日スペシャル・ラストanalogue(アナログ)リボン替えにサイズ調整・・・オーダーメイド感覚で選ぶ帽子。


 
野球のキャップやサンバイザーをかぶることはあるけれど、
オシャレな帽子って持っていない気がする。
子どもと外に遊びに行く時にもいつもかぶってるから、
きっと、主人も帽子は好きなんだろうけれど、
自分で選ぶ自信がないみたいで。
 
だから、親身に相談に乗ってくれる帽子屋さんで、
いつもとは違う、ちょっとよそゆきな帽子を一緒に選びたいな。
 

 
「すご〜い!
本当に色んな帽子があるんですね〜。」

 
「どうぞ、気になったものを是非手に取ってください。
色々見て、選んでいるうちに、
少しずつ自分の好みがわかってきますよ。」

 
「かぶってみて良いんですか?」
 
「勿論です!どんどんかぶってください。」
 

「どういうのが似合うのか、
全くわからなくて・・・。」

 

 
「アメリカやイギリス製の帽子は、横幅が狭くて浅いんです。
でも、アジア人が似合うのは幅がある程度ある型、
いわゆる、ティアドロップ型が似合います。
 
横幅で自分に似合う型を見つけて、
前後はスポンジを詰めて調節すると良いんですよ。」 

 

 
「似合う型は本当に人それぞれ。
顔の形や肩幅がみなさん違いますからね。
肩幅と頬の幅のバランスを見て、帽子のつばの幅を合わせるんです。
幅が短すぎると頬が目立つし、
幅をのばしすぎるとテンガロンハットに見えてしまう。
バランスの良いつばの長さは、
最短から最長まで平均1.5cm。
それを5mmでも超えると、テンガロンハット風になります(笑)。」

 

 
「たったの5mm?!
そんなに細かい世界なんですか?」

 
「そうです。
洋服だと5mmじゃそこまで変わりませんが、
帽子の5mmの差というのは、めちゃくちゃ大きいんですよ。
 
ご主人の頭をさらわせてもらった感じだと、
横幅もそこまで無くて大丈夫そう。
似合う帽子はいろいろあると思いますよ。
 
同じデザインで、5mmずつつばを広げていって、
似合うつばの範囲を見てみましょうか?」

 
「是非おねがいします!
見たい、見たい!」 

 

 
「一番短いのがこちらです。」
 
「わ〜、新鮮!可愛い〜(笑)。」
 
「なんか、照れるね(笑)。」
 
「最初照れるのは、見慣れていないだけなんですよ。
鏡を見ているうちに違和感なくなってきますよ。
じゃあ、5mmずつ幅の長い型を順にかぶってみましょう。」 

 

左から順に5mmずつ幅のひろい帽子を試着(クリックで拡大します)
 
「デザインは変わらないのに、印象が違うね。」
 
「似合う範囲が決まったら、あとは好みです。
つばが最も短いバージョンが好きな方もいます。
でもやっぱり、長からず短からず、中間を選ぶ方が一番多いですね。」
 
「こういうハットって、
普通の格好の時にかぶっても良いんですか?」

 
「大丈夫です。
一応、正しいかぶり方というのはあります。
かぶった時に帽子が耳の上1cmの位置に来るのが
一番クラシックなかぶり方なんです。
でも、イタリア人はちょっと前に落としてかぶるんですよ。」

 

 
「この、『ボルサリーノ』というブランドは、
同名の映画にもなったブランドで、
創業150年の老舗です。
 
ここの帽子は撥水加工してあるんですよ。
昔の人ってそんなに傘をささなかったみたいで。
手にはステッキを持って・・・
そうそう、カッコイイじゃないですか!
短パンだとちょっと迫力ないですけど(笑)」

 
「帽子が傘がわりだったんだ〜。」
 
「帽子の内側に、メーカーの刻印がありますよね?
これは昔、イギリスでは帽子税という税金をとっていて、
その時に、徴収したという印としてはんこを押していたらしいです。
その習慣をいまだに、ここのブランドは受け継いでいるんですね。」

 

 
「ほんとだ!
そういう話をきくと、老舗の歴史を感じますね〜。
ねえねえ、自分の帽子姿、見慣れてきた?」

 
「う〜ん、、まだかな?
俺自身が一番見慣れるの遅いね(笑)。」

 

 
「初めて帽子かぶると、最初は何が何だかわからないんですよね。
ちょっと照れくさいし。
でも、段々見慣れて来ますよ。
メガネや髪型と同じです。
顔周りを変えると、その人全体のイメージががらっと変わるんですよ。
だからこそ、帽子って面白いんです。」

 
「そうそう、慣れ慣れ。
もっと鏡見たら良いよ(笑)。
これ、かぶってみたら?似合いそう、ハンチング。」

 

 
「似合う~!普通に似合ってるよ!」
 
「ホント、よく似合ってますよ。
頭の形が良いから、色んな帽子いけますよ。
 
ハンチングはつばで奥行きが決まるんです。
普段、野球のキャップをよくかぶってらっしゃるんですよね?
だから、そのキャップのつばの奥行きを、
普段から見慣れていると思います。
それより少しでも短かったり長かったりすると、
違和感感じませんか?」

 
「確かに、感じますね。」
 
「型のサイズも大事ですけど、
そういう奥行きも選ぶ上での重要なポイントです。」

 
「帽子って、本当にバランスが命なんですね。」
 
「そうなんです。」
 

 
「よくかぶってらっしゃるキャップのつば、
結構長めですか?」

 
「長いかもしれない。」
 
「このタイプが一番長いです。
奥行き出ますよ。」

 
「可愛い~。いつもの感じ!
ほんとだ、横から見ると確かにさっきよりつばが長いね。」

 
「普段、結構長めのキャップかぶってるんですね。」
 
「子ども達と公園とかに行っても、
日差しが暑くないように、っていう。
おしゃれというよりは、実用性で選んでるかも。」

 

 
「こうやってくらべると、つばの長さが全然違うんですよ。」
 
「デザインは一緒なんですね。」
 
「そうです。
あ、実用性といえば、探検帽もありますよ(笑)。」

 

 
「この帽子、滅多にないですよ。
面白いでしょう?」 

 
「おもしろ~い!
ほんとだ、探検家みたい!」

 
「よく似合いますね。」
 
「意外にこれ、本当に実用的かもしれない(笑)。」
 
「そうでしょう(笑)?
ピッタリフィットするし、キャップみたいに調節もできるんです。」

 

 
「せっかくなんで、シルクハットもかぶってください。
これはシルクハットもどき。
中にワイヤーが入ってるので
好きなように形を変えられるんですよ。」

 
「シルクハットってどんな時にかぶるんですか?」
 
「一応、正装用なので、大体スーツを着て。
結婚式で使う方も多いんですよ。」

 
「なるほど!」
 

 
「これは、サファリハット。」
 
「これ似合う~可愛い~!」
 
「うん、俺も好きかも。」
 
「ひもは、いらなければ切っちゃっても大丈夫です。」
 

 
「色はどお?」
 
「う〜ん、黒もかぶってみたいな。」
 

 
「黒はワンサイズ小っちゃいんです。」
 
「あ、でも可愛いよ。」
 
「帽子のサイズって、どうやって決めたら良いんですか?」
 
「これだと、Lくらいの方が良いですよ。
夏物の帽子は、隙間を開けてた方が良いので。」

 
「黒が良いんですが・・・」
 
「1サイズあげるには1cm広げることになります。
10分待って頂ければ、すぐに機械で広げられますよ。」

 
 

 
「え〜!すごい。職人さんなんですね。」
 
「いや、職人”風”です(笑)。」

 

 
「この帽子、お勧めですよ。
最近こういうシンプルなハットってあまり無いんですよ。
 
今はノリが入っているので若干硬めなんですが、
かぶっていくうちにどんどん柔かくなって、
いい具合によれてくるんですよ。
僕は最初からよれさせたかったので、
こんな感じでゴムで留めてました。
あとは、大きめを買って、最初に洗って全体的に縮めるという手もあります。
それなら、1サイズ大きめを買うというのもアリです。」

 

 
「これ、買います。」
 
「え?きまり?!はや!(笑)」
 

 
「少しずつ広げてますので、
ちょっとお待ちくださいね。」 

 

 
「この、青いリボンの、
ジョニーデップと同じ帽子です。」

 
「え〜!すごい!」

「かっこいいー!」

 

 
「ボルサリーノですけど、
さっきお見せしたハットと全然違うでしょう?
まーるい形が可愛いのはダービーハット。
クラシックで面白いんですよ。」

 
「だんだん見慣れてきた感じがするな(笑)。」

 

 
「普段はキャップかサンバイザーって感じだけど、
こういうオシャレな帽子も似合うんだね〜。
新たな発見!」

 
「試着してるうちに、
思ってたよりハットも敷居が高くない気がしてきたよ。」

 


 
「ハットって、リボンでもだいぶイメージ変わるんですよ。
そんなにバンバン帽子を買い替える必要はないと僕は思っていて。
シンプルな型で自分に合う帽子ってなかなかないので、
それを見つけたら、気分を変えたくなったときにリボンだけ替える。
そうやって帽子の雰囲気を変えるという楽しみ方を、僕はお勧めしてます。」

 
「ほんとだ!リボン一つでがらっと変わりますね〜」
 
「全然違う帽子だ。」
 
「リボン替えは、リボン代金と工賃込みで1500円でできます。
リボンのサンプルも全色そろっています。
当店で買った帽子じゃなくても良いんですよ。」

 
「え〜、良心的。うれしいサービスですね。」
 

 

 
楽しそうに帽子を物色し始めた二人。
 
「一番最初だけこうして色々お話しをすれば、
次ご来店なさった時はもう、
お二人でぱっと選んで決められるようになってるんですよ。」

 
嬉しそうに微笑みながら、
比嘉さんがこっそり耳打ちしてくれた。
 
 

 
「サイズ調整ができましたよ。
どうぞ。これでさっきとすると全然変わってますよ。」

 
「あ、ほんとだ、全然違う!
広がってる!」

 

 

「かぶり心地、良い?」
 
「うん、すごく良い!ぴったり!」
 
「さっきのと5mmしか違わないんですよ。」
 
「ほんとうに5mmの差なんですね。」
 
「そうですよ、帽子は。
少し大きめにしたので、汗をかいて縮んでも大丈夫です。
縮みすぎたらいつでも持ってきてください、
また広げられますので。」

 

 
「ありがとうございます!
今日はすごく楽しかったです。
なんか、帽子に目覚めたかもしれない、俺(笑)。」
 
 
「比嘉さん、次は私の選んでください!」
 
「喜んで!お待ちしてます。
ありがとうございました。」


 

 

 
********
 
お父さん、お義父さん、夫。
今回、父の日スペシャルと題して伺ったお店では
三人の「おとうさん」のためにプレゼントを選んだ。
 
図らずも、
 
「陶・よかりよ」
「COFFEE potohoto(ポトホト)」
「LEQUIOSIAN(レキオシアン)」
「analogue(アナログ)」
 
いずれのお店でも対応してくださったのは男性オーナー。
 
世のお父さん達と同じ目線で、
プレゼント選びに親身に対応してくださった。 
 
一つ自信を持って言えるのは、
これは決して、取材向けの特別な対応ではないということ。
いつ、誰が行っても、誠意と熱意を持って対応してくれる、
プロのお店であるということ。
 
父の日って、お祝いムード全開の誕生日とは少し違う。
もっと敬意をもって、心からの感謝を表したい、少し厳かな日。
尊敬する「お父さん」には、
プロの目で一緒に選んでもらった、こだわりの品をあげたいから、
品選びの前に、店選びから。
 
今年の父の日は、「本物」を贈ろう。
 

写真・文 中井 雅代

 

analogue(アナログ)
那覇市松尾1-9-50 山田ビル1F MAP
098-862-1680
open 13:00〜21:00
不定休

  
取り扱いブランド:
Borsalino(ボルサリーノ)、misa harada、CA4LA、CHRISTYS LONDON、Barairo no Boushi…..etc