2014 5月

写真 文  田原あゆみ

 

                          
shoka

 

 
梅雨入りした沖縄には重ための雨雲がたれ込めています。

 

 
それでも時折雲の合間から覗く太陽の光には、夏の力強さを秘めています。

 

 
例年より少し肌寒いゴールデンウイークになりましたが、どう過ごしましたか?
私は4月の末のヨーガン レールさんの誕生日を祝いに、石垣島へ行ってきました。

 

 

 

 
shoka

 

 
そこはいつ行っても独特の空気が満ちている。
レールさんの審美眼を通過したものが置いてあるうつくしい空間。
それを包む自然の光と陰。

 

 
南の島の植物から漂ってくる季節の花の香りや、海から吹いてくるこの季節特有のねっとりとした潮風。
アカショウビンの鳴く声が響く早朝と、コノハズクがささやく夕べ。

 

 
それから、ここには香り高いハーブや野菜が採れる畑や、果樹園がある。

 

 
shoka

 

 
緑が目にしみるパセリ。
とても新鮮でおいしい。

 

 

 

 
毎朝木からもいで食べたピタンガは、アセロラの様な甘酸っぱさ。

 

 
shoka

 

 

 

 
酸っぱさに口をすぼめたり、おいしーい!と歓声を上げたりしながらいただいた。
季節のものを、収穫した場で食べる事が出来るのはなんて贅沢な事なのだろう。

 

 

 

 

 

 
shoka

 

 
私はここにくると、毎日早起きをして、海を歩く。
海へ抜ける道は、ジャングルだったり、絶壁の岩場だったり。

 

 
うっそうとした植物の生い茂るジャングルを通っている時に、懐かしい甘い香りに包まれた。
見上げるとそこにはヤシの花が咲いている。
足下にはオレンジ色のヤシの花がぱらぱらと落ちていた。

 

 
甘い甘い香り。

 

 
昔、沖縄本島でお気に入りの海にいく時にもこの匂いがしていた。
私の島の若夏の山の匂い。

 

 
shoka

 

 
朝も、夕方も毎日毎日浜を歩いた。
いくつもある静かな海辺。

 

 
ゴールデンウイークなのに、観光地を外れた海にはほとんど人がいない。

 

 
波が洗った後のきれいな砂浜に、足跡をつけながら、私たちは良く歩いた。

 

 

 

 
墨と、雨と一緒に。
そして時々、空と。

 

 
ビーチに足跡をつけたのは、この子。

 

 
shoka

 

 
レールさんの愛犬、スタンダードプードルの墨はボールや木切れが大好き。
見つけては私たちの足下へ運んできて、そっと静かに置いてじっと見つめる。
投げて欲しいのだ。

 

 
中々気がつかない私に身体をぴったりと人にくっつけて存在をアピールしてくる事もある。

 

 
私の知っている限り犬たちは飼い主や、犬好きな人と一緒にいる事が大好きだ。

 

 
shoka

 

 
石垣島の街へ向かう途中、雨の降っている国道沿いにちょこんと座っていた子犬は雨と名付けられた。
車にひかれたらかわいそうだと拾われてから、はや10年。

 

 
ずっと石垣島のレールさん宅にいて、留守を預かっている。
控えめで、賢くて、やさしい雨。

 

 
私が朝起きてくると、「あう~~~あうあうあう~~~~」と声を震わせながら全身でうれしさを表現してくる。
ごろりとお腹を見せて、なでて欲しそうに見つめるのだ。
いつも他の犬たちの一歩後ろにいて、決して出しゃばらない雨。

 

 
みんなが東京に帰っていった後、何時かみんながここへ戻ってくる日を待っている雨を想像するとちょっと切なくなってくる。
みんながいる時は、雨にとっては待ちに待った日々。
震えるほどうれしいに違いない。

 

 

 

 

 

 
shoka

 

 
雨という名前が、ちょっとだけ寂しそうに感じられるのは、私が持っている天候の雨へのイメージなんだろう。

 

 
やさしい雨の事を、私はしょっちゅう雌だと勘違いしてしまう。

 

 
浜辺を歩いてする事は。

 

 
うつくしいものや、使えそうなものの拾い物。
時々立ち止まって、写真を撮ったり、犬さんたちと遊んだり。

 

 
彼らがいるのといないのでは雲泥の差。

 

 
私より体温が高くて、感情がストレートで、忠実で、愛情深い彼らと過ごしていると、一人で歩く何倍も景色が生き生きと見えてくる。

 

 

 

 

 

 
shoka

 

 
砂浜で遊んだ後、昼寝をしている墨の足の裏。
触ると私の体温よりもずっと熱いのにおどろいた。

 

 

 

 
shoka

 

 
この子は、空。
小さなトイプードル。

 

 
私の中では、その種類に収まらないくらい個性的で、不思議な魅力に溢れる子。
朝会った一番に、身体を押し付けて喜びを表現してくれる。
こんな子に好かれたら、うれしくない人はいないんじゃないかしら?

 

 

 

 
shoka

 

 
犬がいなくても景色は美しいけれど。

 

 

 

 
shoka

 

 
つぶらな瞳がこちらを見つめて、角を曲がってやってくるのを待っていてくれると・・・・
とたんに世界にはあたたかな血が通いだす。
光はきらきらと輝きだして、肺にはたくさんの酸素が入ってくる。

 

 
そんな気がする。

 

 

 

 
こんな風に、犬さんたちと毎日のように浜辺を歩いたゴールデンウイーク。
この子たちがまだ小さな頃にも、こうやって一緒に歩いたものだ。

 

 
私や共に歩いた友人たちも、犬さんたちも、海も、少しづつ変化してきた。

 

 
同じ場所でも、同じメンバーでも景色は少しづつ変化してゆく。

 

 

 

 
だから時々こうやって、今目の前に広がっている景色が目に深く染みてくる。

 

 

 

 

 

 
shoka

 

 

 

 
レールさんの工房でごろんと寝転がっていた雨。
ここでひとりで待っている時には、どんな風にしているのかしら。
道を見つめて、待っているのかしら。

 

 
私たちは決して一人の雨を見る事は出来ないけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 
shoka

 

 
家へ帰ってくると、私の帰りを待っていた愛犬のぽぽとじゃいちゃんが走り寄ってきました。
同じ言葉で会話が出来ない分、寂しかったんじゃなかろうかと気になってしまう。
いつも誰かを待っているような犬たち。

 

 
待たせちゃってごめんね、そう思う事が多いのだけど、いくらでも待ちたいくらい好きな人がいるのも彼らにとってはしあわせな事かもしれない。

 

 
そうだよね、ぽぽ、じゃいちゃん??

 

 

 

 
今度の休みには海を一緒に歩こうね。

 

 

 

 

 

 
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Shoka:の次の企画展

 

 

 

 

 

 
夏のお出かけ展 vol2 5月23日(金)~6月15日(日)

 

 
shoka

 

 
夏のお出かけ展第2弾は、ヨーガンレールの夏服と、
山羊革のリボンを手編みしたメッシュのバッグやサンダル、
靴たちがShoka:にやってきます。
もう何十年も使っている方達にしっかりと信頼されているヨーガンレールのメッシュ製品。
今年もどんなものがやってくるのかとても楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
shoka
Jurgen Lehlのデザイナーの松浦秀昭さん
センスが良くって、働き者でお茶目な先輩
ユニークなトイプードル『空』は松浦さんの相棒
今年も上質で、素敵なメッシュを企画してくれました

 

 

 

 

 
暮らしを楽しむものとこと
Shoka:

 

 
http://shoka-wind.com

 

 
沖縄市比屋根6-13-6
098-932-0791

 

 

2014 5月

 

女子心をくすぐるアロマを用いた定期ワークショップ!
今月はお肌に優しく素敵な作用のあるクレイ(泥)と、ハーブパウダーを使って、お持ち帰り用と体験会用のクレイパックを作り、体験します。
アロマの力を借り手、つるぴかお肌を手に入れましょう♪

 

開催日:5月17日(土)
時間:10時30分〜13時30分
料金:1,860円/ドリンクのみ 2,160円/ドリンク&スイーツ付
定員:10名
持物:普段お使いの化粧水や乳液 お化粧道具(パック後のメイク直し用)
講師:垣花千晶(アロマハウスホクレア)
申込: ☎098-851-4977(Cafe coil) ☎080-9145-7866(アロマハウスホクレア)
web申込→http://cafecoil-okinawa.com/?p=537

 

2014 5月

 

講演者:南アフリカ共和国駐日特命全権大使 モハウ・ペコ

 

開催日:2014年5月14日(水) 
時間:18:00-19:00
会場:OIST講堂
入場無料・要予約

 

http://www.oist.jp/ja

 

2014 5月

 

今年もまた県内作家さんがつくる手ぬぐいから各地の手ぬぐいまで多様な柄が一同に見れるイベント「手ぬぐい日和」が開催されます。
どうぞお気に入りの一枚を見つけてくださいね。

 

日時:5/17(土)・5/18(日)11:30~21:00
場所:珈琲屋台ひばり屋の庭(那覇・パラダイス通り)
那覇市牧志1-2-12 「理容たかまつ」裏
出店:MITSU PRINT / Doucatty / 雑貨屋[そ]/ 琉球ぴらす / 眞水 / 島しまかいしゃ

 

*夕方からは『夜ひばり』開催!(夕方~21:00)
18日は「 su-su-soon」 くるっと楽しい手巻き寿司など
19日は「YANBAR(ヤンバール)」ワインによく合うヨーロッパのお惣菜

 

※雨天時は、 SAKATAKIYOKOスタジオにて開催(那覇市壷屋1-4-4)

 

珈琲屋台ひばり屋
那覇市牧志1-2-12 「理容たかまつ」裏
TEL.090-8355-7883
http://hibariya.blog66.fc2.com

 

2014 5月

 

イベントの説明文 ワンコインで様々な体験(ワンポイントメイクレッスン、ネイル、アロマテラピー、整体、ヨガ、その他・・)が出来る美と健康のイベントです。手づくり雑貨やスムージー、島野菜カレーの販売、特別講演会「シニア野菜ソムリエ徳元佳代子の野菜美人講話」もあります。入場は無料ですが体験や講演会は有料(ワンコイン)です。

 

開催日:6月15日(日)
時間:10:00~15:00
場所:南城市文化センターシュガーホール2F集会室周辺

 

2014 5月

 

皿の上の自然のおりょうりに合わせたソムリエセレクトワインを
ワインのお話しとともに、心地よい時間を
お過ごしくださいませ

 

3セレクトワインと試飲
皿の上の自然CHEFスペシャリテ
フレンチコーススタイル

 

自家製生ハム解禁

 

ワインをお飲みになれない方にはノンアルコールカクテルドリンクを
ご案内致します

 

会費:10000円

 

開催日:5月10日(土)
時間:18:30開場 19:00 〜21:30
場所:aura@sara

 

http://aurasara.ti-da.net/e6225520.html

 

 

2014 5月

 

aura@saraイタリアンバルとワインを愉しむ会
会費 :5000円
saraスペシャルチケット3000円ワイン2種 試飲付きワイン会限定熟成肉3点盛りをはじめ新しいsaraのバルメニューよりお料理オーダー制となりますチケットは当日はもちろん有効期限内いつでもお使いいただけます

 

開催日:5月9日(金)
時間:17:30〜21:00(LO)
※ご来店時間はお好きな時間にお越しくださいませ
時間内ソムリエ田嶋一成がワインのお話をフリースタイルでご案内致します
場所:恩納村真栄田2253-3
ペンション美留近く

 

http://aurasara.ti-da.net/e6225520.html

 

 

2014 5月

 

沖縄民謡とハワイ音楽のイベントです。
好評に閉幕した第一回目の3月30日の豪華出演者から、またまた今回は、

 

(^^)JAZZサックス奏者の坂田明氏、http://www.akira-sakata.com/

 

(^^)エレクトリック ヴァイオリン奏者の勝井祐二氏
http://www.katsuiyuji.com/

 

を迎えて、幅広い音楽の中楽しんでいただきたい。

 

川満睦ピアノ
有田康信サックス
ホールズ ギター

 

(^^)沖縄uchinaから、若手ホープ よなは徹氏
http://www.toru-yonaha.com/

 

(^^)ハワイアンの要素も早くから取り入れてる島唄歌者 島幸子氏
http://okichanrecord.com/

 

(^^)凄い名手が!参戦!松井朝敬氏
http://www.sweethollywaiians.com/

 

(^^)女性では、珍しいスラッキーギター奏者のMAKALANI氏
http://makalani.info/wp/?cat=4

 

(^^)オキナワンえりフラの「子供フラダンスと、講師えりさん
http://www.johnnyginowan-walewale.com/

 

(^^)前回も盛り上げてくれた!ウクレレ奏者大木謙次氏

 

(^^)女性若手?!民謡歌手による華やかなステージ「掘内歌奈子、比嘉いつみ、石川陽子ほか」

 

(^^)前回も、お客さんの心を掴みまくったDJ NU-DOH
https://m.facebook.com/permalink.php?story_fbid=764937296856750&id=249174025099749

 

(^^)アダルトな笑。本格派ハワイアンバンド
タマシロマーケット

 

(^^)渋いのどで、民謡を歌う島袋秀豊氏

 

など、音楽と、自然を楽しんで貰う、最高なイベントへ、メンソーレ。

 

前売り3500円
当日4000円共に1ドリンク
チケット販売は、キャンパスレコード沖縄市932-3801
喫茶カラーズ927-6508
barモヒカン 946-0609

 

開催日:2014年6月1日(日)
時間:10:30~19:05
場所:東南植物楽園

 

https://www.facebook.com/events/764542660224465/?ref_dashboard_filter=upcoming

 

2014 5月

 

ママがフェイシャルエステを受けている間に、お子さまはスタッフとオモチャ作りを。
完全予約制のスペースで、いつも頑張っているお母さんへ、ささやかな癒やしの時間をお届けします。
母の日だけの特別企画&特別価格でのご提供です。
ご予約は、担当/桃原までお電話くださいませ。
090-1799-4208

 

開催日:5月11日(日)10:00〜17:00*完全予約制
場所:ナリスビューティースタジオ De I’m
沖縄県那覇市おもろまち4-21-32
*添付画像をご参照ください

 

http://oyakodeart.ti-da.net/e6226136.html

 

 

2014 5月

 

女性が美容の為、お子様の為に知っておきたい『食事』の事をご説明します♪
今回は『油』と『ファスティング』についてです。

 

美容・健康の為に積極的に摂りたい油があるのはご存知ですか?
体に良い油は美容効果も高く『飲む美容液』とも言われています。
逆に体に悪い油は太りやすくなってしまったり、アレルギーやアトピー性皮膚炎を促進してしまう事もあります。

 

透明なプラスチックに入ったサラダ油を使っていませんか?
それがアトピー性皮膚炎を悪化させたり、痩せにくくさせている原因かもしれませんよ!?

 

ご自身の美容の為に。
お子様の健康の為に。
ぜひご参加下さい。

 

開催日:2014年5月15日(木曜)
時間:19:00~20:30(受付18:45~)
場所:f’INKONTORO
沖縄県那覇市真嘉比166 makabiapartmet-106
料金:1500円(当日支払い)
クレジットカード可(visa・master・JCB)
定員:5名(お子様連れ大歓迎)
お申し込みはメールもしくはLINEからお願い致します。

 

メール inkontoro@gmail.com
LINE ID inkontoro
http://inkontoro.ti-da.net/e6235311.html

 

2014 5月

cafe がらまんじゃく

 

「『忙しい』を理由に食をおろそかにするのは、早く死ぬことを自分で選択しているのよ」

 

生きるためにちゃんと食べる。その大切さを明るく快活に話してくれるのは、大きな赤瓦家の店 Café がらまんじゃくの店主、山城清子さんだ。

 

食の大切さはきっとみんな、頭ではわかってる。でもなかなか実践できないのが、本当のところ。その悩みを素直にぶつけてみると、清子さんから即座に先の言葉が返ってきた。 後頭部を鈍器で殴られたような衝撃が走って、思わずしゃんと背筋が伸びた。

 

「人は、死ぬのも生きるのも、いつ死ぬのかも、食べ物次第で自分で選べるのよ。子供の命、旦那さんの命を考えたら、お母さんは台所を守るのが本来の姿。外で働かなくたって田舎行って畑すりゃ生きていけるの。経済と命、どっちが大切なの。優先順位をちゃんと考えて」

 

そしてこうも付け加えた。

 

「丁寧な生き様をしたかったら、丁寧なごはんを食べないと」

 

“丁寧なごはん” そう、がらまんじゃくで頂けるのは、まさに“丁寧なごはん”だ。

 

cafe がらまんじゃく

 

お盆の上には小皿がいっぱい。そして月桃の葉の上にも、幾種もの野草や薬草、野菜料理が。ちょこちょこと、楽しくなるほどの数が並んでいる。

 

あまりの色鮮やかさに驚いていると、清子さんが「この色、全部天然の色なのよ」と教えてくれた。紅芯大根の目の覚めるようなピンク色、紅芋のまろやかな紫…。

 

 

がらまんじゃくの料理は、色でたどることができる。

 

優しくも鮮やかな若葉色は、野草のスムージー。苦みを想像させるその色に反して、とてもフルーティだ。野草の苦味をバナナとシークヮーサーが中和してくれている。美味しくて、スルスルと喉を通りすぎていく。

 

cafe がらまんじゃく

 

鈍く光る墨色は、知る人ぞ知る黒煎り玄米茶。こんなに黒い色が出るのは、玄米を炭になるまで炒っているから。手を休めることなく何時間もかき混ぜ続ける。それから炭になっ た玄米をコトコトと煮出す。

 

なんて手間と時間を惜しみなくかけたお茶なのだろう。コーヒーのような深い香りと香ばしさがある。すうっと体に染み渡っていくようだ。

 

cafe がらまんじゃく

 

透明感のある乳白色の芋は、はりいも。ホクホクしていて、淡泊な味だ。繊維質がたっぷ りあるのがよくわかる。なかなかお目にかかれない珍しい食材に出会えるのも、“がらまんじゃく”の魅力である。

 

はつらつとした黄や橙は、ニンジン。シリシリして、千切りのサクナと和えている。ニンジンの甘さとサクナの爽やかさがよく合うなんて、新発見だ。

 

そしてゆるやかに緑のグラデーションを描く野菜たち。落ち着いた深い緑色はセリ。醤油と鰹節でおひたしに。艶めく柿渋色は、味噌で煮こまれたゴーヤー。芽吹いたような萌黄は、ムカゴ。雲南百薬のツルの間にできる野菜で、湯がいて塩とにんにくであえて。どれも素材の味をダイレクトに味わえるものばかり。

 

様々な色に目を奪われ、「次はどれを食べようかな」と迷う楽しさがあり、「これ、なんだ ろう?」とワクワクもする。そして口に入れると、生き生きとした素材の味の発見がある。

 

cafe がらまんじゃく

 

例えば、お味噌汁の中のカンダバー。くったりと煮込まれ、とろんと優しく、じんわりとした滋味深さが体中に染み渡っていく。

 

これだけ味わい深い料理だが、“がらまんじゃく”の料理の調理法は、奇をてらった感じがない。蒸しただけ、茹でただけなど必要以上に手を加えていない。調味料も、昔から日本人が親しんできた醤油や味噌、塩など基本のものが主だ。シンプルな調理に、シンプルな味付けなのである。

 

そのせいだろうか。初めての素材を口にしても、不思議と懐かしく感じられるのだ。そのシンプルさに、材料があれば自分でも料理できるかも、と単純に思ってしまう。

 

しかししかし、“料理するまで”が大変なのだ。

 

cafe がらまんじゃく

 

「この中に薬草や野菜は40種類くらい入っているわね。海藻は4種類入っているのよ」

 

ええっ、そんなに?! それは、生野菜スティックに添えられた具沢山の薬草味噌のこと。この味噌の美味しさは、ファンの多さが証明している。私の周りにも「がらまんじゃくの薬草味噌が大好き」と夢中になっている人が何人もいる。いやはや、こんなに多くの種類の薬草や海藻が入っているのに、なぜ味がひとつにまとまっているのだろう。薬草のほんのりとした苦みがたまらない。箸が止まらず、あっという間に皿が空になる。

 

「使う薬草の種類とか効能を調べて、それを採って洗って、味噌にしてって、も~それだけで大変な手間なんだから〜」

 

はい、その通りです。恐れ多くも、自分でもできるかもと思ってしまったこと、反省します…。

 

cafe がらまんじゃく
季節によって定食の内容は変わります

 

cafe がらまんじゃく

 

手間をかけるのは、もちろん味噌だけではない。材料をわざわざ発酵させて使うことも多い。野草の発酵液で米を炊くと、菜の花や若竹のような鮮やかな色に炊きあがる。芋だって発酵させて飲み物にする。

 

「沖縄に玄米のミキってあるでしょ。それを紅芋で作った私のオリジナル。紅芋を乳酸菌で発酵させているのよ」

 

紅芋のまろやかさの中に、ショウガの香りがいいアクセントになっている。生きた菌がたっぷりの、自然の栄養ドリンクだ。

 

沢山の野草や薬草を摘んで丁寧に下処理したり、材料を発酵させたり。 なんて、手間がかかっているのだろう。清子さんは、「1日18時間くらい働いているわよ。 もうやめたいわ~」と笑う。この手間が、“丁寧なごはん”たる所以である。

 

cafe がらまんじゃく

旬を大切にし、季節によって定食の内容を変える

 

 

清子さんが、がらまんじゃくをオープンさせたのは2009年のこと。清子さんは首里んちゅ(首里の人)で、以前は宮廷料理に傾倒していた。それが野草や薬草、島野菜のお店 をするようになったのは、知人の息子さんの死がきっかけだったという。

 

「彼ね、13 歳の時、心臓麻痺で突然死んじゃったのよ。野球の練習中に。若い命が何の前触れもなく消えてしまったことが、もうショックで。それが、アメリカ同時多発テロ前後の事でね、命のはかなさがたまらなくて」

 

そんな悲劇に直面した時、人は、自分にいったい何ができるだろうと考えるものだ。清子さんにとってそれは、食の大切さを伝えることだった。

 

 

「病気は食歴なんだよ」

 

清子さんは、何度もこう言った。その意味は、今まで食べてきた悪いものが、病気として体に現われてしまうということ。だから、体の中の悪いものを外に出すことが大切なのだという。食品に使われている添加物などはしっかりデトックスしなければ、数年後に病気として体に出てきてしまうのかもしれない。

 

“デトックス定食”は、そんな排出の重要性を再認識してできたメニューだ。

 

そもそも春は、毒素や老廃物を排出する野草や野菜が豊富な季節だ。がらまんじゃくの定食は、そんな野草たちを40種以上使っているのだから、それだけでも排出効果を十分期待できる。しかし、抜群のデトックス効果を発揮する食べ物が、他にもあるという。

 

 

「玄米茶の炭のミネラルは、大腸や肺の大掃除をしてくれるのよ。ヘドロがたまった河に活性炭を入れると、水をきれいにしてくれるのと同じね。それから芋、定食にいっぱい入っているでしょ。紅芋のミキや、ンムクジアンダギーにはりいもやさつま芋ね。善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれるのよ。ああ、発酵させたのも善玉菌を増やすわね」

 

また、普段の食事から、解毒を意識しての料理をするといいと教えてくれた。

 

「豚肉に、島ラッキョウとにんにくの醤油漬けを添えてるでしょ。ネギ類が、肉の毒を排出して消化を助けるのよ。肉にはネギ類、魚には大根を合わせるの。色々な食材をバランス良くとることが大事。動物性食品をとることも必要よ。だけど、肉の脂は消化しにくいから、食べ合わせは考えないとね」

 

cafe がらまんじゃく

 

それにしても食の大切さを伝えようと思った時、清子さんはなぜ、野草をと思ったのだろ う。

 

それは、自然に生えている野草は、科学肥料や農薬に侵されていないから。それに野草は、 四季や土地に応じて生えるもの。その時そこに生えている野草を食べることで、旬で土地 に合ったものを体に取り入れることができるから。そんな理由ももちろんある。しかし一 番の理由は別にあった。

 

「沖縄という土地の価値をみんなに知ってほしいのよ。この土地は、こんなに豊かで元気な野草を私たちに与えてくれる。これを食べない手はないわよ。こんなところ、他にはないんじゃないかしら」

 

居合わせたお客さんが、身を乗り出してきてこれにすぐに同意した。沖縄の野草は世界で一番力がある、と。

 

「僕は本土で農業をしているんですけどね。勉強を兼ねて日本中世界中の野菜や野草を見て旅をしているんです。沖縄の島野菜や野草は、世界から見てもすごいですよ。いつか育ててみたいなあと思いますね」

 

たしかに沖縄には昔から、ぬちぐすい(命の薬)という言葉があり、医食同源の料理がある。それはこの土地が、薬効の高い島野菜や野草を生み出してきたことと無関係でないはずだ。ここに住んでいる私たちは島野菜や野草が身近すぎて、その素晴らしさを見過ごしているのかもしれない。

 

 

また、清子さんは原種であることにもこだわる。

 

「定食についている“はりいも”は、原種に近いものなのよ。原種に近いということは、 人間の手で改悪されていないということ。最近は、一代限りの生命力のないタネが増えているでしょう。原種は、そのものが持つパワーがそのまま活きているのよ」

 

沖縄の地が持つ、ありのままの自然のパワーを、体の中にたっぷりと取り込んで欲しい。 そんな清子さんの思いが、一枚のお盆の上に現われている。

 

cafe がらまんじゃく

 

清子さんの夢。それは沖縄の料理を世界遺産にすること。和食は、2013 年にユネスコ無形文化遺産に登録された。沖縄の料理だって、和食に負けない素晴らしさを持っているとい うのだ。

 

「世界遺産に登録されたら、和食と同じように、皆が沖縄の土地の素晴らしさに気づいてくれるでしょ。沖縄はすごいのよ。何百年も前にあんなに豊かな宮廷料理があったでしょ。 それに薬草料理や庶民料理、山羊汁やイラブー汁なんかの滋養強壮料理があって、幅が広いんだから。食養からするとね、あ、食養って食養生のことで、食事で体を健康にすることね、戦前によく食べられていた『ンブシー』なんてサイコーよ。野菜中心の具だくさんを味噌で煮込んだ料理ね。これにご飯と汁ものをつければ十分。一汁一菜でいいのよ」

 

清子さんは、こんなに沖縄の食を愛しているが、実はもうお店を閉めたいと思っていた。 それは、丁寧な料理作りゆえ、お店を続けるのは大変な重労働だから。そんな時に、運命的ともいえる出会いがあった。

 

cafe がらまんじゃく

 

がらまんじゃく

 

「若杉ばあちゃんが、店に来ちゃったのよ〜」

 

“若杉ばあちゃん”とは、食養を広めるために全国で講演している若杉友子さんのこと。 御年 78 歳のパワー溢れるおばあちゃんだ。講演で来沖した際、コーディネーターの方が「いいお店がある」とがらまんじゃくに連れてきたのだ。

 

「ばあちゃんがさ、『あなたが沖縄の食を守ってね』って言うのよ〜。『私たち世代がしっかり頑張らないと』って」

 

若杉ばあちゃんは、沖縄が長寿県でなくなりつつあることを憂いていた。そんな中、がらまんじゃくの料理を食べ、清子さんと話したことで、清子さんに白羽の矢を立てた。この人に沖縄の健康を守ってもらおうと思ったのだ。

 

若杉ばあちゃんは、その翌日の講演で、「こういう店で食事しないとだめなのよ~、あなたたち」と皆に発破をかけていた。店名をメモした紙をわざわざポケットに忍ばせてのことだ。

 

若杉ばあちゃんが店を訪れたときの話を、迷惑な風を装いながらも、とても楽しそうに語る清子さん。その顔はひときわ輝いている。志を同じくする先輩に出会ったことで、清子さんは気持ちを新たにした。お店を閉めるどころか、デトックスを目指した定食を新たに メニューに加えたのだ。

 

さらに、食の大切さを店を通じて伝えるだけでなく、店の外でも伝えようとしている。

 

「これからは農家の人たちを支援していきたいの。農家の人があっての私たちよ。その農家さんが苦労してるんじゃ、ますます食が危なくなるわ」

 

具体的には、がらまんじゃくの看板商品の一つである“野草スムージー”を農家とタイアップできないか考えている。そのジューススタンドが街中にあって、気軽に野草スムージ ーが飲めたら…。私たちや観光客が気軽に沖縄の野草に親しめるうえ、農家の支援にもなる。これはみんなにとって理想的なアイディアかもしれない。

 

cafe がらまんじゃく

 

清子さんは、自身の料理で食の大切さを伝えてきた。しかし自分の命は自分で守ってほしいと言う。

 

「いくら私が頑張っていても、あなたたちの気持ちが変わらなければ、何も変わらないのよ。普段自分が口にしているものが安全かどうか、ちゃんと自分で調べてみてほしいのよ。 私が言うことは、全部うそだからね。自分でちゃんと調べて、考えるのよ」

 

自分の体に入れるものは、自分でしっかりと納得してから口にしなさい。清子さん流のエールだ。

 

「人間を変えるには、食べ物を変えることよ。政治や教育、宗教じゃ変えられないの。人生は、食べ物で変わるのよ」

 

食べ物で人生が変わる…。

 

本当だろうか。この言葉が本当かどうかわかるには、それなりの年月がかかるだろう。でもその真偽を知ることができるのは、食べ物を調べて、見直した人だけだ。

 

がらまんじゃくの料理を、ゆっくりと噛んでみる。 野草や薬草の力強さを、しっかりと体に染み渡らせる。

 

そして清子さんの話を、じっと聞き、行動してみる。 そうしたら、人生を変えるきっかけの扉が開くのかもしれない。

 

文 和氣えり


 


cafe がらまんじゃく
Café がらまんじゃく
国頭郡金武町字金武 10507-4
TEL 098-968-8846
Open 12:00~18:00(なくなり次第終了)
定休日 火・水

 

2014 5月

 

沖縄県民のお悩みランキング4にお答えする無料相談会です

 

開催日:平成26年5月25日(日) 
時間:9:00~17:00
場所:宜野湾市ベイサイド情報センター

 

2014 5月

 

沖縄の風土・芸能・風景を木版画で表現した過去の作品から近年の作品までを展示致します。

 

期間:2014年5月27日(火)~6月2日(月) 
時間:AM11:00~PM7:00(最終日はPM5:00まで)
場所:ギャラリー・プルミエ
http://gallery-premier.com/

 

2014 5月

 

ウォーターマーブルネイルの作り方デモンストレーションのほか、ネイル検定やサロンワークなどネイルにまつわるトークイベントを開催!!
ネイルに興味がある方、サロン経験者などご参加下さい。

 

●講師プロフィール
清水美結…東京渋谷にてネイルサロン「NAILS GO GO」を運営するほか、ネイルスクール東京MSアート学部長を務めながら、INTERNATIONAL NAIL EXPOにてチャンピオンや益若つばさ賞を受賞したネイルアーティスト

 

開催日:2014年5月25日(日)
時間:15:00〜17:00
場所:Community & Coworking Cafe coil(那覇市楚辺)
料金:1000円(ドリンク&スイーツ付)
定員:先着10名
講師:清水美結(ONE02代表)
申込:Cafe coil ☎ 098−851−4977
web http://cafecoil-okinawa.com

 

2014 5月

 

今月の満月は、5月15日の朝4:15:54 (JST)に起こります。この時月は、the nakshatra
Visakhaにあるてんびん座の29度にあります。Visakhaという言葉は、神秘の言語サンスクリット語の形容詞で、「分岐した」という意味で、木星に支配されています。このakshatraに関連する星は、てんびん座を形作る4つの星で、そのうち最も輝くのはZubenes hamaliとZuben elGenubiです。77光年先の、惑星・太陽・月の通り道である、横道の近くにあります。この星座のシンボルが天秤である所以は、昼夜の長さが等しく、あるいは均衡の保たれた秋分点で、太陽がこの星座を支配していることにあります。Visakhaにおける満月は非常に縁起の良いものとされ、仏陀であるゴータマシッダールタ(TathagataGautama)は、このnakshatraにある満月の間に生まれ、悟りを開き、入滅しました。

 

今回の満月のあいだに太陽が照射するこのnakshatraは、「目的」を表しており、目標や、訪れる夏への希望に集中するのにとても良い時です。
The Healing Spaceへいらして満月の夜の瞑想会に参加してみませんか。プラーナヤーマとマントラを使って、幽玄な月の光を礼讃しましょう。参加費は無料です。

 

開催日:5月14日(水曜日)
時間:夜7時45分〜9時
場所:The Healing Space
http://www.sheshayoga.com/healing.html
申込み:参加ご希望の方は、paul@sheshayoga.com までメールをお待ちしています。
満月の夜の瞑想会は、Shesha Vedic SciencesとThe Healing Spaceの提供による無料イベントです。
イベント当日、プレミアム・シープスキン・ヨガマットを9000円で販売しております。
(プラスチック・ゴム製のヨガマットはダイオキシンを含みますので、天然素材のものをお勧めします。)

 

Shesha Vedic Sciencesの詳細や毎日のレッスンスケジュールについては、ウェブサイトをご覧ください。
http://sheshayoga.com/

 

Purify your body! Purify your mind! Purify your life!

 

हरी ओम्