縄トモコ・・・鳥取県出身の紅型作家。自己ブランド「紅型ナワチョウ」を設立、
物作りユニット「コココ工房」を結成し、県内外で個展を開く。
杉本麻友・・・東京都出身のジュエリーデザイナー。
自己ブランドLANTANAを設立。
杉本 (冬瓜のクリーム煮を食べて)おいし~。
じゃがいもが入ってるのが美味しい。こういう作り方もあるんだ~。
───杉本さんは料理します?
杉本 一応、するように心がけてます。
縄さんすごいじょうずなんですよ。旦那さんもできるし。
縄 旦那さんはすごく上手なんですけど、
私はいつもクックパッド先生に助けてもらって(笑)
杉本 縄さんの旦那さん料理できるから、
美味しいものをちゃんと食べたいって人で。
コーヒーに凝ったりとか、すごい楽しそう。
家でのくつろぎ時間をすごい大切にしてる夫婦だから。
───こういう夫婦がそばにいると、理想が高くなりますよね。
杉本 そうそうそう。
「え~っ、私もそういうのがいい~」みたいな。
縄 うちの旦那さんはすごく生活を大事にしてて、
家でゆっくりしたいって人だから。
───沖縄に移住して来て困ったことってありますか?
杉本 ありそうですけどね、いろいろ。
縄 私はだいぶ前だから忘れちゃった。7年前だから。
杉本 車無いと困りますよね。南部は特に、
コンビニとか大きいスーパーまで遠いから。
あ、あと送料高いんですけど。
縄 あ!送料、高い高い!
杉本 エクスパックとかもあるから昔に比べたら良いのかもしれないけど。
縄 買う値段と送料が同じくらいかかる時あるから。
杉本 もっと困ったことありそうな気もするんだけど・・・。
───考えてる時点であまり困ってないってことでしょうか?
杉本 困った事が逆に楽しいですよね。
便利すぎるとすぐ行っちゃうじゃないですか。
コンビニがすぐそこにあったらすぐアイス買いにいっちゃうけど、
離れてると「いいや」って我慢できるから。
───どれくらいの距離にあります?
杉本 でも車で5分とか7分とか。
そんな遠くないけどわざわざ車飛ばしてまでいくの馬鹿馬鹿しいから、
無駄遣い減りましたね。
服も「これ来てどこ行こう」っていうのがあまり無いから
着やすい服を数枚持って回す方が快適だって思うようになりました。
昔はがんがん買ってましたけどね。
会社で働いてたからボーナスつぎこんだり。
洋服すごい好きだったんですけど、欲望にはきりがないなって思って。
そういうのと決別したいのもあったから、
こういうところに来たっていうのもあります。
───縄さんも移住して変わりましたか?
縄 う~ん、どうだろう?
でも洋服は、前はわりかしどうでも良いかなって思ってたのが
年齢もあって良いものをちゃんと着なきゃって。
だから「さちばるまやー」さんの服が多いんですけど。
あと、一人の時は飲みに行ったりしてたのが
結婚してからは無くなったから良いんじゃないかな(笑)
───最近はどんな風に飲んでるんですか?
縄 自宅では飲まないので友達の家とか。那覇に出てみんなで飲んだりとか。
杉本 南部だとみんな車移動だから、あんまり飲まないよね。
───縄さんは酒豪だって聞きました。
縄 ええっ!違いますよ(笑)でもまゆちゃんも全然飲まなくなったよね。
杉本 東京にいた時はよく飲んでたんですけどね~。
盛り上がってる雰囲気がすっごい好きで
身体壊すくらい飲んでたんですけど、
それも嫌で。
もうとにかく、全てにおいて欲望がすごくなっちゃうんですよ、
都会にいると。
あれもしたいこれもしたい、って。
でもこっちにきてから変わって。自分のやりたいことやんなきゃみたいな。
東京いるときもアクセサリーやりたいっていうのはずっとあったけど、
東京のせいにするわけじゃないけど周りを意識してもやもやしてたのが、
こっちに来て、縄さんもそうだし龍さん(関連記事:『梅原龍 作品展 ”三
つの太陽” 』)もそうだし、
作家としてやってくって決めてる人が沢山いたからすごい新鮮で、
「私もやりたいことある!」って思ってこっちに来たいな〜って。
───じゃあお二人は杉本さんが移住決める前に出逢ってるんですか?
縄 そうそう。
杉本 病気で一回来た時に知り合って。
ものづくりに関して話し合ってるのみて、うわ、すごい良いなーって。
「無理だ」っていわないから、みんな。解決策を考えてくれるから。
東京にはそういう友達が少ないというか
真面目に話す必要はないみたいに自分がなっていたから。
酒飲んでパーっと遊んで、っという感じで。
───じゃあ、本当に人生変わりましたね。
縄 まゆちゃんが龍さんちに来た事で人生変わったよね。
杉本 そうそう。最初は三ヶ月間、
本土では花粉が舞ってる時期にきたんですよ。
私の大学の友達が栃木で陶芸してるんだけど、その人に
「今度沖縄行くんだけど知り合いが誰もいないから心細い」
って話したら、
偶然、「先週沖縄の人がうちに来てすごい良い人だったから
その人に連絡してみな」って言われて、
会った事も無いのにヨコイ(ヨコイマサシ)さんに電話したんですよ。
そしたら、「うちの工房でなにかやってくれてもいいし、
全然相談にのるよ」って快く言ってくれて。
───その時は沖縄でものづくりしたいって気持ちがあったんですか?
杉本 どういう方向でやっていくってのが漠然としすぎてて。
最初は糸満の民宿にいたんですけど、
仕事もしたくて部屋も借りたいんだけどな〜って話してたら、
そのときその場にいた龍さんが、
「ちっちゃいけど空いてる部屋あるから使って良いよ」って言ってくれて。
「ええっ!」って。
───すごい!
杉本 家賃六万くらい払おうと思ってたのに「タダで良いよ」って言うから
美味しい話には裏があるはずって(笑)
一同 (笑)
杉本 ここまで来たらやってみようって思いました。
───小説や漫画みたいな話ですね
杉本 (笑)それで人生開けましたね完全に。
───栃木のお友達に話してなかったらこの出逢いは無かったですよね。
杉本 そうなんですよ。糸満の民宿にずっとひとりで泊まって、
周りも見ずに「沖縄いまいち!」とかって言ってたかも(笑)
南部の方々との出会いで、生活を見直すことができたし、
私がどこかで求めてた暮らしの景色を見れて
「ほんと来れて良かった!」って思いました。
それからは幸せでしたね。
日々からだの調子も良くなるし、ものづくりしてる人も見られるし、
「絶対沖縄が良い!」って思ったんです。
ナワチョウ HP:http://bingata-nawachou.daa.jp/
ブログ:http://nawatyou.ti-da.net/
LANTANA 関連記事:オランダ展 WHAT IS LIFE?
Cafe Beans 関連記事:http://calend-okinawa.com/food/foodshopnavi/1138.html
その1縄トモコ と 杉本麻友の場合
2010.11.08