ネックラインや袖口のカッティングが抜群に美しいブラウス。
ゆったりとしたフォルムにも関わらず、短めのパンツに合わせても品の良さを失わないのは
注意深く緻密なデザインの成せる技。
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タックの効いたデザインと、キュプラの滑らかな質感が美しいワンピース。
レギンスと合わせてカジュアルダウンすれば、ちょっとそこまでという時もぱっと着られるデイリーユースな一枚に。
COVERは、沖縄県出身の比嘉一成(いっせい)さんによるブランドだ。
「自然体で生き生きとした、前向きな女性を応援する服を作りたいと思っています。
もしくは、今の自分に自信がなくても、COVERの服を着ることで元気になってもらえたらとても嬉しいですね。」
複雑なパターンによって、前から見るとフレンチスリーブ、後ろから見ると腕を覆うように見えるプルオーバー
20歳までは針も触ったことがなかったという比嘉さん。
「飽きっぽい性格なので、自分が一生かけてやれる仕事は何だろうとずっと考えていました。
ある朝、身支度をしていてふと、洋服を選んでおしゃれすることを喜んでやっている自分に気付いたんです。それをきっかけに洋服の存在を改めて意識するようになりました。」
そこで文化服装学院に入学し、勉強を始めた。
「縫うよりもデザインが楽しくて仕方がなくて、その頃から自分のブランドを持ちたいと思い始めました。卒業後は工場を持っている縫製メーカーで、様々なブランドの物づくりの企画、生産、営業など全般を経験しました。
デザイン画はよく描いていて、いずれは沖縄から発信しようと思っていたんです。」
グレンチェック柄のワンピースは、綿麻混でさらりとした肌触り
2009年5月に沖縄に戻り、7月にはCOVERを立ち上げた。
ブランド名の由来は身体を「被う(=cover)」という服が持つ本来の役割と、
沖縄弁の「カバー(匂い)」の2つの意味をあわせ持っているという。
「自分がデザインすることで、自分自身の匂いや雰囲気のようなものを洋服に表現できたらと思って。
自分の『匂い』は、シンプルでありながらその中に一癖ある、というデザイン。その一癖は洋服によってシルエットだったり、色だったり、肌触りだったりと様々です。」
フリンジブラウス
その質感やデザインから、エレガントな雰囲気を感じるが、
「フォーマルな感じで着て頂いても良いのですが、デイリーウェアとしてカジュアルに着ていただけると嬉しいです。ショートパンツやレギンスなどと合わせて、ぱっとかぶってさっと出て行けるような、でもちゃんと品もある、そんな服づくりを目指しています。」
フロントに施された放射線状の細やかなラインは、天から降り注ぐ光の束のよう
左:2つの異素材を合わせたレギンス。
右:鉄格子越しにシャンデリアが見えるキッチュなデザインのタンクトップは、丈の長さや袖のカッティングにもこだわっている。
窮屈な服が好きではないという比嘉さんがデザインする洋服は、どれもゆったりとしたフォルムながら品があり、決してだらだらとした印象は受けない。
そのサイズ感とデザイン・質感の美しさは、「幅広い年齢層の方に着て欲しい」という比嘉さんの想いを実現へと導いてくれるだろう。
生き生きとした大人の女性を思い描いて作っているというCOVERの服には確かに、凛とした美しさがある。
10代や20代前半の、弾けるような勢いや、いつ失われるとも知れない危うい輝きはそこにはない。
ありのままの自分を受けいれてしっかりと地に足をつけ、しかし足取りは軽やかに、想いは静かに胸に秘め、後ろなんて振り向かず、毎日を大切に、豊かに生きる。
COVERの服をまとうとそういう女性になれそうな、前へ進む勇気をそっと与えてくれそうな、そんな気がした。
写真・文 中井 雅代
COVER
HP:http://www.cover-web.com
blog:http://coverwork-issei.blogspot.com
取り扱い店舗
VIVACE Shop(ビバーチェショップ)
那覇市首里石嶺町4-318
098-887-6600
open:11:30~20:00
HP:http://www.vivace-life.jp/index.html
LEQUIO(レキオ)
098-893-5572
宜野湾市喜友名2-28-23
open 11:00〜20:00
年中無休
駐車場有り
HP:http://www.lequio-r.com/pg213.html
VIVACE TOKYO(ビバーチェ東京)
東京都渋谷区神宮5丁目6-14 SS表参道 PART-1 3F SHOP/CAFE
03-3409-2690
open 11:30〜22:00
close 火
HP:http://www.vivace-tokyo.com