『 日々ごはん ① 』『フランス日記 日々ごはん特別編』読むと料理したくなる!人気料理家の高感度な日々とごはんをつづる日記。嬉しいレシピ付き☆ 

 
高山なおみ・著  アノニマスタジオ 各1,365円/OMAR BOOKS 
 
― 旨みがぎゅっと詰まったスープのような日記 ―
 
またまた日記ものの紹介です。
ここ最近毎晩のようにはまって読んでいるのは、
料理家高山なおみさんの日々を綴った
『日々ごはん』シリーズ。
今も続いているサイト上の日記をまとめたもの。
 
先日、友人からどっさり譲ってもらったので
最初から順序良く読み始めて、
もう中毒のように読んでます。
その影響で前よりも、毎日何かしら、ちょっとでも料理をするのが楽しくなってしまった。
 
著者はもうすでに知っている人も多いと思いますが、
料理研究家として本の著作やテレビ、雑誌等でも活躍されていて、
割と最近では映画「ホノカアボーイ」の料理を担当した人と言えばおわかりでしょうか(マラサダおいしそうだったな)。
 
この日記はそれ以前、彼女がまだ諸国空想料理店KuuKuuのシェフだった頃から始まっていて、料理と格闘(ではないな、戯れると言った方がいいかな)する日々が飾らない、正直な文章で書かれている。
  
読んでいて、とても感度のいい人だなあ、と思う。
やっぱり料理家ってそうじゃないといけないというか
その感覚の占める割合が大きいんじゃないかと。
 
味覚はもちろん必要だろうけれど、
日々の生活の中で目に映るもの、
季節の移ろいや、本を読んで考えたことだとか、
人と接して感じたこととかの全てが
彼女の作るものに反映されている。
料理と生活が直結しているのだ。
だから高山さんの手を通して、
日々の当たり前に過ぎていく時間の美しさ、かけがえのなさが
料理の姿に形を変えて私たちの目の前に現れてくれる。
まるで魔法みたいだ。
 
驚いたのはこんなに本の好きな方だったんだ、ということ。
好きな作品や作家の名前がばんばん出てきた。
彼女の想像力の秘密を知ったような気がした。
 
またとにかく読むと、食べることってこんなに豊かなことなんだあと再確認。
おろそかになりがちだった食生活を見直すようになった。
しかもそれが楽しい。
 
レシピ付きなのもまたうれしい。
その中からひとつ、やってみようと思っているのは「食欲みそ」。
これは、味噌の中にみりんを加え、
しょうがや、万能ねぎ、青じそ、みょうがなど薬味類を刻んで加えるだけ。
ごはんのおともに食欲がわいていいらしい。
 
読み終えて、周りからどんなに成功して見えても、
いつもこれでいいのかと思いながらやっていくことに終わりはないんだなとつくづく思った。
個人的に、酔っぱらって自転車で転び、額に傷を作ったりする駄目な感じの高山さんが好きだったりする。
 
旨みがぎゅっとつまったスープを飲んでほかほかしたような読後感のある日記。
あと特別編でフランス日記(こちらは写真が豊富)も合わせておすすめです!
 

『フランス日記 日々ごはん特別編』

OMAR BOOKS 川端明美



 

OMAR BOOKS(オマーブックス)
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