佐々木薫・著 PHP研究所 ¥1,200(税別)/OMAR BOOKS
朝夕はまだ冷えるものの、陽が射すと重ねていた上着を脱ぎたくなる暖かさ。
春が近づいて、気持ちも自然と外へ向かう。この時期、園芸店やホームセンターの園芸コーナーをのぞくと、植え付け苗がたくさん並んで賑やかだ。春は人に何か植えて育ててみようかなという気にさせる季節なのだろう。ほかの季節に比べて種類も豊富。草花に野菜、その中にはもちろんハーブの苗も多く見かける。
それで今回ご紹介するのは『心と体に効くハーブ読本』。ハーブ初心者にとってうってつけの本です。私たちの衣・食・住すべてに恩恵をもたらしてくれる植物たち。この本によると人の暮らしの中で役に立つ植物全般をハーブといい、特に食材として食べたり、ケガや病気を治すことに用いたりする植物はメディカルハーブというそうだ。リラックスしたいときに飲むお茶、スープの味を深くするブーケガルニ、パスタにからめるソース、いい香りのするシャンプー、石けん、熱を冷ます湿布に、咳止め薬など広く医療にも活用され、今の生活の中で気付くといつも身近にある。
ラベンダー、ペパーミント、イタリアンパセリ、カモミール、バジル、ローズマリーにシナモン、月桃やヨモギにしょうがだってハーブの仲間。この中の一つ二つはハーブに疎い人でも聞いたことはあるだろう。
この本ではその植物たちの歴史と、それぞれの植物ならではの薬効や特質、育て方から活用の仕方まで一通り学ぶことができる。写真も豊富で、このハーブはこんな花を咲かせるんだと初めて目にする楽しみや症状に合わせてハーブを使ったレシピではこんな薬効があるんだという驚きがある。フレッシュハーブやドライハーブを使ったクラフトのつくり方も参考になり、また栽培ビギナーにも事典として役立つ一冊になるはず。
このハーブ読本を読むと「植物はえらい」という一言に尽きる。こんなにも私たちの生活を支えてくれている。ちょっと見渡せば何気なくあるハーブの見方が変わる、そして好きになる、今の季節にぴったりの一冊です。
OMAR BOOKS 川端明美
OMAR BOOKS(オマーブックス)
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