ひっそりと上映していて、危うく見逃すところでした。
なんなの、この映画。泣ける~。
母が突然亡くなって、父がひとり住む実家に帰るというこのシチュエーションが自分とだぶるのでこの手のお話には弱いのね。
永作博美には、同じく母子ものの「八日目の蝉」で号泣させられましたが、本作でも彼女の泣きの演技が心を揺さぶる。
この作品においては父と娘、そして、義理ではあるが温かい母。
突然あらわれる、イモとハル。
母は突然心臓発作でなくなったというが、「四十九日のレシピ」が用意されている。
作品には描かれてないが、きっと何か予兆があったのであろう。
石橋蓮司は頑固で、怒ってないのに怒ったような話し方をする父、良平を好演。
うまい。うまいよね~。
とにかく温かい。
頑固なんだけど、そりゃ大事に育てた一人娘が、夫の浮気で戻ってくる。
娘との時間はもちろんうれしいんだろうけど、娘の夫にも話を聞こうと、夫の好物のイワナを持って東京にいくところなんか、もう私涙がとまりません。
このふざけた夫役を原田泰造。
私、この人大好きなのね。
最近は朝ドラにも出ているけど、非常に味がある。
「原田泰造」を話題にすると、私の周りの友人たちも口をそろえて「私、好きなんだよね~」という。
実に魅力的なひとだ。
で、このキャスティングは絶妙。
妻は夫の母の介護をしているのに、その間に浮気して、相手に子供ができてしまった、というトンデモナイひどい話なのに、この夫が憎めない。
なんか魔が差したんだろうな、と思わせる。
この浮気相手がもう嫌な女なのよ。絶対にこんな女とは一緒になりたくないと誰もが思うような。
おそらく、自分の子供はほしい夫。でも愛しているのは妻。。。。
勝手なんだよね~。
そんなこんな感じで、百合子は離婚届を残し、実家に帰り四十九日のレシピに従い、大宴会をするべく、父、イモ、ハルと準備をしていく。
それぞれのエピソードがうまく盛り込まれて、四十九日に向けて、観客の気持ちも盛り上がっていく。
いろんな人にたくさん感謝したくなるような映画。
キャスティングが本当に良い。
イモ役は二階堂ふみ。最初わからなくって、桐谷美鈴ちゃんかと思ったよ。
とってもかわいいです。
日系ブラジル人ハル役は岡田将生。これはちょっと微妙。あまりに外国人ぶりが不自然。
それでも、百合子も良平もこの二人に救われるんだよね。
二人だけじゃ、絶対にうまくいかなかった。
イモとハルもしかり。
すべての人物が、お互いに実は必要としていたときに周りにいたんだ、ということ。
それも亡くなった母、乙美さんの計らいだったのかな。
きっといろんなことを考えられる映画ですよ。温かくて泣ける。この時期にはぴったりの作品です。
是非。
KEE
<ストーリー>
熱田良平(石橋蓮司)が急に妻の乙美を亡くして2週間が過ぎたころ、派手な身なりのイモ(二階堂ふみ)が熱田家を訪問する。突然現われ、亡き妻から四十九日を無事に迎えるためのレシピを預かっていると言い彼女の存在に良平は目を白黒させる。そこへ夫(原田泰造)の不倫で、離婚届を突き付けてきた娘の百合子(永作博美)が東京から戻って来て……。
<キャスト>
百合子:永作博美
熱田良平:石橋蓮司
ハル:岡田将生
イモ:二階堂ふみ
浩之:原田泰造
<沖縄での上映劇場>
シネマパレット
那覇市久茂地1-1-1 パレットくもじ7F
098-867-1171